DXのきっかけは若者の人口減少

 「10年後も今の売り上げを落とさずに経営できるだろうか」。ウチダレック専務の内田さんがDXに取り組み始めたのはそんな懸念からでした。不動産業のメインの顧客は20~30代。しかし、米子市の20、30代の若者は、2005年をピークに25%減っています。

 「DXに取り組むのはまだ余裕のある今しかない」と始め、週休3日を実現。年間総労働時間が60%減り、社員を大幅に増やすことなく新規事業に人手を回すこともできるようになりました。その結果、営業利益2.5倍となり、離職率は3%と業界平均を大幅に下回りました。

ITツールから始めないDX

 ただし、DXといっても、いきなりITツールを取り入れるところから始めたわけではありません。現在どんなシステムが入っており、エクセルや紙で対応している業務は……。そんな業務プロセスの分析から始めたといいます。

 そのうえで、数字をもとに業務改善しています。不動産業界の定休日は水曜日が多いのですが、調べてみると実際の来店数が少なかったのは月曜日と金曜日でした。現場にヒアリングすると、休み明けの月曜日は電話の問い合わせが多いため、定休日を金曜日に決めました。

 また、物件情報を店舗のガラスにペタペタと貼る慣習についても、「いまはスマホで調べてくるので使われていない」と考えやめることにしました。社内から反対意見がありましたが、慣習をやめた前後で成約率を調べると逆に2%上がっていることがわかったといいます。

社員の反対……でも浸透させた工夫とは?

 ただし、当初、不満を持った社員が顧客に会社の悪口を話してしまうなど激しい反対に遭いました。それでもスモールスタートから始めて浸透させた工夫をイベントでは語っています。ツギノジダイに会員登録頂いた方は動画をご視聴頂けます。