萩原珈琲

1928年創業。関西圏を中心に北海道から長崎県まで喫茶店や菓子店、レストランなど約1千カ所にコーヒーを卸している。神戸、大阪市内の商業施設などに直営店6店舗を展開。初代・萩原三代治氏から受け継がれてきた炭火焙煎が特徴で、豆の状態に合わせて炭火を調整しなければならず、焙煎に時間がかかる一方で、コーヒーが冷めても味が落ちにくい。萩原孝治郎社長が3代目で、4代目の英治さんはマネージャー。

ECサイトがあってもPRできなかった

 新型コロナウイルスが拡大する前から、英治さんが社長や社員に理解を求めてきたことがありました。それが消費者に萩原珈琲を知ってもらうことです。これまでは卸販売というBtoB事業でしたが、取引先の喫茶店のオーナーの高齢化も進んでおり、事業承継しない店も目立ってきていました。そこで「これからの人口減少社会では、これまでの経営方法とは変わってくる。消費者に知っていただくということが重要になる」と訴えてきました。

萩原珈琲のオンラインショッピングサイト

 実は、10年ほど前からECサイトを始めていたのですが、これまできちんとPRしたことがありませんでした。英治さんは「卸売業のため、EC事業で消費者と直接つながることは、取引先にどこか遠慮のような気持ちがありました」と打ち明けます。社内にも「職人気質の会社が名前を売り込むなんて……」と保守的な考えが根強く残っていました。

コロナで変わった直販の意義

 しかし、新型コロナウイルスが全国に感染拡大し、萩原珈琲の取引先や直営店が休業を余儀なくされました。そんななかで、英治さんは父の孝治郎社長と今後の事業について話し合う機会が増えました。

 外出自粛や在宅勤務で自宅で飲むコーヒーの需要が高まっていました。しかし、英治さんはそれだけでなく「ECを通して多くの人に知ってもらい、『あの喫茶店に行けば、萩原珈琲のコーヒーが飲める』となれば、自社だけではなく、お得意さんも守ることになる。筋の通った事業に育てたい」と考えました。ECに力を入れてもこれまでの得意先が最優先であることは変わらず、今後、サイト上に取引先である喫茶店の情報を掲載する計画です。

神戸市の補助事業を活用

 萩原珈琲が副業・兼業人材を活用するきっかけになったのが、神戸市とJOINSとの連携協定です。

 協定では、神戸市が「業務の効率化によるコスト削減」や、「新商品や新しい販路開拓のための新事業の創出」などを模索している市内の会社を募集、JOINSのシステムを使い、副業・兼業人材とマッチングします。

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