【マンガ解説】社長の説得を丸投げされたら?自発的に動く組織に変えるコツ
製造業でプロジェクト会議を開くと出席者が数十人、なのに社長への報告は「後継ぎ」に丸投げ……。そんなことはありませんか?後継ぎにコーチングをしており、Twitterでも「図解師」として活動するごらりさんに寄せられた「製造業の後継ぎあるある」をもとに、自立型組織に変えるポイントを紹介します。
製造業でプロジェクト会議を開くと出席者が数十人、なのに社長への報告は「後継ぎ」に丸投げ……。そんなことはありませんか?後継ぎにコーチングをしており、Twitterでも「図解師」として活動するごらりさんに寄せられた「製造業の後継ぎあるある」をもとに、自立型組織に変えるポイントを紹介します。
目次
どんな会社でも必ず開かれる「会議」。あなたの会社の会議は、どんな時に開かれますか?きっと、何かの「意思決定」をするときに会議を開催しているのではないでしょうか。
特に製造業では、この「意思決定」を多くする必要があり、会議の件数が多くなったり、巻き込む人数が多くなったりしがちです。
企業によってその理由は様々ですが、一つのプロジェクト当たりの単価が大きいことや、巻き込む部署が多いことなどが理由のように感じます。たとえば、社内のシステム導入を進める場合は、関わる部署が多いため、参加者が数十人規模になるのはザラです。
ちなみに、私が現在進めているシステム導入プロジェクトでも、こんな状況になっています。他にも、1件の見積を提出するにしても、30人以上を集めて決裁ももらうなんて経験がしばしばです。
そんな意思決定が多く求められがちな製造業の会議で中小企業の後継ぎが経験する「後継ぎあるある」を見ていきましょう。
あなたの会社ではこんなやり取りが繰り広げられていませんか?
新しいシステムを導入したいと提案すると、もっとも重要な社長の説得は、社長の息子や娘である後継ぎに「丸投げ」……。こんな経験をする後継ぎが少なくありません。
会議でまとまった内容を「社長に伝えてほしい」や、「社長を説得しておいて」と言われたとき、あなたはどんな行動をとっていますか?
結果がどうなるかはさておき、社長の息子・娘である後継ぎが会議で決議した内容を伝え、間を取り持つこと自体は簡単です。
あなた自身としても、「その方が早くモノゴトが進むから」や、「私にしかできないことをしよう」と、あなたが動きたくなる理由もわかります。ですが、それを毎回あなたがしてしまうとどうなると思いますか?
あなたが、「メンバーの仕事を奪う」ことを続けると、いつしか「あなたがいないと回らない組織」になってしまうでしょう。
その一方で、あなたが、あまり関与せず、「放任」し続けていれば、「あの人に言っても無駄」と、あなたへ「信頼」は下降する一方でしょう。
私がこれまで関わってきた後継ぎの中で、「自分たちでちゃんと考えて行動しないから、結局、おれが全部社長と調整しなければならない」と言う方がいました。
しかし、一度胸に手を当ててみてください。もしかしたら、そうさせているのはあなたなのかもしれません。
組織はリーダーの行動ひとつで大きく変わります。
あなたが後継ぎとして会社を良くしていきたいと、本気で考えているなら、あなたからの「適度なサポート」で回る、言うならば、「自発的にメンバーが動く組織」を創るために何ができるか、その方法について見ていきましょう。
さて、メンバーの自発的な行動を促すために、あなたは何ができるのでしょうか。
日々のマネジメントをどのように行っていくべきかを少し考えてみましょう。実際に後継ぎにインタビューした内容を踏まえてまとめています。
何かメンバーから依頼されたとき、「〇〇を〇〇しておいて下さい」と、その一言でコミュニケーションを完結させていませんか?残念ながら、その一言では、あなたの意図は適切に伝わることはないでしょう。
関わるメンバーに対して、「なぜその仕事を任せたくて、その結果、何を期待しているのか?」を、メンバーの特性を加味したうえで必ず「言葉」で伝えましょう。
これは、期待によって学習や作業など成績が向上する「ピグマリオン効果」を活用した例となりますが、「他者から期待される」と、人は動きたくなります。
あなた自身もそうではありませんか?周りから期待されればされるほど、「よし、やってやろうじゃないか」と思いませんか?
メンバーが、「自ら動こう」と思うためには、「動く理由」が必要になります。あなたからの期待を言葉で伝えることで、メンバーが動きたくなる状況を作りましょう。
メンバーへの「期待」を言葉で伝えたとしても、それを「放置」していてはいけません。メンバーからしても、「あの言葉は、その場しのぎだったんだ」と逆に心が離れてしまう結果になりかねません。
最近では1on1ミーティングなど、メンバーとの面談の機会を設ける企業が多くなってきました。進捗状況の共有や、フォローアップをすることで、関係性向上を目指しましょう。
これはそもそも論の話になりますが、あなたの企業は、チャレンジしやすく、失敗を許容できる風土がありますか?
もしそのような風土がないのであれば、悪い報告をしやすい風土づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
私自身、過去人材エージェントをしていた際、多くの製造業の方々と関わってきましたが、「チャレンジしても評価されない」や「そもそもチャレンジしても失敗すると叩かれる」、「叩かれるのがわかっているから、何もしない」という人に何人も会ってきました。
メンバーの行動を促したいなら、「行動したくなる組織」であることは必須です。良い報告も、悪い報告も、自発的にしようと思える風土がある組織は強いです。
未来の会社を良くするのも悪くするのも、あなたの組織に対しての関わり方ひとつで大きく変わります。
どの後継ぎもきっと、「今よりこの会社を良くしたい」という思いで、家業を継ぐ決断をされているのではないでしょうか。
せっかく継ぐなら、今より良い会社に。
あなた一人で、全てを抱え込もうとする必要はありません。仲間がいてこその会社。自発的に動く組織づくりで会社を強くしましょう。
編集長と話をしていて、私がふと「製造業あるあるを図解しようと考えています」と話したところ「うちのメディアでやってみませんか?」と言われ、「製造業あるあるが製造業を変えるシリーズ」が実現しました。
製造業に関わる多くの方から意見がほしいと思い、Twitterで「製造業あるある」を募ったところ、100件以上寄せられました。
協力いただいた皆さん、ありがとうございます。
現場目線から社長目線まで、いろんな目線の「あるある」が寄せられました。網羅することが難しいため、今回は寄せられたエピソードの中から、私も「あるある」と思わずうなずいた「他人任せの組織運営」にまつわる内容にフォーカスしました。
こうした「あるある」が、製造業あるあるじゃなくなった時、組織が変わります。
そんな思いを抱き、筆を執りました。
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