「売れない営業マン」時代に学んだこと

――子どもの頃、家業はどのような存在でしたか。

 今の社長である父に連れられて会社に遊びに行くことはありましたが、後継者になるとは思いもよりませんでした。創業者は母方(池上家)の祖父で、私は松田家の三男。家業といっても、少し遠い存在でした。

――松田さんは新卒で東京のIT企業に入社し、中小企業向けの業務システムの提案営業職を経験しました。

 1日100件の飛び込み営業は当たり前で、メンタルは鍛えられました。業種を問わず、伝票作成や在庫管理に関する業務システムの営業を行っていましたが、中堅・中小企業で最終決裁権を持つのは社長です。社会に出たての割には、経営者と話す機会が多かったと思います。

 最初は相手にされませんでしたが、頑張っていると「話を聞いたるわ」という反応になりました。経営者からみれば、私は自分の子供ぐらいの年齢。かわいがられたり、経営のイロハを教えてもらったりする中で、様々なタイプの経営者を見られた経験は大きかったです。

 システムを導入したからといって、組織がうまくいくわけではありません。現場でどんな問題が発生し、トップが何をやりたいか。そしてシステムを導入することで仕事がなくなる人への対処をどうするか。事務員の方から会社の課題を吸い上げて、経営トップに話していました。

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