目次

  1. オウンドメディアマーケティングとは何か
  2.  オウンドメディアマーケティングの手順
    1. ターゲットを決める
    2. ターゲットの課題をリストアップする
    3. テーマを決める
    4. ブログを開設する
    5. 記事を書き、ブログに投稿する
    6. Googleアナリティクスの設定
  3. オウンドメディアマーケティングの事例
  4. オウンドメディアマーケティングを成功させるポイント
    1. 質の高い記事を投稿する
    2. 可能な限り大量に投稿する
    3. 可能な限り頻繁に投稿する
    4. 他のメディアと連携する
    5. 継続する

 オウンドメディアマーケティングとは、文字通りオウンドメディアを使ったマーケティング方法です。

 では、オウンドメディアとは何でしょうか。オウンドメディア(Owned Media)とは、これも文字通り自分が保有(Own)しているメディア(Media)のことです。

 かいつまんで言うと、自分で作って自分で運営・保有しているメディアのことです。

 オウンドメディアの一番わかりやすい例はブログです。ブログは通常、自分でテーマを決めて自分で記事を書き、公開します。公開された記事が検索エンジンで検索され、読者が集まってきます。

 この一連のプロセスがオウンドメディアマーケティングです。

 では、実際にオウンドメディアマーケティングを行う手順はどうすればいいでしょうか。

 ここでは、オウンドメディアマーケティングの目的を「新規見込み客の獲得」、ブログ形式でオウンドメディアを運営する場合の手順をご説明します。

 オウンドメディアマーケティングの最初のステップはターゲットを決めることです。

 ターゲットが決まっていない、またはターゲットが間違っているケースでは、オウンドメディアマーケティングを成功させることはできません。

 特にニッチなB2C(消費者向け)商材を扱う場合、性別、年齢、家族構成、居住地域、年収など、ターゲットのプロフィールをできるだけ細かく定める必要があります。

 なお、ターゲットの決め方ですが、自社製品・サービスにもっとも関心を示してくれそうな人やグループを設定します。ターゲットはひとつである必要はなく、むしろ複数用意してテストすることも有効です。

 次のステップはターゲットの課題のリストアップです。ターゲットは現在何に困っているのか、今すぐ解決する必要がある課題は何か、出来るだけ詳細にリストアップします。

 例えばB2B(法人向け)の場合、「事業再構築補助金を使ってみたいが、申請方法がわからない」といったイメージです。

 次のステップはテーマ決めです。リストアップされたターゲットの課題を解決するテーマを決めるのがポイントです。テーマは、ターゲットの課題のうち、優先順位が高いものから順に決めるといいでしょう。

 例えば、ターゲットの課題が「歯のホワイトニングについて知りたい」である場合、「効果的な歯のホワイトニング方法」「ホワイトニングとは何か?」「ホワイトニング技術に優れたクリニック」等々です。ここで決めたテーマが、ブログで書く記事のテーマになります。

 なお、テーマは必ずしも一つである必要はなく、むしろ複数ある方が望ましいです。

 テーマが決まったら、いよいよブログの開設です。

 ブログは有料版と無料版が選択できますが、筆者は有料版を選ぶことをお勧めしています。有料版の方がブログ開設の自由度が高く、他社の広告などが表示されることもありません。

 さらに、可能であれば独自ドメインを取得し、レンタルサーバーを借りてブログを開設してください。

 なお、最近のレンタルサーバーの多くでは、ワードプレスなどのブログプラットフォームが自由に利用できます。

 ブログが開設できたら、記事を書いて投稿します。ここでのポイントは、決定されたテーマに沿った記事を書くことです。

 例えば、「効果的な歯のホワイトニング方法」がテーマである場合、「アメリカで流行しているセレブのホワイトニング方法とは?」「歯のきれいな人が実践しているホワイトニングの裏技とは?」等々、ターゲットが興味を持ちそうな内容の記事を書いてください。

オウンドメディアで記事のテーマを決めるまでのフローを解説します

 なお、1記事あたりの文字数は最小1000字です。投稿回数は最低週1-2回ですが、できれば毎日をお勧めしています。

 オウンドメディアマーケティングで欠かせないのが、Googleアナリティクスです。Googleが提供しているウェブサイトアクセス解析ツールで、無料で利用可能です。ウェブページにタグを埋め込むことで各ウェブページへの訪問者数や閲覧時間などが把握できます。

 ワードプレスのプラグイン(追加機能や拡張機能を提供するプログラムのこと)で、記事の投稿時にGoogleアナリティクスのタグを自動的に埋め込んでくれるものがあります。

 そうしたプラグインなどを利用し、Googleアナリティクスでアクセス状況を確認できるようにしてください。

 なお、Googleアナリティクスの設定方法や利用方法については、Googleアナリティクスのヘルプページなどを参照するといいでしょう。

 ここでは、私が知るF社の事例をご紹介します。

 F社は、飲食店用勤怠管理システムのメーカーです。スマートフォンとタブレット端末で操作できるクラウドベースの勤怠管理システムを開発し、日本全国の飲食店へ販売しています。

 その勤怠管理システムのマーケティングにオウンドメディアマーケティングを利用しています。

 同社のオウンドメディアのターゲットは飲食店経営者やオーナーです。「飲食店の経営を改善し、より多くの利益を確保したい」「飲食店経営に役立つ情報が欲しい」「飲食店経営のトレンドが知りたい」といったテーマの情報を発信しています。

 毎月編集会議が行われ、Googleアナリティクスのアクセスレポートなどを見ながら各月のテーマと記事内容が決定されています。なお、記事は外部のプロのライターが執筆しています。

 プロのライターが執筆する同社のオウンドメディアは、日を重ねるごとに評判となり、立ち上げから三年を数えた今日までに多くのアクセスを集める人気サイトとなりました。

 数字は公開できないものの同サイトへのアクセス数は「相当」あり、サイトを見た人からの問い合わせや相談が一定の頻度で入って来るようになりました。

 また「飲食店用勤怠管理システム」の検索ワードでの検索結果順位も高く、検索からの問い合わせも増加しています。

 F社の担当者は、記事が増えるほどアクセスが増えると、自社のオウンドメディアを評価しています。

 最後に、オウンドメディアマーケティングを成功させるポイントを挙げます。

 最初にして最大のポイントは、質の高い記事を投稿することです。

 最近の検索エンジンの検索アルゴリズムは非常に進化しており、質の高い情報を掲載しているサイトを検索結果ページで上位表示します。

 質の高い記事とは「読者にとって有益」「読者が面白いと感じる」記事です。動画、漫画、小説などの他コンテンツと同様、ターゲットを含む読者が面白いと思わなければアクセスを集めることはできません。

 なお、記事を内製すべきか、または外注するかについてですが、記事の品質が確保できるのであれば、どちらでもいいと思います。

 一方で、特に競争の激しい分野や領域においては、外部のプロのライターに執筆を依頼し、差別化を図るケースが多いように思われます。

 第二のポイントは可能な限り大量に投稿することです。

 オウンドメディアは、記事を一定数投稿しないとアクセスが集まりません。インターネット上で流通する情報量が幾何級数的に増加しており、記事数が少ないと検索エンジンを呼び込めないからです。

 オウンドメディアを立ち上げたら、まずは記事を最低でも30記事は投稿してください。筆者の経験上、30記事程度投稿されると検索エンジンが「訪れてくれる」ようになります。

 また、可能な限り頻繁に投稿することもポイントです。お勧めの投稿頻度は最低週1-2回ですが、可能であれば毎日、さらに可能であれば一日数回投稿してください。

 記事を頻繁に投稿することでリピーターを獲得でき、訪問回数の増加につながります。

 オウンドメディアに投稿した記事は、出来るだけ多くの他メディアと連携させましょう。具体的には、記事を投稿したら、そのURLと概要を他メディアで告知してください。

 他メディアと連携することで、アクセス流入の可能性が高まります。Facebook、Twitter、Instagram、LinkedInなどのソーシャルメディアに加え、動画コンテンツを投稿したらYouTubeと連携させましょう。

 なお、ワードプレスをお使いの場合、記事を投稿すると各種のソーシャルメディアと自動的にリンクするプラグインも利用できます。

ワードプレスでソーシャルメディアボタンを追加する方法【公式サイト】

 オウンドメディアマーケティングを成功させる究極のポイントは「継続する」ことです。

 オウンドメディアは記事がたまればたまるほど吸引力が強まります。逆にいうと、オウンドメディアマーケティングでは、結果が出るまでには相応の時間が必要です。

 一般的には、問い合わせや相談などのアクションが起こるまで最低でも半年程度かかります。上述したF社のケースでも、アクションが起こるまでにそれなりの時間がかかっています。

オウンドメディアを立ち上げても、立ち上げ直後はアクセスが集まりません。それでも、投稿を続けていれば少しずつ反応が起きるようになります。

「継続は力なり」を胸に、あきらめずに頑張って下さい。