目次

  1. 人材管理とは 人材管理と人材マネジメントの関係
    1. 人材管理が重要な理由
    2. タレントマネジメントの有効性
    3. これからの人材管理において求められる考え方
  2. 人材管理の内容とポイント
    1. 採用
    2. 育成
    3. 配置・異動
    4. 評価
    5. 報酬・福利厚生
  3. 人材管理を効率化させる人材管理システム活用
    1. 人材管理システムの主なメリット
    2. 人材管理システムの主なデメリット
    3. 人材管理システムの選び方
  4. 中小企業におすすめの人材管理システム3選
    1. CYDAS PEOPLE
    2. あしたのクラウドHR
    3. HRBrain
  5. 人材管理システムを導入して有能な人材の早めの確保を

 人材管理とは、組織の成果を最大化させるために、人的資源をどのように活用するか考えるとともに、従業員のモチベーションやコミットメントをどう向上させていくかも同時に考える取り組みです。

 日本では「労務管理」や「人事管理」などの「管理」という言葉が使われてきた時代背景があり、人材管理というと「ある基準などから外れないよう全体を統制する」というニュアンスを強く感じる方もいらっしゃるかもしれません。

 しかし、現在、日本の人材業界では「人材管理」と「人材マネジメント」はほぼ同義と認識されることが多く、どちらも幅広く使われています。

 「人材マネジメント(Human Resource Management)」という用語は、1980年代に、人的資源に対する重要性が大きく注目され始めたアメリカで登場した用語です。

 「人材マネジメント」という用語には「社員のモチベーションやコミットメントの向上によって組織の成果を最大化する」という「人」の側面と、「戦略的に人的資源を活用することによって組織の成果を最大化」する「事」の側面の両面のニュアンスが含まれています。(『図解 人材マネジメント入門』坪谷邦生著)

 人材管理と人材マネジメントも同じように使われているということは、人材管理もまた、単に人材を統制する手法ではなく、「人」と「事」の視点を持って取り組むべきものとして扱われているということでしょう。

 それだけ、人材業界では、「人」と「事」の両面からの取り組みが重要になっているといえます。

 人材管理を、「人」の側面と「事」の側面の両面で捉えることは、今重要になりつつあります。

 少子高齢化による労働人口の減少によって優秀な人材を確保できるかがが急務になってきており、そのためには労働者が多様な働き方ができる環境を構築することが不可欠のためです。

 その環境構築こそ、人材管理の役目だといっていいでしょう。

 また、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大による影響も、多様な働き方へのニーズを高めています。

 東京都産業労働局によって、2021年3月に、東京都内の常用従業者規模30人以上の300事業所および協力を得られた事業所の正社員2000人を対象に実施された「働き方改革に関する実態調査」(PDF方式)によれば、多様で柔軟な働き方の導入状況及び今後の意向について、事業所と従業者の回答は以下の通りでした。

事業所の導入状況及び今後の意向。東京都産業労働局│働き方改革に関する実態調査(令和3年3月)から引用
従業員が導入・拡大を希望する働き方。東京都産業労働局│働き方改革に関する実態調査(令和3年3月)から引用

 この調査結果から言えることは、「在宅・テレワーク」、「時差出勤制度」、「フレックスタイム制」などに代表される多様な働き方は、事業者側、従業者側の双方にとって、導入に前向きな姿勢を持っている割合が共通して非常に高いことです。

 これは、私がテレワークの導入を支援するクライアント企業様の中でも、先程同じ傾向が見られました。

 新型コロナウイルス感染症の影響下で事業継続することをきっかけに、多様な働き方の推進に意欲的になっているように感じられます。

 少子高齢化への対策としての働き方改革に加え、新型コロナの影響で「多様な働き方」に対するニーズが高まれば、実現に向けて取り組む企業の割合は今後も増えていくと容易に推測できます。

 優秀な人材を求め、多くの企業が競うように多様な働き方を可能とする対策を進めていくでしょう。

 人材管理が今後の経営に与える影響は、予想よりもはるかに大きくなる可能性があるのです。

 人材業界の中で、今注目されているのがタレントマネジメントです。

 タレントマネジメントは、社員一人ひとりを「タレント」として個々の能力やスキルを正しく把握し、その能力を最大限に発揮してもらうために行う人材管理手法を指します。

 事前に誰がいつどのポジションについていたのかをデータベース化し、それを育成や配置などに活かそうとするのが特徴です。

 タレントマネジメントは、社員が多様な働き方ができる環境構築をするのに、適した取り組みともいえるでしょう。

 効果的に活用するには、明確な経営戦略と連携させながら、継続的に設計・実践・効果の検証に取り組む必要があります。投資に見合うだけのタレントマネジメントによるビジョンと効果を明確に描き、設計できるかどうかが重要です。

 目指す理想は魅力的に見えるものの、実際にその仕組みを構築して効果的に活用するのは難しいと感じるかもしれません。

 しかし、全体としての導入は難しくても、タレントマネジメントの考え方を部分的に取り入れることは、むしろ積極的に検討すべきです。

 その理由には、SDGs(持続可能な開発目標)という視点があります。

 SDGs(持続可能な開発目標)とは、国連加盟国193か国が2030年までに達成すべきとして掲げられた目標をいいます。

 タレントマネジメント同様、個人に目を向けてその特性を活かすことを目指している点が特徴で、タレントマネジメントと共通する部分が多くあります。

 SDGsの視点に注目しているのは、今、就職活動においてESG、ダイバーシティ経営、健康経営などの、SDGsに取り組んでいる企業が優良企業として認識される傾向にあるからです。実際に採用活動に影響が出ている企業も少なくありません。

 いわゆるZ世代(生まれたときからインターネットが身近あり多感な子供時代に東日本大震災等を経験している)は、学校教育の中でSDGsに関して既に学んでいるからでしょう。

 ですので、人材管理においてSDGsの視点を持つことは、これからますます必須になってくると考えています。

 SDGsが掲げる人材管理と関係性の深い目標を達成することを前提に、個々の状況とニーズに目を向けた人材管理が求められてきているのです。

 人材管理では、一人ひとりが入社する段階から退社するまでの時間の流れに沿って会社としてのかかわりを持つ部分のマネジメントを行います。

 会社の状況にはよりますが、大きく分けて以下の各要素について内容を決め、運用していく必要があります。

 採用は、人材管理の導入を検討する場合に一番イメージしやすい人材管理の要素かもしれません。

 新卒の場合と中途の場合によって、採用の対象とのかかわり方に違いが発生するものの、自社との接点を一番先に持つことになります。

 採用では、現在の従業員の評価やスキルの情報を整理し、蓄積しておくことが重要です。それによって、これから採用する人材に求めたいスキルや経験を、より明確に定義できます。

 人材の育成は、人材管理を適切に行う上で非常に大きな要素となります。

 人材育成が企業の事業と成長の戦略に連動する要素であり、評価制度にも密接に関係しているからです。

 これからの人材育成で求められるのは、SDGsの視点と連動させた実践です。多様な働き方を実現するためには、人材育成も多様性に配慮しなければなりません。

 配置と異動は、人材管理の中でも非常に神経を使う要素であり、多様な働き方を可能にすることを目指す上でも注意深くデザインする必要があります。

 適材適所の配置と異動だけでなく、従業員の意に沿わない配置転換や異動をいかに減らせるかも人材管理の役割です。

 適正な評価制度があるかどうか、評価制度を適正なものにするように会社が努力しているかは、すでに会社にいる優秀な人材が継続して勤務したいと思うかのモチベーションに影響する要素です。

 また、新卒、中途に関わらず今後の採用活動にも大きく影響します。

 そのため、効果的な人材管理を運用するには、社内の評価制度の整備が重要な要素になります。

 適正な評価制度と連動して整備しておきたいのが、適正な報酬と福利厚生です。

 働く人にとって評価制度が適正かつ公正だと感じられるものであったとしても、その評価結果に見合う報酬が得られていると認識されなければ、モチベーションは下がってしまいます。 

 一方で、当然ながら、会社が従業員の報酬と福利厚生に割くことができる額には限りがあります。

 同じ「報酬」でも、従業員本人以外から与えられる外的報酬と本人の仕事そのものから生まれる報酬があります。

 人材管理を行う中で、従業員一人ひとりが何をモチベーションとして重視しているのかを把握し、それに適した報酬は何かをよく検討することが大切です。

 人材管理の要素を軸に、エクセルなどを用いて全従業員分の効果的なプランを構築するのは現実的ではありません。

 そこでおすすめしたいのが、人材管理システムの活用です。人材管理システムとは、人材管理の業務負担を軽減できる機能が揃ったITツールをいいます。

 メリット・デメリットと選び方をご紹介しましょう。

  • 一括管理による人事担当者の作業効率向上
  • 客観的なデータに基づいた人材の配置・異動の実施
  • 計画的かつ効果的な関わりによる従業員のモチベーションの向上
  • 導入の初期費用
  • 導入のための社内方針作成および定着にかかる労力と時間

 人材管理システムの導入を検討するときは、以下のような点に注意して選ぶと良いでしょう。

  • すぐにもマネジメントが必要な人材管理の要素の使いやすさを優先して選ぶ
  • オンプレミス型とクラウド型のシステムの両方を検討し、必須機能についてそれぞれ比較する
  • 無料のデモやトライアル導入が可能なシステムを検討する

 従業員一人ひとりの個性と能力を活かす人材管理という視点から、人事評価制度の構築や運用を手厚くサポートしてくれる中小企業におすすめのシステムをご紹介します。

 CYDAS PEOPLEは「CYDAS」が提供する人材管理システムです。

 労務管理から評価制度、目標管理、育成と配置まで一元管理が可能なのが特長。従業員一人ひとりのキャリア開発も設計・支援できます。

特徴 ・オンプレミス型とクラウド型の両方をサポート
・ユーザーサポートも充実
・スマホでも利用できて使いやすい
料金 従業員数に応じた従量課金制のため無料デモにて見積もり
向いている会社 従業員の個性を尊重し、評価制度を丁寧に構築したい
注意点 2つのプランが選べるが、将来的な運用を見据えて選択すべき

CYDAS PEOPLEの公式サイトはこちら。

 あしたのクラウドHRは「あしたのチーム」が提供する人材管理システムです。

 評価制度の構築から目標管理、評価業務フローの改善手法が充実しています。

 AIを活用した「目標添削機能」や「評価者モニタリング機能」といった独自の機能もほかのシステムにはない特長です。 

特徴 ・オンプレミス型とクラウド型の両方をサポート
・細かいカスタマイズが可能なツール
料金 無料デモとトライアルを利用して別途見積もり
向いている会社 自社のニーズに合ったカスタマイズをしたい
注意点 カスタマイズできる分、複雑な仕様になってしまう可能性がある

あしたのクラウドHRの公式サイトはこちら。

 HRBrainは「HRBrain」が提供する人材管理システムです。

 離職の予兆をデータで見える化し、早めの対策を支援してくれます。料金体系が分かりやすく、人事評価管理から人事制度構築、タレントマネジメントまでトータルで管理できます。 

特徴 導入から運用定着化までを専任が手厚くサポート
料金 利用予定人数を問い合わせて見積もり
向いている会社 自社のニーズに合ったカスタマイズをしたい
注意点 シンプルなUIであるがゆえに、操作上不便に感じる面がある

HRBrainの公式サイトはこちら。

 人材管理は、働き方改革の推進とコロナ禍で求められる多様な働き方ができる環境を実現し、有能な人材を確保するのに必要不可欠な対策と言えるでしょう。

 自社に合った人材管理の手法は、早く着手するほどメリットが得られます。そこでおすすめなのが人材管理システムの導入です。

 人材管理システムは、その特長と機能をうまく活用すれば、従業員も多様な働き方を享受できるツールです。

 人事部門と経営層が、より効率的かつ効果的に組織を運営していける大きなポテンシャルも持っています。

 自社に必要な人材と持続可能な事業を展開していくために、人材管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。