目次

  1. Web会議が必要な理由
    1. 働き方の多様化
    2. IT技術の進展
  2. Web会議ツールのメリット
  3. モデルケースごとにおすすめのツール
    1. モデルケース①気軽に会議が行えるZoom(ズーム)
    2. モデルケース② 安心のセキュリティのGoogle Meet(グーグルミート)
    3. モデルケース③ 豊富な機能のChatwork(チャットワーク)
  4. web会議ツールを導入するときのポイント
    1. 自社の課題・目的をはっきりさせる
    2. セキュリティ対策は万全に
    3. 自社のIT環境を整備する

 Web会議とは、インターネットを通して行う会議です。パソコンやスマートフォンから会議ページやアプリにアクセスし、グループで会議を行うことができます。
 現在、Web会議が注目されている理由は、テレワークなど働き方が多様化していること、IT技術の進展により性能・品質・コストが劇的に改善したことがあります。

 政府が主導する働き方改革により、近年、「テレワーク」は推進されてきました。導入に踏み切る企業は多くなかったのですが、新型コロナウイルスにより状況は大きく変化しました。

 感染リスクを避けるため、在宅やバーチャルオフィスなどでのテレワークを導入する企業は一挙に増加しています。

 私が知っている受託開発をメインにするIT事業者でも、コロナ禍を機に、業務の適応性も高いため、ネットワーク環境を整備して在宅ワークを推進しています。

 勤務形態が多様化するにつれ、特定の場所にとらわれずに会議ができることが必要不可欠な状況になっています。

 以前は、会議システムといえばテレビ会議でした。テレビ会議は、カメラ、マイクや専用の通信機器などをつないで会議室どうしを接続するサービスです。

 通信品質は高いものの費用が高い、相互に専用機器が必要、用途が会議に限られるなどの弱点があります。

 一方、Web会議システムは、通信品質の向上やモバイル端末の普及などIT技術の進展を背景として、サービスの多様化・高品質化が進んでいます。

 Web会議システムは、パソコンやスマホなどからアプリやブラウザに接続するクラウド型が基本です。

 普段使用するデバイスで利用できるメリットがあり、場所を選ばない会議が可能となっています。さらに、デスクトップの共有、ファイル共有、チャットなども同時に行えるなど色々と便利な機能を活用できるようになっています。

 Web会議ツールを導入することで,色々なメリットを享受することができます。

  • 交通費、移動時間、宿泊費が削減できる
  • 移動時間が減ることで他の業務が行える
  • クラウド型では、サーバー設置など初期費用が不要
  • 利用人数や機能により無料から有料まで柔軟にコストを設定できる
  • 会議資料の印刷、配布が不要。差し替えも簡単。
  • ペーパーレス化によるコストダウン
  • テレワークなど働き方の多様化を推進
  • 時間や場所を問わないためスピーディな意思決定ができます。

 それでは、モデルケースごとにおすすめのツールを紹介します。各サービスの料金は2021年1月時点です。実際に利用する前には、公式サイトで再度ご確認ください。

 Zoom(ズーム)は、急速にシェアを伸ばしているWeb会議システムの1つです。一番の特徴は、会議出席者のアカウント登録やアプリのダウンロードが不要なこと。

 Web会議の開催にアカウントが必要であるのは会議の主催者だけで、参加者は会議へ招待されることで、ブラウザから誰でも参加できます。

 そのため、手軽に会議を行いたい場合には最適なツールとなっています。

 また、Zoomは、UIに優れていて、画面共有や動画や音声のレコーディングといった機能の操作がしやすいのも利点です。

サービス名 Zoom
特徴 会議の主催者が招待することで簡単に会議が開催できる
料金 基本 無料
プロ 20,100円 /年/ライセンス(参加者最大100人)
ビジネス ¥26,900 /年/ライセンス(参加者最大300人)
おすすめの使い方 アカウント登録などが不要なため社外との会議に便利
導入時の注意 画面共有や録画機能は魅力的だが、無料プランだと3人以上のミーティングは40分まで」という時間制限がある
公式サイトURL https://zoom.us/jp-jp/meetings.html

 Google MeetはGoogleアカウントがあれば誰でも利用でき、アプリをインストールする必要がありません。

 Google Meetの最大の特徴は安心のセキュリティ対策。世界で最大級のユーザーにサービス展開しているGoogleでは、他社サービスに比べて徹底したセキュリティ対策を行っています。

 そのため、秘匿性が高い会議も安心して開くことが可能となっています。また、GoogleアカウントがあればGoogleカレンダー、Gmailとスムーズに連携できるため、スケジュールや連絡先を一括管理できます。

サービス名 Google Meet
特徴 徹底したセキュリティ対策に定評がある
料金 基本 無料
Basic 680円/月(参加者最大100人)
Business 1,360円/月(参加者最大150人)
Enterprise3,000円/月(参加者最大200人)
おすすめの使い方 Googleアカウントを持ってWeb会議、Gmail,カレンダーなど利用できるように会社の共通インフラにする
導入時の注意 ホスト(主催者)がGoogleアカウントを持っている必要がある
無料版の場合、利用時間に制限がある(2021年3月31日までは最長24時間連続使用可能)
公式サイトURL https://apps.google.com/intl/ja/meet/

 Chatworkは、ビジネスコミュニケーションに特化したチャットツールとして、多くの企業に導入されてきました。Chatworkの特徴は機能が充実していることです。

 元々はチャットツールとして開発されましたので、チャット機能は勿論のこと、音声やビデオ通話にも対応しているため、Web会議ツールとしても利用できます。

 チャット機能は充実しており、テキストメッセージの他、PDF・画像ファイル・ワード・エクセルなど、ほとんどのデータをアップロードすることもできます。

 データは保存できるため、ファイル共有管理ツールとしても利用できます。また、内容、担当、期限を設定し、タスクを登録することでタスクを管理できます。

サービス名 Chatwork
特徴 チャット、タスク管理、ファイル共有機能など機能が充実
料金 基本 無料
パーソナル 400円/月/1ユーザー(参加者最大14人)
ビジネス 500円/月/1ユーザー(参加者最大14人)
エンタープライズ 800円/月/1ユーザー(参加者最大14人)
おすすめの使い方 IT事業者や建設業などプロジェクト単位の管理に最適
導入時の注意 ビデオ通話参加者最大が14人のため大規模な会議が多いと不便
公式サイトURL https://go.chatwork.com/ja/

 現在では多様なWeb会議ツールが提供されています。選択肢が増えた分、自社に最適なweb会議ツールを導入するためには注意が必要です。

 一番のポイントは、自社の課題や目的をはっきりさせることです。課題・目的がはっきりすれば、どういう機能が必要なのか、無料か有料版かなどツールを選択する際の判断基準が明確になります。

 例えば、私の支援している建設事業者では、コロナ禍により現場や協力会社との対面での打ち合わせが難しくなり、現場単位の進捗管理が行えるChatworkを導入しています。

 業種、職種、社内会議、社外会議、デバイスの保有状況、利用人数、利用頻度など自社の状況をきちんと把握することから導入検討を始めましょう。

 Web会議システム導入にはよるセキュリティ対策が欠かせません。リスクは、機密情報の漏えいやウイルス感染といった、ネット上の問題だけではありません。

 どこでも会議ができるため、フリーWi-Fiからの情報漏洩や、覗き見のリスクも検討する必要があります。

 Web会議システムのセキュリティ対策を選択基準とする他、ウイルス対策ソフトの最新化、スマホやWi-Fiルーターの社有化などセキュリティ対策を徹底的に検討しましょう。

 Web会議システムは、日常使用するデバイスで利用できますが、社員によっては保有するデバイスは違います。

 ガラケーはいまだに根強い人気のあるデバイスですが、アプリをインストールできないこともあります。会社支給のスマホなどデバイスの標準化が理想ですが、コスト面や盗難・紛失などセキュリティ面で不安があります。

 また、資料のアップロードや画面の共有などツールを使いこなすためには一定のITリテラシーが必要となります。会議の案内方法、資料の共有方法など基本的な操作方法については導入教育をきちんと行い、誰でも簡単に使えるようにすることが大切です。