目次

  1. 相手に伝わるプレゼン資料とは
  2. プレゼン資料作成の時間配分
  3. 資料作成で見直すポイント
  4. 見やすい資料をつくるコツ
    1. 聞き手の目線を意識する
    2. 色に意味を持たせる
    3. 全角半角を統一する
    4. 端をそろえる
    5. ツールを使いこなす
  5. 役立つショートカットキー一覧

 NTTグループを横断する有志団体「O-Den 」で、新規事業開発や働き方改革、プレゼン術などのワークショップを開催している一杉さんは「相手に伝わる資料づくりに求められるのは、デザインセンスではなく、意識と行動を少し変えることです」と言います。
 実は、一杉さん自身、資料づくりは時間がかかるだけなので好きではありません。それでも大企業のなかで新規事業を進めるため、本気で誰かを動かしたいときに資料を作成するのだそうです。そのため、資料を作り込むことではなく、どうすれば相手に伝わるのかに力を入れています。

 一杉さんは「いきなりパワポの作成から取りかかるのは避けたいです」と話します。パワポから取りかかると、描き直すのに時間がかかります。さらに、1ページずつ作りこむため、全体のストーリーが分断されやすくなるといいます。
 一杉さんの場合はアウトラインをテキストで書き出し(所要時間20~30分)、ノートやホワイトボード、iPadなどに絵コンテを描き(10分)、そのうえでパワポ作成に取りかかります(20~30分)。最初にアウトラインを書き出しておくと、俯瞰でき、ストーリーの破綻に前もって気づきやすくなります。

 資料作成のときに具体的に心がけているのが以下のポイントです。
 相手に伝わる資料にするためには、どういう状態の聞き手を、自分の資料・ピッチによって、どういう風に変えたいのかを明確にすることです。そのためには、現状はなぜこうなのか、そして報告なのか、要望なのか、相談なのか資料を通じて実現したいことが明確になっている必要があります。

  1. どんな聞き手を想定しているか?
  2. 何のための資料・ピッチか?
  3. 心を動かすためには、どういう資料・ピッチが必要か?

 資料をつくるときにはこうした点を見直しましょう。

 さらに、資料が相手に伝わる内容になっているかを確認する方法として「ページごとに自分が伝えたいことを10~30文字で書き出してみる」ことを勧めています。

相手に伝わる資料になっているかのチェックポイント
  • ○……資料に書いてある文字と同じ内容なら問題ありません
  • △……資料を要約した場合はスライドの文字が多すぎる可能性があります
  • ×……言いたいことが書かれていなかったら、スライドを再考しましょう

 さらに、各ページの上の4分の1をつくったときに言いたいことが書かれているかもポイントです。そこで、読み手の関心を引きつけることができれば、その後も読み進めてもらえるからです。

 わかりづらい資料の理由を言語化してみると、いくつかの共通した課題が見えてきます。たとえば、次のような要素があります。

  • 文字が多すぎる
  • 配色が意味なく多すぎる
  • 余計な絵、グラフ、線、枠線、四角がはいっている
  • 端がそろっていない、段がずれている

 こうしたポイントを一杉さんは「雑音」と呼びます。聞き手が資料を読み進めようとしても「雑音」があると、読み手がスムーズに読めずに理解を妨げてしまいます。

 資料をつくるうえでまず意識すべきは、聞き手の目線です。人の目線は「左から右」「上から下」へと流れます。この人の目線に沿って文字や写真・イラストを配置する必要があります。

パワポを見るときの目線の流れ

 つぎに、スライドの配色も見やすさを左右するポイントです。3色程度にとどめ、たとえば、青=改善、メリット、赤=課題、デメリット、緑=強調したいところというようにそれぞれに「意味」を持たせることで統一感を出すことができます。
 グラフの配色も、色の系統か、色の濃さ(彩度)でそろえるかすると、統一感が出て読みやすくなります。

右上は統一感のある色づかい、右下は彩度がバラバラだと見づらくなる例

 また、白をベースとした背景に真っ黒の文字を使うとコントラストが強くなりすぎます。1~3段階薄くした灰色を使いわけることで「雑音」を少なく、必要な部分を強調したスライドを作成できます。(使いこなせないと、無駄に色をふやしてしまう)

灰色の使い分けの例

 ほかには、英数字を全角や半角が混在しているのも見づらさの原因になります。半角に統一しましょう。

 さらにタイトル、見出し、画像といった要素の、端と中央と間隔をそろえるだけで、見やすく、理解しやすい資料になります。図形も大きさや配置を統一させましょう。
位置や間隔をそろえたいときには「配置」ツールを使うと簡単です。

「配置」ツールの使い方

 ほかにもツールを使いこなせば、作業時間の短縮につながります。毎回ツールバーから探してくるのではなく、よく使うものは、クイックアクセスツールバーに登録しておきましょう。

クイックアクセスツールバーへの登録方法

 最後に役立つショートカットキーの例を示します。よく使うものだけでも覚えておくと、時間短縮につながります。
 このなかでもとくに「書式のみをコピー」「書式のみを貼り付け」を覚えると、太字、文字サイズ、色の工程を1回の作業で済ませられるようになるため、作業効率が一気にアップします。

  • 全てのテキスト、オブジェクト、スライドを選択……Ctrl+A
  • 選択したテキストを太字……Ctrl+B
  • 選択したテキストに下線……Ctrl+U
  • 選択したテキスト、オブジェクト、スライドをコピー……Ctrl+C
  • 選択したテキスト、オブジェクト、スライドを切り取り……Ctrl+X
  • 切り取るかコピーしたテキスト、オブジェクト、スライドを貼り付け……Ctrl+V
  • 選択したテキスト、オブジェクト、スライドのコピーと貼り付けを同時に……Ctrl+D
  • 新たなスライドを挿入……Ctrl+M
  • 直前の操作を元に戻す……Ctrl+Z
  • ファイルを保存……Ctrl+S
  • ファイルを印刷……Ctrl+P
  • 書式のみをコピー……Ctrl+Shift+C
  • 書式のみを貼り付け……Ctrl+Shift+V
  • 選択したテキストのフォントサイズを大きく……Ctrl+Shift+>
  • 選択したテキストのフォントサイズを小さく……Ctrl+Shift+<
  • 文字列を左揃え……Ctrl+L(「左=Left」で覚える)
  • 文字列を右揃え……Ctrl+R(「右=Right」で覚える)
  • 文字列を中央揃え……Ctrl+E(「中央=cEnter」で覚える)
  • 直前の操作の繰り返し……F4(ファンクションキー)
  • 開いているページからスライドショー……Shift+F5(ファンクションキー)
  • 「検索」の表示……Ctrl+F
  • 「置換(全置換)」の表示……Ctrl+H