相談は「わさびを若い人に知って欲しい」

 恵子さんが2018年1月、初めて熱海市チャレンジ応援センター(A-biz)を訪れたときの相談は、家業のことではありませんでした。熱海市で子育てサークルを運営する知人の紹介で、伊豆市で参加している子育てサークルの運営資金をどう集めたらいいかというものでした。

 A-bizは、事業者の売り上げアップなどを目指して2012年に開設しました。市内事業者とのシナジー効果を期待して、市外からの相談も受けており、約3割は市外事業者からの相談となっています。恵子さんが再訪したのは、最初の相談から約10か月後。A-bizリニューアル1周年記念のイベントで紹介した企業の支援事例に触発され「わさびをもっと若い人にも知ってもらいたい。そのために、サイトやSNSで情報発信をしていきたい」と話しました。

滝尻わさび園のわさび田は、天城山系の年間雨量3000〜4000ミリと日本有数の多雨地帯にある。この豊富な雨が豊かな森林に蓄えられ美しい湧き水となってわさびを育てている

お金をかけずに無料版で情報発信

 話を伺うと、当時、わさびの販売自体は市場を通して安定しており、家族経営で人員も限りがあるのであまり大きく売上を伸ばす必要はないとのことでした。それであれば、無理にお金をかけたサイトを作る必要もないだろうと考え、初心者でも作れるクラウド型のサービスを使ってサイト制作をすることと、若い人に発信ができる様にFacebookページとインスタグラムのアカウントを開設するところからサポートすることにしました。

 子育てと家業の手伝いの合間に、1か月に1回の頻度で熱海を訪れ、操作方法を学びつつ少しずつサイトを作っていきました。滝尻わさび園のサイトは、サイト作成サービスのジンドゥー(Jimdo)の無料版を使いました。

おすすめの食べ方を紹介する滝尻わさび園のサイト

 数年前に地元雑誌に取材を受けたときの写真を使っていいという許可もあり、サイト制作は順調に進み、SNSでの情報発信も続けていきました。情報発信を続けるなかで、恵子さんのわさびを知ってもらいたいという気持ちはさらに強くなり、若い人に直接知ってもらうために地元のマルシェなどのイベント出店を増やしていきました。しかし、いざ出店をしても、なかなか思うようには売れません。

 そこで、次のサポートを考えました。

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