目次

  1. 工数とは
  2. 工数管理とは
  3. 工数管理でコストと進捗を管理できる
  4. 工数管理ツールを導入するときのポイント
    1. 必要な機能を備えているか
    2. 入力が簡単にできるか
    3. 進捗状況の「見える化」がされているか
  5. 工数管理ツールのメリット
    1. 入力の手間がかからない
    2. カスタマイズできる
    3. 当事者意識を育てる
  6. 工数管理ツールは大きく2種類
    1. クラウド型
    2. インストール型(オンプレミス型)
  7. 代表的な工数管理ツール
    1. 「Jooto」クラウド型
    2. 「AKASHI」クラウド型
    3. 「CrowdLog」 クラウド型
    4. 「Backlog」クラウド型

 工数とは、あるプロジェクトの遂行に必要な業務量の合計を数字であらわしたものです。

 工数は、一般的に、ある業務を終わらせるまでにかかる「人数×1人あたりの時間」で算出されます。たとえば10人を集めて1人が1日に8時間働いて業務を終えたら、10人×8時間=80人時がトータルの工数です。

 工数の単位は「人時(人数×時間)」の他に、「人日(人数×日数)」「人月(人数×月数)」などの種類があり、プロジェクトの規模や性質によって変わってきます。短期のプロジェクトは「人時」や「人日」、長期のプロジェクトは「人月」が使われることが多いようです。

 工数管理とは、企業がプロジェクトの必要工数を計算して、経営資源である人と時間の「投入量」を管理することです。

 このとき、管理者は「人をかけるか、時間をかけるか」その二択に常に迫られます。どういうことか説明しましょう。

 工数管理では、1日でプロジェクトを終わらせるのに必要な合計業務量(必要工数)を、1人が1日に遂行可能な業務量で割り、必要な人数が割り出します。たとえば合計業務量が80人時で、1人が1日に8時間働けるなら必要な人数は10人です。

 ところが、このとき5人しか集まらなかったとしましょう。プロジェクトを終えるまで2日かかります。

 経営者としては、このプロジェクトはなんとしても早く終わらせたい。このとき、では、その5人に残業をさせればいいかと言えば、そうではありません。

 数字上では、各人に4時間残業させれば1日半に、8時間残業させれば1日で終えられそうに見えます。しかし、労働基準法の規定で時間外手当を支払う義務があるので人件費コストは割高になります。

 後者の場合は、深夜時間帯まで勤務させているはずなので、深夜割増手当も必要です。その上、人間の集中力は続きませんから、業務の効率が落ちて1日で完了しないかもしれないリスクがあります。

 また、「過重労働をさせている」と労働基準監督署から指導を受けたり、SNSで「あそこはブラック企業」と言われて採用に支障をきたすかもしれません。

 以上のことから、5人しか集まらなかった場合は、人材派遣業なども利用してなんとか10人集めるか、期間を2日に延ばすのかが賢明な選択となります。

 人材は、人件費コストだけではなく、コンプライアンス(法令や社会規範の順守)、企業のイメージが関わってくるデリケートな経営資源です。だからこそ、工数管理は、常に人と時間との兼ね合いを見ながら、慎重に行う必要があるのです。

 なぜ、企業経営で工数管理は重視されているのでしょうか? その大きな理由は二つあります。

 一つ目は、工数管理でプロジェクト全体のコストを把握できることです。

 工数に人件費などのコストをかけてトータルのコストを算出し、その計算式を見積書に明記すれば、取引先もそのコストの金額に納得しやすいでしょう。

 もし、そのプロジェクトで得る収益の総額をコストの総額が上回るなら、それは赤字の不採算事業です。報酬の増額を要請するか、出血覚悟で受注するか、その仕事を断るか、経営判断が求められます。

 二つ目は工数管理で進捗状況を正確に把握し、納期の管理ができることです。

 工数管理を行っていれば、それぞれの時点でプロジェクトに関わるメンバーの人数を増員して対応すべきかどうかを判断できます。もし大きく遅れているようなら、計画に追いつくための臨時のアクションプランもとれるようになるでしょう。

 そうすれば納期直前になってあわてて対応策をとるようなこともなくなり、取引先からの信用につながります。

 プロジェクトのコスト管理、進捗管理に工数管理は欠かせませんが、工数管理ツールを利用する上で、重要なポイントがいくつかあります。

 工数管理ツールは数が多く、機能もさまざまですが、主な機能としてはプロジェクト、レポート、工数予算、工数実績、勤怠管理、原価管理などがあります。

 導入を検討する際は、自社の業務やプロジェクトにとって必要な機能を備えているか、その機能は必要なのか、念入りにチェックしてください。

 たとえば建設業で工事に関わる業務の場合、「勤怠管理システム」は必須です。工事では、鉄筋工、塗装工、内装工など異なる企業のさまざまな職種の人が作業に入り、労働基準法など労働関連の規制も多くあります。予定の工期通りに完工できるかどうかは「人の管理」である労務管理にかかっています。

 また、製造業で自動化や無人化が進んだ工場なら、「人の管理」より「ムダなコストが発生しないこと」を重視する傾向があり、原価管理システムの重要度が高くなります。

 一方で、イベントの準備を行うプロジェクトなら、進捗のスケジュール管理がきちんとできるツールかどうかが選定の第一のポイントになるでしょう。イベント日から逆算して何日前の何時に何をするか決まっていることが、ほとんどだからです。

 なお、工数管理ツールの中には、基本メニューだけであれば低料金でも、拡張版にグレードアップしたり、必要な機能を後からオプションで付け加えたりすると、料金がかさむものもあります。

 工数管理ツールは毎日使います。メンバーがすぐに使いこなせるかどうかは非常に重要な要素です。

 操作性の悪いものを導入すると、使い慣れるまで時間と学習コストがかかり、入力が面倒で手間や時間がかかるために日々の入力をついつい漏らしてしまう恐れがあります。それでは計画に対する進捗状況を正確に把握できず、業務の効率がかえって低下してしまいます。

 ツールのインターフェースは、入力する人が毎日、簡単に入力できる「持続可能な環境」でしょうか。これは要チェック項目として、操作性の良いものを選びたいところです。

 工数管理ツールは、プロジェクトが動き出したら進捗状況のチェックを頻繁に行って、関わっているメンバーの間で情報を共有します。進捗が図表やグラフでひと目でわかるように「見える化」がされているかどうかもチェックすべきポイントです。

 視覚的にわかりやすければ、進捗状況の分析に余計な時間を使いません。もし進捗遅れのような問題が発生したら、工数管理ツールで情報をメンバー全員で共有できるので、ただちに必要な対策がとれるようになります。

 「工数管理ツールを使わなくても、エクセルで代用できる」と思う人がいるかもしれません。

 エクセルのような表計算ソフトは確かに「何でもできる」のですが、操作に習熟した人が必要なマクロ(数式)を組み込んで工数管理表をつくり、それを実際に利用するという場合、業務上、不便な部分がどうしても出てきます。

 取り扱うデータが大きくなると重くなり動作に遅れが出る可能性がありますし、使っている最中に何か問題が生じた場合、作成者に聞かないと解決策がわからないようなケースもあります。

 それに時間がとられて日々の入力が遅れたら、大事な進捗管理に支障が出る可能性も出てくるでしょう。

 数日で終わるような小さなプロジェクトであればエクセルで間に合っても、数週間、数カ月かかるようなプロジェクトは工数管理ツールを導入したほうが無難です。

 市販のツールはマニュアルや「Q&A」の問答集が整っていますし、それでもわからない部分があれば、サポートデスクに電話やメールをすれば答えてくれます。

 では具体的に、工数管理ツールを利用するメリットにはどんなものがあるのでしょうか。

 市販の工数管理ツールは、入力する人が毎日、簡単に入力をすませられるように設計されています。

 キーボードを使わなくてもマウスだけで操作できたり、音声入力ができたり、Googleカレンダーやタイムカードの勤怠データがそのまま自動的に入力されるものなどもあります。

 プロジェクトの規模、人数、工程数、予算のような業務の実態や目的に合わせて機能を拡張させることができます。相談すれば費用はかかりますが、カスタマイズをサービスとしてやってくれることもあります。

 見やすい、入力しやすい工数管理ツールで進捗管理をリアルタイムで行い、情報の共有を行っていると、メンバーの間に「問題があれば改善しよう」という当事者意識が育つようになります。そんな組織になれば、全体の業務スピードも向上するでしょう。

 工数管理ツールには、大きく分けて「クラウド型」と「インストール型」の2種類があります。

 クラウド型は、インターネットを利用し、ツールをブラウザーで立ち上げて利用します。インターネットの接続環境があれば、どこでも使用が可能です。

 パソコン上で特別な設定をしなくても、専門的な知識がなくても始められるので、手軽で低コストです。解約も簡単にできます。最初のうちはクラウド型から始めるといいでしょう。

 インストール型は、パソコンにまずインストールしてからツールを利用します。

 必要なデータは全てパソコンの中に入っていますから、インターネットに接続していない状態でも使うことができます。クラウド型と違い、外部のサーバーを利用しないのでセキュリティー上の安全度が高いのも特徴です。

 インストールや設定に時間がかかりますが、専門的な知識があり、自分でツールをカスタマイズしていきたい場合は向いています。

 工数管理ツールはクラウド型もインストール型も、実にさまざまなものが市販されています。その中で比較的普及しているものを選んでご紹介します。(料金プランなどは2021年2月時点の情報に基づいています)

 「Jooto(ジョートー)」は、株式会社PR TIMESが提供している工数管理ツールです。直感的に操作できる、無料プランでも基本の機能がすべて使えるといった特徴があり、導入のハードルが低いのが魅力です。

工数管理ツール「Jooto(ジョートー)」の特徴

 「Jooto」の公式サイトはこちら。

 ソニービスネットワークス株式会社が提供する「AKASHI」。勤怠管理システムが主体ですが、工数管理ツールとしても活用できます。

「AKASHI」の特徴

 「AKASHI」の公式サイトはこちら。

 「CrowdLogクラウドログ)」は、株式会社クラウドワークスが提供する工数管理ツールです。リアルタイムでの管理が容易にでき、リソースの無駄を減らすことができます。

工数管理ツール「CrowdLogクラウドログ)」の特徴

 「CrowdLog」の公式サイトはこちら。

 株式会社ヌーラボが提供している「Backlog」は、チャット機能が充実しています。メンバー間で、密にコミュニケーションをとってほしいと考えている場合は、検討することをおすすめします。

「Backlog」の特徴

 「Backlog」の公式サイトはこちら。