目次

  1. 文房具の組み立て事業から始まった
  2. 突然の事業承継、支えてくれたのは従業員・仲間・歴史
  3. 心がけている「原点回帰」と「変えないこと」
  4. 「今の時間を大切に」

 愛知県稲沢市生まれの住田さんは、祖父母・両親・妹と3世代で暮らしていました。家の目の前に本社工場がある環境で育ってきたので、幼い頃から実家が会社を経営している環境には慣れ親しんでいたといいます。大学はイギリスに留学し、2010年に家業に入社。総務部と経営企画室で会社全体を見渡す部署を経験し、2019年に社長に就任することとなりました。

 モリパックスは、真空成形の技術を使って、自動車の部品やガラス基盤などを運ぶ工業用トレイや日用品のパッケージ製品の企画製造販売を手がけています。真空成形で作られる製品には、たとえば、卵のパックやコンビニ・スーパーで売られている弁当の容器などがあります。 

真空成形とは、熱可塑性プラスチックシートの特性を利用し、シートを加熱軟化させ、通気孔を設けた金型と軟化したシートの間の空気を吸引し大気圧を作用させ、金型とシートを密着させた後、冷却硬化させて成形品を作る方法だ

 いまは真空成形事業が大きな会社の柱ですが、住田さんの祖父が1959年に「森岡合成有限会社」(現・モリオカ)を創業した時は、スタンプ台の組立加工やインクの充填の仕事から始まりました。

 その後、時代の変化とともにスーパーマーケットが台頭し、陳列販売に必要な「プリスターパック」を作れないかと打診されたのを機に、たどり着いたのが「真空成形」という技術でした。

ブリスターパックの製品例

 新しい技術を使ったモノづくりは失敗の連続で非常に苦労したそうですが、顧客の声にこたえるため、真空成形の技術習得に励んでいたと、当時を知るOBから聞いたことがあるそうです。

 住田さんの父は、販売形態が変わっていく時代に「包む」という文化はますます必要不可欠な役割になることと、この真空成形の技術をもっと高めていけば、文房具や日用品だけでなく、さらに販路を広げられるのではないかという可能性を感じ、1979年に「モリオカ商事」(現・モリパックス)を立ち上げました。

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