後継ぎと副業人材マッチング ワークデザインラボ「働く」の新しい価値
「働き方をリ・デザイン(再設計)する」と掲げる一般社団法人ワークデザインラボは、首都圏の副業人材と地方企業をつなぎ、地方の中長期的な発展のモデルづくりに力を入れています。「生まれ育った地元の役に立ちたい」「第二の故郷を持ちたい」など様々な動機を持つメンバーが、全国各地の企業の後継ぎたちと一緒に業務改善などに取り組んでいます。
「働き方をリ・デザイン(再設計)する」と掲げる一般社団法人ワークデザインラボは、首都圏の副業人材と地方企業をつなぎ、地方の中長期的な発展のモデルづくりに力を入れています。「生まれ育った地元の役に立ちたい」「第二の故郷を持ちたい」など様々な動機を持つメンバーが、全国各地の企業の後継ぎたちと一緒に業務改善などに取り組んでいます。
ワークデザインラボは2013年に発足。代表の石川貴志さんは、活動のテーマの一つに、人生において多くの時間を使う「働く」をリデザインすることを挙げています。とくに2020年から力を入れているのが「ローカルコミュニティプラットフォーム」と呼ぶ構想の実現です。つまり、首都圏から新たなやりがいを求めて地方で副業したいと考える人材を、企業やコミュニティとつなげて地域の活性化を図ろうという構想です。
具体的な活動として、大企業の社員や個人事業主など様々なキャリアを持つメンバーが、地方の企業の財務戦略、マーケティング、新商品開発、組織づくりなど様々な課題の解決するプロジェクトを立ち上げて取り組んでいます。
その一つが、京都市に本社がある「ウエダ本社」への支援でした。ウエダ本社は、1938年文具卸商として創業。4代目の岡村充泰さんが2002年、代表取締役社長に就任し「働く環境の総合商社」として第二の創業を図っています。
岡村さんが抱えていた課題は、業務改善のためにITツールを導入したいが、社員は約30人で、当時、社内にツールに詳しい人がいないことでした。相談を受けたワークデザインラボに、当時、サイボウズ営業部長の清田和敏さんがメンバーにいたことから共同プロジェクトが始まりました。
単にITツールを導入しただけでは、岡村さんの課題は解決しません。そこで、2017年11月から1年半の間、業務システムのプラットフォーム「kintone(キントーン)」をどう使いこなせば、ウエダ本社の社員の業務が改善するか、話し合いを続けました。その結果、ウエダ本社の社員たちがカスタマイズしたシステムを使って「kintoneを使った業務改善セミナー」を開けるまでになりました。
こうした地方企業やその後継ぎを支援する活動は島根県、広島県など全国へ広がりつつあります。
石川さんは「これまでの事例から副業ワーカーは金銭的な対価だけを求めて地方で働くのではないということが見えてきました」と話します。
金銭的価値に変わる新たな価値として次のニーズが見えてきました。
石川さんは「いま、働くことの価値観が変わりつつあります。一人でも多くの大人が活き活きと働き、そんな大人をみて子どもが働くことに夢を描ける未来をつくりたいと考えています」と話しています。
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