コロナ禍で普及したオンラインセールスとは 中小企業の実例を紹介
新型コロナの影響で、顧客に直接訪問できる機会が少なくなっています。そこで、完全にオンライン上で集客から、アプローチ、商談、契約までを完結する「オンラインセールス」が広がっています。実際の取り組み事例をもとにこれからの営業スタイルを紹介します。
新型コロナの影響で、顧客に直接訪問できる機会が少なくなっています。そこで、完全にオンライン上で集客から、アプローチ、商談、契約までを完結する「オンラインセールス」が広がっています。実際の取り組み事例をもとにこれからの営業スタイルを紹介します。
オンラインセールスとは、インターネットを活用した営業スタイルのことです。これまでメールや電話、DMなどで契約を獲得する「インサイドセールス(内勤営業)」とフィールドセールスを組み合わせる営業手法は一般的でした。しかし、新型コロナの影響で、契約までオンラインで完結するケースが増えています。
営業の各段階の変化について、クラウドサービスを手がける「インターパーク」は次のように例示しています。
ただし、直接訪問が難しくなっているのは各社との同様です。インターパークによると、コロナ前と比べるとメールの受信数は1.7倍に増えたといい、競争は激化しています。
そこで、次のような工夫をしている企業が増えているといいます。
新規の見込み客獲得には、ウェビナー案内ページをCMS(サイトのコンテンツ管理システム)で作成し、SNSやSEO(検索エンジン最適化)などで集客を実施。
既存のリストには、メールが見込み客の目に止まるように画像を入れられるHTMLメールでメール配信。視覚的にアプローチし、ウェビナーに誘致。
申込みフォームには、テレワーク中でも繋がる携帯電話番号の入力を必須とし電話にてフォロー。
また、すぐには商談に発展しない見込み客に対しても、定期的にウェビナーを開催し、接点を持ち続けることで自社の認知をあげるという、新たなリードナーチャリングも広まっています。
実際にオンラインセールスに取り組み、そのノウハウを顧客に提供している「ワークスマイルラボ」(ワクスマ、本社・岡山市)の事例を紹介します。
ワクスマは、自社の働き方の課題を抽出し、それを解決するための商品やサービスを探し、実際に試して効果のあったものだけを選び、活用するための社内制度やルールと一緒に提案するというサービスを展開しています。主な顧客は、従業員50人以下の中小企業です。ワクスマはこれまでオンラインセミナーを定期的に開催してきました。
2020年11月にツギノジダイが開催したオンラインセミナーにワクスマの石井聖博社長が登壇したときも、視聴者から次のような質問が寄せられました(質問者には掲載の許諾を得ています)。
従業員30人程度の印刷業です。コロナで既存顧客はつないでいますが、新規営業が難しくなった、ハードルが高くなったと感じています。 うちのように新規営業が難しくなっている会社に対してはどのような提案をされていますか?
これに対し、石井社長は「まず、新規営業が難しい理由は何でしょうか。その理由によって、やる事は変わってくると思います」と話しています。そのうえで次のように回答しています。
1.であれば、これからの時代にマッチする商品、サービスを創造しないといけません。現にワクスマもコロナ前と現在では、既存の商材は30%減ですが、新たなニーズに対応する商材、サービスを開発してカバーしてます。
2.であれば、これは営業のやり方ですので、オンラインを活用した営業活動に挑戦してはどうでしょうか。ワクスマは2020年の緊急事態宣言の際、訪問を原則禁止にしてオンラインでの営業活動に切り替えました。
その結果、1日の平均訪問件数3件からコンタクト件数5件と1.7倍となり、燃料費や旅費交通費を1カ月50万円削減し、業績も落とさずにすみ、経費削減分で利益は向上しました。
コロナが収まってもオンラインでのやり方は無くなりません。必ず一つのスタンダードになります。いまが絶好のチャンスです。
理由は2つあります。
1つ目は助成金などが様々出ており、コスト負担が少なく導入できる。
2つ目は新しい事を取り組む際、どうしても社内で反対勢力が出がちですが、いまの世の中の状況は誰でも理解してますので、取り組みやすい雰囲気です。さらには社会全体が新しい働き方を受け入れる状況です。
どういう状況になっても、提供している価値が世の中に必要とされる限り、やり方次第で必ず業績は上げることは可能です。そのためには、やり方の前に考え方が大事だと思います。
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