第三の味「だしたらこ」

 たらこの加工商品は「辛子明太子」か「塩たらこ」の2つがほとんどで、長年この2つの商品で市場が形成されてきました。一方で、総務省の家計調査によると、1世帯あたりのたらこの年間消費額は減少傾向にあります。
 そんななか、宮下社長がこの「たらこ」市場に挑戦したのは「これまでにない味」でした。「まずは失敗を恐れず何でも試してみる」を掲げ、ありとあらゆる可能性を試しまた。様々な試作品のなかから商品化されたのが、近年様々な分野で注目されている「旨み」を強化した第三の味「だしたらこ」です。

だしたらこ

 昆布とカツオ節からとったオリジナルの出汁に漬け込んだ「だしたらこ」は旨みが増す分、塩分を通常の半分に抑えることができ、塩分を気にしてたらこを食べられなかった方にも食べることを楽しんで頂ける商品です。

従業員だけが知っている作りたてのうまさ

 だしたらこには、旨みを逃さないもう一つの工夫があります。釧路海洋フーズに限らず、たらこの製造方法は一般的に原料を仕入れたタイミングで大量製造したものを冷凍して保存し、発注に応じて出荷をしています。スーパーなどに並んでいる「塩たらこ」「明太子」は解凍したものを「生もの」として売っています。

 しかし、社長の妻である宮下友美専務は、解凍過程で肉と同じように少なからず旨みが逃げてしまっていることを気にかけていました。というのも、従業員だけが食べている「作りたてのたらこ」が一番美味しいからです。この味は、水産加工業が存在する釧路だから食べることができる味で、この味にこそ食べる人のニーズがある。この街だからこそ食べられる味を提供すれば街の魅力を高めることができるのでは、と考えました。

だしたらこを手にする宮下友美専務

直販所オープンへ商品名と販売日を工夫

 たらこ本来の旨みをあますことなく伝えることができる商品を提供するために、工場の一画を使い直売を始めることにしました。しかし、元々が工場のため、アクセスが良いわけではなく、従業員5名の小さな工場で使える予算もほぼなく、わざわざ購入しに来てもらうための戦略が必要でした。
 生キャラメル、生食パンなど「生」が流行っている状況ではありましたが、「生たらこ」では通常の流通の商品も「生たらこ」として扱われており、特別だと感じてもらうのは難しい状況でした。そこで、商品名を「旨だしたらこPremium」と名付けました。

釧路海洋フーズの直売所

 また、販売日も覚えてもらいやすくするために固定化する必要があると考えました。これまで原料入荷に合わせていた製造スケジュールを調整し、毎月第2・第4木曜日を「Premiumの日」として設定し、直売所をオープンしました。

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