【業務改善助成金2021年版】申請方法をわかりやすく解説 記入例も紹介
中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内の最低賃金の引き上げも目的とする2021年(令和3年)版の業務改善助成金の申請受付が始まりました。8月からは一部で要件が緩和されます。助成額や助成率、コロナ禍での申請方法を紹介します。(2021年10月2日更新)
中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内の最低賃金の引き上げも目的とする2021年(令和3年)版の業務改善助成金の申請受付が始まりました。8月からは一部で要件が緩和されます。助成額や助成率、コロナ禍での申請方法を紹介します。(2021年10月2日更新)
目次
厚生労働省によると、業務改善助成金とは、事業場内の最低賃金を引き上げ、機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練など設備投資をした場合に、その費用の一部を助成するものです。
2021年度の最低賃金の大幅な引き上げに対応するため、8月からは、同一年度内に複数回(2回まで)申請することができるようになりました。
また、新型コロナの影響で、売上高などが大幅に下がり、引き上げ額を30円以上とする場合は、以下のように、自動車やパソコン等を補助対象として申請することができるようにもなりました。
申請締切は、2022年1月31日です。
上記の表のように申請コースで定められた額以上に事業場内の最低賃金を上げ、生産性向上のための設備投資などの費用に助成率を掛けた額を助成します。1000円未満の端数は切り捨てとなります。
事業場は、事業場と地域の最低賃金の差が30円以内で、事業場の規模が100人以下が対象です。
厚労省の生産性要件算定シート(DOC形式:96KB)で計算した生産性の伸び率が生産性要件を満たしている場合、助成金が割り増しされます。
求められる生産性とは、助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、その3年度前に比べて6%以上伸びていることです。または、金融機関から一定の「事業性評価」を得ている場合などは、その3年度前に比べて1%以上(6%未満)でも認められます。
業務改善助成金の助成を受けるための要件は、主に以下の4つです。
コロナ禍において、賃上げや人材育成に取り組む事業者を支援するために、2021年10月から要件緩和・運用改善が始まりました。
研修の外部講師の謝金について「1時間当たり10万円まで(3時間まで)、回数は1回までを上限」で、 外部団体が行う研修等の受講費について、「上限30万円」だったのが、見直し後は、研修の外部講師の謝金について、「1回当たり10万円まで、回数は5回までを上限」となり、外部団体が行う研修等の受講費についても「上限50万円」となりました。
宅配用バイク・自転車、自動検温器、Web会議システムなどコロナ禍においてニーズの高い設備について、助成対象となることを周知を始めました。
受給要件である賃金を引き上げてから6月経過後に提出が必要となる賃金台帳はおともと全労働者分でしたが、見直し後は賃金引上げ対象者分に限定しました。
業務改善助成金を申請してから支給されるまでの流れは以下の通りです。ただし、支給されるのは、業務改善と賃金の引き上げをした後になるので注意してください。
厚労省の申請書等記入例(PDF方式:4295KB)を参考に、交付申請書(DOCX形式:115KB)を作り、各都道府県にある労働局に提出してください。
申請書には、生産性向上のための業務改善計画と、賃金引上計画が必要です。
都道府県労働局が審査し、内容が適正と認めれば交付決定通知が届きます。
申請書で書いた業務改善計画に沿って、設備投資をしてください。また、賃金引上計画に沿ってき、事業場内の最低賃金を引き上げてください。
業務改善計画の実施結果と賃金引上げ状況を記した「事業実績報告書」を作り、都道府県労働局に提出してください。労働局の審査が通れば、助成金額が確定し、事業主に通知されます。
助成金額の確定通知を受けた事業主は、支払請求書を提出してください。
生産性向上につながる助成金の対象として、厚労省は次のような例を挙げています。
具体的には、厚労省の公式サイトで紹介している事例を参考にしてください。
業務改善助成金の申請書の記入例は、厚労省の公式サイト(PDF方式:2030KB)からダウンロードできます。
新型コロナの感染防止のため、厚労省は申請をなるべく郵送または電子申請で済ませるよう呼びかけています。
過去に業務改善助成金を活用した事業場も、助成対象ですが、予算を超える申請があると、募集を終了する場合があります。事業完了の期限は2022年3月31日です。
業務改善助成金の申請は、各都道府県労働局雇用環境・均等部室で受け付けています。所在地・連絡先は厚労省の公式サイトから確認してください。
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