目次

  1. 社内データをすべてクラウド化
  2. 「DXありき」ではない
  3. 未経験のまま家業へ
  4. 父の脳梗塞を機に承継
  5. アプリケーションを共同開発
  6. 社員も開発プロジェクトに参加
  7. 公共工事の竣工検査も遠隔で
  8. 残業時間も移動距離も減少
  9. 必要なのは幹部の若返り
  10. 社員から経営者を量産したい

 小柳建設は1945年に創業し、国道のトンネル工事や災害復旧事業、消防本部の建設や皇居外苑の浚渫工事など、幅広い実績を誇ります。社員数は249人(2021年6月現在)で、年商は95億円です。

 小柳さんは2014年に社長に就任し、翌15年には社内のすべてのデータのクラウド化を進めて、改革をスタートさせました。

 「もともとIT化の圧倒的な遅れに課題を感じており、まずは社内データのクラウド化に踏み切りました。経費節減という目的もありますが、何より、自社でサーバーを抱えているというリスクを潰したかった。災害が起こったとき、建設会社は一番に動かなくてはならないので、データを消失するわけにはいきません」

 同社では、メールを探すために時間を奪われたり、膨大なメールに埋もれてビジネスの機会を逃したりという苦い経験もありました。メールと電話が中心だった社内コミュニケーションも、チャットツールに切り替えました。

小柳建設は道路建設などの公共工事を多く手掛けています

 クラウド化もチャットツール導入も、「DXありき」ではなく、社員が抱える課題から、ソリューションを導き出したところが特徴といいます。

 「DXは課題へのソリューションに過ぎません。しかし、他の建設業者とお話ししていると、DXは何をしていいかわからないという方が多い。手段が目的化していて、自社の課題そのものが意識できていないからDXができない、というところが一番の問題だと思います」

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。