わかりやすいプレゼンテーションとは 資料構成やデザインのコツを紹介
プレゼンテーションはきちんと相手に伝わっていますか?資料作成に時間をかけすぎていませんか?「資料作成に求められるのはデザインセンスではありません」というNTTグループの有志団体「O-Den」共同発起人の一杉泰仁さんに、シンプルでも相手に伝わる資料をつくるコツについて聞きました。
プレゼンテーションはきちんと相手に伝わっていますか?資料作成に時間をかけすぎていませんか?「資料作成に求められるのはデザインセンスではありません」というNTTグループの有志団体「O-Den」共同発起人の一杉泰仁さんに、シンプルでも相手に伝わる資料をつくるコツについて聞きました。
目次
NTTグループを横断する有志団体「O-Den 」で、新規事業開発や働き方改革、プレゼン術などのワークショップを開催している一杉さんは「相手に伝わる資料づくりに求められるのは、デザインセンスではなく、意識と行動を少し変えることです」と言います。
実は、一杉さん自身、資料づくりは時間がかかるだけなので好きではありません。それでも大企業のなかで新規事業を進めるため、本気で誰かを動かしたいときに資料を作成するのだそうです。そのため、資料を作り込むことではなく、どうすれば相手に伝わるのかに力を入れています。
一杉さんは「いきなりパワポの作成から取りかかるのは避けたいです」と話します。パワポから取りかかると、描き直すのに時間がかかります。さらに、1ページずつ作りこむため、全体のストーリーが分断されやすくなるといいます。
一杉さんの場合はアウトラインをテキストで書き出し(所要時間20~30分)、ノートやホワイトボード、iPadなどに絵コンテを描き(10分)、そのうえでパワポ作成に取りかかります(20~30分)。最初にアウトラインを書き出しておくと、俯瞰でき、ストーリーの破綻に前もって気づきやすくなります。
資料作成のときに具体的に心がけているのが以下のポイントです。
相手に伝わる資料にするためには、どういう状態の聞き手を、自分の資料・ピッチによって、どういう風に変えたいのかを明確にすることです。そのためには、現状はなぜこうなのか、そして報告なのか、要望なのか、相談なのか資料を通じて実現したいことが明確になっている必要があります。
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資料をつくるときにはこうした点を見直しましょう。
さらに、資料が相手に伝わる内容になっているかを確認する方法として「ページごとに自分が伝えたいことを10~30文字で書き出してみる」ことを勧めています。
さらに、各ページの上の4分の1をつくったときに言いたいことが書かれているかもポイントです。そこで、読み手の関心を引きつけることができれば、その後も読み進めてもらえるからです。
わかりづらい資料の理由を言語化してみると、いくつかの共通した課題が見えてきます。たとえば、次のような要素があります。
こうしたポイントを一杉さんは「雑音」と呼びます。聞き手が資料を読み進めようとしても「雑音」があると、読み手がスムーズに読めずに理解を妨げてしまいます。
資料をつくるうえでまず意識すべきは、聞き手の目線です。人の目線は「左から右」「上から下」へと流れます。この人の目線に沿って文字や写真・イラストを配置する必要があります。
つぎに、スライドの配色も見やすさを左右するポイントです。3色程度にとどめ、たとえば、青=改善、メリット、赤=課題、デメリット、緑=強調したいところというようにそれぞれに「意味」を持たせることで統一感を出すことができます。
グラフの配色も、色の系統か、色の濃さ(彩度)でそろえるかすると、統一感が出て読みやすくなります。
また、白をベースとした背景に真っ黒の文字を使うとコントラストが強くなりすぎます。1~3段階薄くした灰色を使いわけることで「雑音」を少なく、必要な部分を強調したスライドを作成できます。(使いこなせないと、無駄に色をふやしてしまう)
ほかには、英数字を全角や半角が混在しているのも見づらさの原因になります。半角に統一しましょう。
さらにタイトル、見出し、画像といった要素の、端と中央と間隔をそろえるだけで、見やすく、理解しやすい資料になります。図形も大きさや配置を統一させましょう。
位置や間隔をそろえたいときには「配置」ツールを使うと簡単です。
ほかにもツールを使いこなせば、作業時間の短縮につながります。毎回ツールバーから探してくるのではなく、よく使うものは、クイックアクセスツールバーに登録しておきましょう。
最後に、PowerPointの役立つショートカットキーの例を示します。よく使うものだけでも覚えておくと、時間短縮につながります。
このなかでもとくに「書式のみをコピー」「書式のみを貼り付け」を覚えると、太字、文字サイズ、色の工程を1回の作業で済ませられるようになるため、作業効率が一気にアップします。
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