トリドールHDが進めるDX

ーー前編では、店長や店員が顧客と向き合う時間を作ることの大切さを話しました。では、そのために導入している制度やツールはあるのでしょうか。

 紙から動画でのマニュアルに切り替え、業務効率化を進めています。POSレジを導入して、できるだけキャッシュレスにも対応して、会計の間違いや接触の機会を減らす取り組みもしています。実験段階ですが、食材の発注や従業員のスケジュールを組む作業でもAIを使用したツールを導入し、DXを進めたいと考えています。

 でも、すべての作業をDXに置き換えるわけではありません。店長が事務室にとどまることなく、目の前のお客様や従業員と接する時間を作るために、それ以外の作業を徹底的にデジタル化するのが目的です。

トリドールHDが導入している動画教育ツール

 丸亀製麺は店内製麺や事業場のユニークさが評価され、2020年度のポーター賞(製品、プロセス、経営手腕でイノベーションを起こし、高い収益性につなげた企業を表彰)を受賞しました。人の経験や知識を積み上げることが、人材育成で一番強いポイントになります。

従業員の満足度を高める工夫

――顧客と向き合う時間を作ることで、店長はどんな挑戦ができるようになったのでしょうか。

 店長になるためには、技術認定試験やオペレーション試験など、いくつかのステップがあります。今は仕組みを変えている途中で、店長は単なる管理者ではなく、オペレーションのリーダー、チームビルディングができる人材という再定義をしています。

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