テレワークで生産性が低下する理由は 有効な対策・ITツールを紹介
新型コロナの感染拡大により、テレワークを開始した企業、必要性を感じている企業も多いでしょう。しかし、テレワークにより生産性が上がるのか、下がるのか、気になるところだと思います。テレワークと生産性の関係や生産性向上の対策をご紹介します。
新型コロナの感染拡大により、テレワークを開始した企業、必要性を感じている企業も多いでしょう。しかし、テレワークにより生産性が上がるのか、下がるのか、気になるところだと思います。テレワークと生産性の関係や生産性向上の対策をご紹介します。
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2020年の新型コロナの感染拡大から、数度にわたって発出された緊急事態宣言。AI、IoTに5Gなど急速に進むIT化など、テレワークを実施した、または検討している企業も多いかと思います。そんな中で気になるのが、テレワークを実施した際の生産性の変化でしょう。
実際に「テレワーク 生産性」と検索をすると様々な記事があり、それぞれの記事でアンケート調査が行われています。その結果は生産性が低下したとなっているケースも多いです。20%が低下したとしている調査もあれば、40%が低下したとしている驚きの調査もあります。
逆に、テレワークにより生産性が上がったとしている調査もあります。総務省の「平成30年版 情報白書」です。
情報白書によると、テレワークが生産性の向上に効果について「非常に効果があった」、「ある程度効果があった」の合計が82.1%と大半を占めており「あまり効果がなかった」が1.7%、「マイナス効果であった」に関しては0%となっています。
なぜ、このような結果の差が出てきてしまうのでしょうか? ここでの大きなポイントは調査の時期にあると考えています。
さきほどの総務省の調査は2017年に調査されたものであり、新型コロナ感染拡大前に行われたものです。それに対して、テレワークにより生産性が下がったとした結果が多い調査は、新型コロナ感染拡大後に行われたものが多いです。
つまり「平成30年版 情報白書」におけるテレワークに関する調査は、計画的に準備を行ったうえで行われたテレワークであり、生産性が下がったとする調査は新型コロナ感染拡大後に必要に迫られて行われたものが含まれる可能性が高いということです。
新型コロナ感染拡大以前のアンケート調査と新型コロナ感染拡大以降の調査の結果が示すように、事前の準備にテレワークに適した制度作り等の準備を行っているのか、いないのかが生産性の明暗を分けているように感じています。
新型コロナ以後に総務省から公表された「令和2年版 情報白書」(PDF方式:1.92MB)でテレワークによる生産性については触れられていませんが、新型コロナによりテレワークを実施して問題があったこととして以下のような回答が挙げられています。(参考:総務省「令和2年版 情報白書」p.151)
このような資料やデータの閲覧・参照についての問題点や、仕事上での判断などの指揮系統が不明瞭なことでの混乱は、実際にコロナ以後に急遽テレワークを始めた現場ではよく聞きます。
生産性が低下しないためには、これらの問題を回避できるような制度作りが重要です。以下、より詳しくご紹介します。
テレワークが実施可能な仕事において、仕事の内容そのものは大きく変わらないかと思います。
事務作業などの特にパソコンを利用するオフィスワーク、会議や商談など。テレワークとオフィスワークでやり方に差はあれ、仕事の内容そのものに大きな変化はないかのではないでしょうか。
大きな違いが出てくるのは、各々が自宅等の遠隔地で仕事を行うことによる情報伝達等の方法にあるかと思います。
例えば各社員の勤怠管理をどうするのか、部下の仕事の進捗確認はどうするのか。会社に通勤し同じ場所で仕事をしていれば簡単にできることも、遠隔で見えない場所で仕事をしていると管理や確認が難しくなります。
そのため、事前に課題を整理し、どのように解決するのか制度設計を行うことが重要です。なお、制度設計では、ITツールの活用をお勧めします。
サイボウズが提供している、業務アプリ構築クラウドサービスです。データ等の情報集約、チャットツール等のコミュニケーションツールの他にも様々な拡張機能が用意されています。
勤怠管理に特化したITツールです。出勤管理、シフト管理、休暇・申請管理などの基本的な勤怠管理機能に加えて、LINEやslackなどのチャットツールからも打刻ができるなど、用途に応じた拡張機能もあります。
Web上で文書を作成したり、編集したりできるツールです。また、WordやExcelなどの共有もできます。蓄積された情報や保管されたファイルは、優れた検索機能によってすぐに引き出すことが可能です。
「令和2年版 情報白書」(PDF方式:1.92MB)によると、問題点としてコミュニケーションへの課題が挙げられています。(参考:総務省「令和2年版 情報白書」p.151)
私自身も、このようにテレワークになったことによるコミュニケーションに苦労しているという話も多く聞いています。
特にオフィス等で仕事をしていると気軽にできるようなコミュニケーションが取りづらく、その点についても仕事のやりづらさにつながっているようです。
すでに導入している企業も多いかもしれませんが、テレワークによるコミュニケーション不足にはオンライン会議システムが有効でしょう。
オフィス内での気軽なコミュニケーションのように自然なコミュニケーションは難しい部分もあるかとは思います。
しかし、ツールを上手く活用し、不明な点は気軽に質問や相談ができるような体制を整えておくなど、ツールを導入するだけでなく体制を整えておく等の活用方法も含めた上での導入が需要でしょう。
例えば、利用する中での不便さや不明点などを、定期的に確認するミーティングを設ける。不満や不安等を投稿できるようなファイルやフォルダを作成しておき、責任者が定期的に確認して体制を見直すなどです。
慣れていないことをするからこそ、常に改善を繰り返していくことが大切になります。
代表的なオンライン会議システムを3つご紹介します。
新型コロナの感染拡大後に最も知名度の上がったオンライン会議システムの1つだと思います。zoomの特徴としてはアカウントを持っていない人でもURLからWeb会議に参加できる点があります。基本利用は無料ですが3人以上の会議では40分の時間制限が設けられています。
マイクロソフトが提供するWeb会議システムです。Web会議機能のみでなくチャット機能もあり、マイクロソフトオフィスのサブスクリプションサービスであるMicrosoftoffice365との親和性も優れています。
Skypeの特徴はほぼすべての機能が無料で使える点にあります。Zoomと違いそれぞれがIDを取得する必要がありますが、25人が同時会議の限界ですが無料で利用ができます。
オンライン会議システムを有効活用し、コミュニケーション不足を解消することももちろん有効です。
ですが、ちょっとした質問・疑問などをオンライン会議システムで質問をすることには抵抗もあるかと思います。
しかし、メールで質問し回答を待つには、仕事が滞ってしまうことも多いことでしょう。そんなときに有効なのがチャットツールです。
チャットツールとは、パソコンやスマートフォンで、リアルタイムでの会話のようにコミュニケーションがとれるツールです。
例えばメールだと、宛名・件名・挨拶や締めの言葉を入れる場合が多いですが、チャットツールは「本日の業務ですが……」といきなり本題から入る場合が多く、より会話に近い形で利用をします。
また、1対1だけの会話だけでなく、グループでの会話ができるなどの特徴があります。活用方法としてはLINEの仕事版とイメージしていただればわかりやすいかと思います。
ビジネスで活用されるケースが多いチャットツールを紹介します。
GoogleドライブやGoogleカレンダーなどの外部ツールとの連携も容易で、音声通話やグループ通話も可能です。
国産のチャットツールで利用方法がシンプルで使いやすい特徴があります。
LINEを利用していると導入がしやすい特徴があります。LINE同様に既読機能が付いています。
テレワークを開始するにあたり、まずは事前の組織体制づくりが大切です。
組織体制作りについては、コミュニケーションが大きな課題になるケースが多いため、特にその点についてはテレワークを開始する前はもちろん、開始してからも効率的なやり方を見直していく必要があるでしょう。
いくらしっかり体制を構築してからテレワークを開始しても思わぬトラブルややりづらさ、不満や不安が出てくるかと思います。
そのため、前述したように定期的に個別のミーティングを開催する、社員が自分の気持ちを自由に投稿できるファイルやフォルダ等を設ける、などの取り組みがより生産性の高いテレワークを行うために重要です。
すぐにはテレワークの必要性を感じていない企業においても、急速なIT化や労働生産人口の減少、働き方改革など、仕事に関する環境変化が激しい現在の時代の流れを考えると、必要になる場面もでてくる可能性も高いです。
今回、紹介した各種ITツールはテレワーク以外にも有効なツールであり、テレワーク以外の仕事の場面でも生産性の向上に有効です。
そのため、テレワークをするにせよ、しないにせよ、今からITツールの活用に慣れ、様々な場面や時代の変化に対応できる組織作りをしていくことが大切だと考えます。
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