「無観客」要請された音楽や演劇の団体、緊急事態宣言の延長に相次ぎ声明
新型コロナの感染拡大による3度目の緊急事態宣言が延長される見込みとなり、「無観客開催」の要請を受けている音楽・演劇界の団体が2021年5月5日以降、相次いで声明を発表しました。会場での感染事例がないという実績を示した上で、要請の撤廃や科学的な根拠にもとづく対策などを求めています。
新型コロナの感染拡大による3度目の緊急事態宣言が延長される見込みとなり、「無観客開催」の要請を受けている音楽・演劇界の団体が2021年5月5日以降、相次いで声明を発表しました。会場での感染事例がないという実績を示した上で、要請の撤廃や科学的な根拠にもとづく対策などを求めています。
目次
政府が2021年4月25日から出した緊急事態宣言では、国家試験や業務上必要かつオンライン化や延期が困難な説明会、基本的人権の確保にかかわるイベントなど社会生活の維持に必要なものを除いて、原則として、無観客での開催を要請しました。
要請された施設は主に次の通りです。
緊急事態宣言の延長が明らかになるなか、各団体が、要請の撤廃や科学的な根拠(エビデンス)にもとづく対策を求める声明を発表しました。主な団体の声明を紹介します。
日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会、コンサートプロモーターズ協会、日本音楽出版社協会は連名で「緊急事態宣言の延長に際しての声明文」を出しました。声明文を抜粋します。
この(無観客開催の)要請が事前予告なく、お客さまにご案内する期間の猶予も与えられずに⾏われ、政府・⾃治体の連携が捗々しくないことなどもあり、お客さまに多⼤なご迷惑とご負担をおかけしたこと、まずはお詫び申し上げます。
感染拡⼤に伴い、今般、政府では緊急事態宣⾔期間の延⻑が検討されているとのことですが、私共は、政府に対して「無観客開催」要請の撤廃を強く申し⼊れております。 2020 年 5 ⽉の最初の緊急事態宣⾔の解除以降、1年近くにわたり、私共団体会員社のコンサートや演劇、ミュージカル等の公演会場からのクラスター発⽣は報告されていません。
⼀⽅、昨年以降、コンサートや演劇、ミュージカル等の中⽌や延期が相次いだこと、収容⼈数の制限が続いたことで、ライブエンタテイメント産業は⼤きな打撃を受けています。2020年の市場規模は前年⽐8割減となり、アーティストや実演家だけでなく、⽂化施設や、公演に従事する⽅々の⽣活も危機に直⾯しています。
現在の状況はこうした役割を持続的に果たすことのできる限界点ではありますが、引き続き、この⼀年の政府・⾃治体関係当局、専⾨家先⽣、公演関係者の皆さま、そして多くのお客さまとの積み重ねをもとに、さらに万全な対策を講じ公演を開催してまいる所存です。
緊急事態宣言の延長に際しての声明文
演劇興行会社、劇団、劇場、演劇制作会社など約200団体でつくる横断組織「緊急事態舞台芸術ネットワーク」が公表した声明を抜粋します。
初回の緊急事態宣⾔が解除された昨年5⽉より、1年が経過いたしますが、少なくとも当ネットワークの参加団体が催⾏する公演では、劇場内客席でのクラスター感染は起きておりません。
お客様のご協⼒の下、対策を徹底することで、感染者報告ゼロのエビデンスを積み重ね、劇場は、決して感染リスクの⾼い場所ではないことを実績によって⽰してまいりました。
昨年以降、公演中⽌や延期が相次いだこと、収容⼈数の制限が続いたことで、舞台 芸術含むライブエンタテイメント産業は⼤きな打撃を受けております。 アーティストや実演家だけでなく、スタッフや⽂化施設関係者等、公演に従事するものたちの⽣活は、時々刻々と、危機的状況に追い込まれています。
現在の状況はこうした役割を持続的に果たすことのできる限界点ではありますが、引き続き、この⼀年の⾏政、⾳楽ほか関連業界、公演関係者、そして多くのお客様との積み重ねをもとに、現場の努⼒の実態とエビデンスに基づいた対策⽅針を政府に強く求め、安全に公演を開催してまいる所存です。
緊急事態宣言 期間延長に際して
映画館や演芸場などで作る全国興行生活衛生同業組合連合会が出した声明を抜粋します。
休業要請および無観客開催の要請は、上記の実績を考慮に入れていないことは明白であり、施設内での感染リスクに対してではなく、「人流の抑制」に焦点をあてていると推察しております。 しかしながら、こと映画館の場合、作品の鑑賞を希望されるお客様が、緊急事態宣言対象外の近県の映画館に移動されることは、むしろ「人流の増加」につながる可能性さえあり、我々の経営基盤をゆるがすのみでなく、「人流の抑制」政策に合致しないことは容易に想定されるところです。
また、演芸場の無観客開催は現実的でありません。一定の制限下の元で緊急事態宣言下でも営業を続ける陳情をして参ります。
当業界の感染リスクが比較的少ないことは、政府にもお認めいただいているところです。しかしながら、他業種に比しても非常に厳しい要請をされている現状の是正も訴えていきたいと考えております。
緊急事態宣言及び緊急事態措置の延長に対する声明文
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。