目次

  1. 念願の海外進出を果たす
  2. スムージーの開発に着手
  3. ビジネスモデルを知らずに失敗
  4. アスリート向け商品が評判に
  5. 従業員発の企画も進める
  6. 会社説明会で好感触
  7. 「やり切れているか」と自問自答
  8. 食品作りは尊い仕事

 中尾さんは証券会社から家業に転身した半年後、ところてんにカビが生える製造ミスで大口取引先を失ったのをきっかけに、直訴して25歳で社長に就任。それまで不十分だった衛生管理のルール順守を、全従業員に義務づけ、経営計画書を社内のルールにして、「大阪版食の安全安心認証制度」や「JFS-B規格」 も取得しました(前編参照)。 

 安全安心な商品を送り出す体制を整える中で、新商品開発などの攻めの戦略にも乗り出すことになりました。 

 16年には、大手コンビニからおでん用の手結び白滝の注文を受け、製造を開始。最初は国内の一部エリアのみでしたが、ハワイの店舗にも輸出することになり、米食品医薬品局(FDA)の認可を取って、念願の海外進出を果たしました。

中尾食品工業は、徹底した衛生管理のもとで製造を続けています

 こんにゃくの特徴は、食物繊維が豊富でローカロリーのうえ、食べ応えがあって腹持ちがいいことです。ただ、食べるまでにあく抜きや煮炊きをする必要があり、忙しい現代人には食べづらいものでもあります。

 中尾さんは、この差をどう埋めようかと考え、「飲んでもらったらいいのでは」とひらめきました。そこで、有機栽培のこんにゃく芋を100%使用し、昔ながらの製法で作った看板商品「菊松こんにゃく」を混ぜ込んだ、スムージーを作ることにしました。

 「菊松こんにゃく」は臭みがないので、スムージーの味の邪魔をせず、高い機能性をそのまま生かすことができます。テスト試飲では大好評。ハワイ在住の日本人から「うちでも販売したい」とオファーを受け、原料のこんにゃくを提供する形で、ハワイ出店も決まりました。

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