宮治勇輔

1978年生まれ、神奈川県藤沢市出身。慶応大学総合政策学部卒業後、パソナに就職。26歳で家業の養豚業に戻り、ブランド豚「みやじ豚」を立ち上げ、販路を拡大する。 NPO法人「農家のこせがれネットワーク」を作り、農家の事業承継問題の解決を目指してイベントなどを開催。経験をもとに2017年、農業以外も対象にした「家業イノベーション・ラボ」を立ち上げた。

――子どもの頃は、家業についてどんな思いを持っていましたか。

 歴史小説が好きで、高校時代は2時間の通学時間もずっと読んでいました。大学に入って漠然と「一国一城の主ってなんだろう」と考えたときに、「それは会社の社長だろう」と起業を志すようになったんですね。

 とはいえ、後を継ぐ気は全くありませんでした。30歳までに起業したい、だからベンチャー企業に入って裁量のある仕事を任せてもらおうと考えていました。

やりたいことが「農業の課題解決」と気づいた

 普通に働いているだけだと起業は難しいと分かっていたので、毎朝欠かさず5時半に起きて、経営者の講演テープを早回しで聞きながら支度して、電車では新聞を広げて、ビジネス書を読んで、朝7時に開くカフェで自己研鑽の時間をつくっていました。

 ストップウォッチで計りながら、白い紙に何をやりたいのか書き出すんです。最初は「高級外車に乗りたい」「シャンパン飲みたい」ぐらいしか思いつかないのですが、毎朝続けるうちに、自分のやりたいことが明確になっていきました。

――やりたいこととは何だったのでしょう。

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