目次

  1. 会社の売上アップのための意識改革
  2. メディアに取り上げられるには
  3. 話すのはU34のメンター

 ホテルなどへのリネンサプライや介護用品レンタル事業などを手がける「ヤマシタ」(静岡県島田市)3代目の山下和洋社長は2013年、交通事故で父が亡くなったため、25歳で後を継ぐことになりました。

 社長就任後、社員の意識改革を進めたのが「数字へのこだわり」でした。介護用品のレンタル事業で、事業シェアが下がる一方、社員は毎晩22時まで残業していたといいます。

 「なぜ、こんなに真面目にがんばっている人たちがいるのに、数字が伸びないのだろう」

 調べてみると、営業拠点は都市部にあるのに、都市部での競争を避けていた結果、顧客は都市の周辺部にドーナツ状に広がっていたといいます。

 その結果、営業担当は移動時間が伸びていました。「都市部で勝たないとシェアが上がらないし、給与も上がりません。そこで、リソースを集中するサービス提供範囲を決めました」

 一度はシェアが下がるも、半年後には数字が上がり始めたといいます。もともと顧客対応が良いという強みをそのままに、KPIを設定して数字を重視して短い期間で予実管理を繰り返し、営業を強化したことが結果につながったといいます。

 静岡県浜松市のご当地ソース「鳥居ソース」を手がける鳥居食品3代目の鳥居大資社長は「メディアとの関わり方」というテーマで話していました。

 宣伝広告費はあまりお金をかけられないなか、地方紙にアプローチした結果、新商品やイベントなどが記事で取り上げられたといいます。

 鳥居さんは、記者が集まる「浜松経済記者クラブ」にプレスリリースや記者発表を仕掛けていったといいます。

 「新聞は公共のもので、民間企業の宣伝媒体ではありませんので、どうしたら新聞記事になるかを深掘りしました」という鳥居さん。

 その結果、自分の商品のPRよりも、社会的インパクトや社会的意義を明確にすることに行き着いたそうです。

 たとえば、新商品のソースを発売するときも、これまで捨てられていた地元の農家から買い取った規格外野菜を原料とすることで、「ごみ削減」と「地元農家の支援」というポイントを前面に押し出したそうです。

 また、ニュースが多い日はどうしても大きな会社が優先されてしまいます。そこで、なるべく記事が少ない水曜日など週の中間を狙って発表したといいます。

 記者とのコミュニケーションで注意したことについて尋ねられると「なぜこうなのか、その背景にはどんなことがあるのかなどロジックをしっかり伝えられるよう努力しました」と体験談を明かしました。

 山下さん、鳥居さんのように、アトツギU34のYoutubeチャンネルに登場するのは、オンラインサロン「U34」のメンター陣です。このほかにも、「嘉穂無線ホールディングス」の柳瀬隆志社長や、「ケルン」の壷井豪社長などが登場します。

 U34の事務局によると、これまでにもオンラインサロン「U34」内で、メンターには自分の経験を共有してもらってきましたが、参加者が変わるたびに同じ話をしてもらうことが多かったといいます。

 「それなら、この機会にアーカイブしたい」と考え、Youtubeで発信を始めたそうです。

 インタビューの多くは10分以内で、3本構成になっています。最初は自分の事業承継について話し、その後の2、3本目はメンターの得意分野などを深掘りしていきます。

 発信の目的について、事務局は「多様な承継スタイルがあり、自分(アトツギ)にあった考え方を発見してほしいと考えています。もっと相談したいなとなれば、オンラインサロンで切磋琢磨できることを伝えたいです」と話しています。

 動画インタビューは当面、毎週月、水、金曜日で更新する予定です。