目次

  1. 中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは
  2. 中央銀行デジタル通貨(CBDC)の主要国の対応
  3. CBDCをめぐるトラブルに注意喚起

 中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは、日本銀行のような中央銀行が発行するデジタル通貨であり、紙幣や硬貨といった現金と同じように、価値が保証されるものだと考えられています。この点が、既存の電子マネーや暗号資産と異なる特徴を持っています。

 日銀の公式サイトによると、民間銀行の預金や資金仲介への影響など検討すべき点も多いことなどから、日本銀行も含め、多くの主要中央銀行は慎重な姿勢を維持しています。

 一方で、中央銀行の当座預金という既にデジタル化されている中央銀行の債務を、新しい情報技術を使ってより便利にできないかという議論があります。

 そのため、日銀は、欧州中央銀行と共同で分散型台帳技術と呼ばれる新しい情報技術に関する調査(プロジェクト・ステラ)を実施し、その取り組みは日銀の公式サイト上で、概念実証やパイロット実験のような取り組みを公表しています。

 ただし、日本も含めて多くの国でCBDCを導入する計画はありません。

 金融庁の公式サイトによると、日本でCBDCは実在しないにも関わらず、投資を持ちかけられ購入してしまったといった相談が寄せられているといいます。具体的には次のような内容でした。

金融庁に寄せられた相談事例

中央銀行が発行しているというCBDCの売買を扱うウェブサイトを発見した。毎日利息が付くとの記載があったので儲かると思い、多額の金額を振り込んだところ、利益が出たため税金の支払いが必要だとして追加の入金を求められたが、支払わないといけないのか
SNSで知り合った人から中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する投資話を持ち掛けられた。国が発行しているものであるため暴落の心配がないと言われ、多額の金額を個人口座へ振り込んでしまった

 金融庁は「CBDCは諸外国においても調査・検討段階であり、一部の国を除いて実用化されておりません。円の中央銀行デジタル通貨は存在しておりません」として、取引・契約を持ちかけられても冷静に対応し、金融庁金融サービス利用者相談室、または最寄りの警察署に相談するよう呼び掛けています。