受注管理システムとは?特徴やメリット・おすすめシステム3選を紹介
ECビジネスを複数のショップで展開する場合、強力なツールになるのが、受注管理システムです。システムの導入は、業務効率の改善につながります。受注管理システムを選ぶときのポイントや、筆者がおすすめするシステムについて紹介します。
ECビジネスを複数のショップで展開する場合、強力なツールになるのが、受注管理システムです。システムの導入は、業務効率の改善につながります。受注管理システムを選ぶときのポイントや、筆者がおすすめするシステムについて紹介します。
目次
受注管理システムとは、文字通り受注を管理するためのシステムです。
受注といっても業種や業態、会社の規模などによってイメージするところや実態が違うでしょうから、本稿ではECのための受注管理システムに話をフォーカスします。
ECを楽天などのECモールで単独で展開している場合、受注管理システムをみずから構築する必要はありません。受注管理システムは楽天が用意し、自分はテナントとしてそれを利用すればいいからです。Amazonのマーケットプレイスにのみ出品し、販売している場合も同様です。
一方、ショップ型のECを運営されている場合、場合によっては受注管理システムを導入する必要が生じる可能性があります。
もっとも、Shopifyのように受注管理システムが標準で準備されている場合もありますが、ゼロベースでECサイトを立ち上げた場合や、楽天やAmazonなどを含む複数のサイトでECを展開している場合は、ほぼ間違いなく受注管理システムが必要になります。
例えば、Amazonと楽天と自社ECサイトの複数のサイトでECを展開している場合を考えてみましょう。
その場合、受注の通知は指定したメールアドレスに送信されてくるか、それぞれの管理画面へログインして確認しますが、通知の数が増えてくると、メールを見落としてしまう、あるいは間違ってゴミ箱に捨ててしまうといった可能性が生じてきます。
また、最近の多くのメールソフトにはフィルタリング機能がついているので、場合によっては勝手に迷惑メールとしてフィルタリングされてしまうおそれも生じます。
さらに、受注した商品を発送する際も、注文内容を確認したり、あるいは送り状を印刷するのに別々のサイトへそれぞれログインしたりする必要があり、非常に面倒です。
受注数が増えてくるとそうした業務が煩雑になり、スムーズな運営が困難になります。
一方、受注管理システムを導入することで、そうした問題を解決できます。
多くの受注管理システムは、複数サイトの受注情報を専用サイトで一元管理する機能を提供しています。
中にはインターネット以外の注文、例えば電話やFAXによる注文も一元管理できるものもあります。
受注管理システムの一元管理機能を利用することで、メールによる受注情報の見落としを防止し、各サイトへそれぞれログインして受注情報を確認する必要がなくなります。
たとえば、私のクライアントのサプリメント通販業者が、実際に受注管理システムを導入しました。すると、それまで各サイトへログインして手作業で行っていた受注管理の作業が、受注管理システムでまとめて行えるようになりました。その結果、作業量を、手作業のときと比較して三分の一程度にまで削減できました。
また、多くの受注管理システムは送り状などの印刷機能も有しています。複数サイトからの受注に対し、一元的な送り状の印刷が可能です。
受注管理システムの中には、在庫管理機能を有しているものもあります。
複数のサイトの在庫管理システムと連動し、欠品などの情報をほぼリアルタイムで更新できるものもあり、アパレルや食品などの、欠品が生じやすい商品を販売しているケースでは非常に便利な機能です。
さらに、多くの受注管理システムは、購入者に対するメールの一括送信機能も有しています。複数のサイトの購入者に対してプロモーションなどのメールを送信できるので、マーケティング的にも有効です。
便利な受注管理システムですが、数ある中から選定するポイントはなんでしょうか。
まずは、自社が利用しているサイトと連携しているか確認することが大切です。
受注情報が正しく共有されるかを確認するだけでなく、在庫情報や物流情報なども連携できるかきちんとチェックする必要があります。
現在利用できる受注管理システムの多くは、クラウドベースで提供されています。
月額料金制で、連携する店舗の数や利用するオプション機能の内容や数、あるいは月間の販売数などにより計算されるものが多いです。
ECビジネスは通常、長丁場のビジネスになりますので、自社のECビジネスの事業計画に鑑み、長期的なスパンで計算して適切なものを選んでください。
受注管理システムの操作画面はシステムごとに違います。中には豊富な機能を有しているものの、操作が難しい、操作性が明らかによくないものも見受けられます。
受注管理システム導入に際しては、自社のEC管理者に実際に操作してもらい、操作性を確認してください。
また、受注管理システムを導入するにあたってはサポートも不可欠です。
特に多くのサイトと連携する場合や、多くのオプション機能を導入するといった場合、サポートが重要になります。
受注管理システムの導入や運営が明らかに難しいケースにおいては、サポートがしっかりしているものを選ぶべきでしょう。
では、筆者おすすめの受注管理システムをご紹介します。
株式会社GoQSystemが開発・運営している受注管理システムです。
もともと自社で運営していたECサイトをベースに、必要な機能を盛り込み進化させてきた実践型の受注管理システムとなります。
わかりやすい料金体系や充実したサポートなど、多数のサイトでECビジネスを展開しているといったケースでおすすめです。20日間の無料お試し期間もあります。
月額1万円から利用できるクラウドベースの受注管理システムです。
楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングなどのメジャーなECサイトと連携可能で、在庫管理、商品ページ管理、売り上げ管理などのベーシックな機能はほぼすべて提供されています。
初期費用無料、利用開始から3カ月間は利用料無料も魅力的です。
高機能が売りのクラウドベースの受注管理システムです。
ヤフオクやAmazonFBAマルチチャンネルを含む多くのECサイトと連携しています。
利用料金は従量課金制も選べるので、月によっては販売数量が大きく上下するといった場合、コスト的に有利です。セミナーなども多く実施していてサポートも充実しています。
受注管理システム導入を成功させる最大のポイントは、自社のECビジネス計画と戦略を明確にすることです。
自社のECビジネスをいつまでにどの程度の規模まで成長させるのか、そのための戦略は何かを明確にし、その実現に向けてふさわしい受注管理システムを選ぶといったイメージです。最初に受注管理システムがあって、それに自社のECビジネスを合わせるのは本末転倒です。
ECビジネスの規模が小さく、一日に数個しか売れないといった程度では、受注管理システムを導入する必要はないでしょう。
しかし、それではECビジネスが成功しているとは言えません。ECでの売り上げが一定程度に達すると、受注管理システムの導入が必ず必要になります。
逆にいうと、受注管理システムを導入しなければならない状態にならなければ、御社のECビジネスはビジネスとして成立していないのです。
何よりも、受注管理システムを導入するためにECビジネスを運営するといったことがないよう、くれぐれもご注意ください。
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