目次

  1. 消防車の到着、震えながら待っていた
  2. つまようじは地元で菊水産業だけに
  3. コロナの影響、火事が追い打ち
  4. 再建を支えたもの
  5. 再建に向けた課題は山積

 2021年10月9日の昼過ぎ、その日は休日でしたが、たまたま事務所に立ち寄ろうとしていた末延さんが会社に火が燃え移っているのを発見しました。

 事務所から少しでも商品やパソコンを運び出そうとしましたが、まもなく煙が立ちこめ中に入ることもできなくなりました。

「燃え広がらんといてー、と祈りながら、消防車を到着するのを震えながら待っていました」。当時の様子をYouTubeで振り返っています。

 隣の田は、火事にならないよう何年も野焼きはしていませんでしたが、ほかの場所の稲刈り後のワラ焼きの火が燃え移ったといいます。消火活動後に事務所に入ると、天井の鉄骨はひしゃげ、天井が落ちてきており、前日まで作っていた商品も燃えてしまっていました。

火事で天井が落ちてきた菊水産業の事務所

 末延さんは、大阪府河内長野市にある創業61年の国産つまようじメーカー「菊水産業」の4代目です。もともと、つまようじが地場産業で、取扱量で日本一と言われており、昔は日本国内のシェア95%を占めていたほどです。

 国産の白樺楊枝を製造している会社はもともと25社ほどありましたが、海外産に押され、今では菊水産業を含めて国内で2社のみ。河内長野市では菊水産業だけになっていました。

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