業務改善助成金、2023年は最低賃金引上げのための助成を拡充
業務改善助成金とは、設備投資などで業務改善をするとともに、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる中小企業・小規模事業者に対し、その業務改善にかかった経費の一部を助成するものです。2022年度補正予算案では、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引き上げを拡充する方針が示されました。助成限度がどう変わるのか、拡充内容を中心に紹介します。
業務改善助成金とは、設備投資などで業務改善をするとともに、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる中小企業・小規模事業者に対し、その業務改善にかかった経費の一部を助成するものです。2022年度補正予算案では、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引き上げを拡充する方針が示されました。助成限度がどう変わるのか、拡充内容を中心に紹介します。
目次
厚生労働省によると、業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を引き上げるための制度です。機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練など生産性向上のための設備投資をし、最低賃金を一定額以上引き上げた場合、設備投資にかかった費用の一部を助成します。
2022年度補正予算案では、次のような拡充案が示されました。
助成対象となるのは次の条件を満たす必要があります。
そのほかにも条件がありますので、厚労省の公式サイトで確認していください。
助成率は最低賃金によって異なります。()内は生産性要件を満たした事業場の場合です。
870円未満 | 870円以上920円未満 | 920円以上 |
---|---|---|
9/10 | 4/5(9/10) | 3/4(4/5) |
補助上限は、事業場規模30人未満の事業者の場合、次のように引き上げられます。
引き上げる人数 | 30円引上げ | 45円引上げ | 60円引上げ | 90円引上げ |
---|---|---|---|---|
1人 | 30万円→60万円 | 45万→80万円 | 60万→110万円 | 90万→170万円 |
2~3人 | 50万→90万円 | 70万→110万円 | 90万→160万円 | 150万→240万円 |
4~6人 | 70万→100万円 | 100万→140万円 | 150万→190万円 | 270万→290万円 |
7人以上 | 100万→120万円 | 150万→160万円 | 230万円 | 450万円 |
10人以上※ | 120万→130万円 | 180万円 | 300万円 | 600万円 |
※事業場内最低賃金が920円未満の事業者、コロナの影響により売上高等が15%減少した事業者または物価高騰等により利益率が3%ポイント以上低下した事業者のいずれかの場合
このほか、特例事業者の助成対象経費の拡充もあります。特例事業者には、コロナの影響により売上高等が15%以上減少した、または原材料費の高騰など社会的・経済的環境の変化などの外的要因により利益率が3%ポイント以上低下した場合が当てはまります。
そのうえで、助成対象が定員7人以上または200万円以下の自動車、貨物自動車、パソコンなどの端末及び周辺機器に加え、その「関連する経費」も含まれるようになります。
拡充された業務改善助成金を申請できるようになるには、2022年度補正予算案が国会で成立した後になります。
業務改善助成金を申請してから支給されるまでの流れは以下の通りです。ただし、支給されるのは、業務改善と賃金の引き上げをした後になるので注意してください。
厚労省の申請書等記入例(PDF方式:4295KB)を参考に、交付申請書(DOCX形式:115KB)を作り、各都道府県にある労働局に提出してください。申請書には、生産性向上のための業務改善計画と、賃金引上計画が必要です。
都道府県労働局が審査し、内容が適正と認めれば交付決定通知が届きます。
申請書で書いた業務改善計画に沿って、設備投資をしてください。また、賃金引上計画に沿ってき、事業場内の最低賃金を引き上げてください。
業務改善計画の実施結果と賃金引上げ状況を記した「事業実績報告書」を作り、都道府県労働局に提出してください。労働局の審査が通れば、助成金額が確定し、事業主に通知されます。
助成金額の確定通知を受けた事業主は、支払請求書を提出してください。
業務改善助成金の申請は、各都道府県労働局雇用環境・均等部室で受け付けています。所在地・連絡先は厚労省の公式サイトから確認してください。
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