目次

  1. 作業を手伝ってお駄賃をもらう
  2. しぶしぶ戻った家業
  3. 「待ち」の姿勢から積極営業へ
  4. 平社員からいきなり社長に
  5. 1億円かけて工場を移転
  6. 「夢」と「記録」のブランド
  7. アナログな手帳の価値とEC戦略
  8. 消費者とつながる企画も続々
  9. 震災が「顧客ファースト」の原点
  10. 「折りたためる手帳」を開発
  11. 「人生の相棒」をつくる喜び

 伊藤手帳は1937年、伊藤さんの祖父・茂光さんが開業。54年に「伊藤手帳製作所」として法人化しました。

 主力は手帳の製造で、出版社や雑貨メーカーの手帳のOEM(他社ブランド商品の生産)が50%、社員手帳や一般企業のノベルティーになる手帳の生産が45%を占めます。

 現在の社員数は45人で、平均年齢は33歳という若い会社です。売上高は11億4700万円(2021年4月期)にのぼります。

伊藤さんの祖父・茂光さんが修業時代に作った手帳

 伊藤さんが子どもの頃は、自宅と工場が同じ建物で、繁忙期の年末は夜遅くまで階下の工場から音が聞こえました。「弟と一緒に箱詰め作業を手伝って、お駄賃をもらうこともありました」

 伊藤さんは大学卒業後、家業を継ぐことも見据え、東京の印刷会社に就職。官公庁が発行する白書の印刷の受注アップに尽力しました。

 「当時は泥臭い営業を意識していました。競合の担当は年配の方が多く、若さとやる気をアピールしようと、他の人より早い朝8時半ごろには(営業先の)官公庁に着いて、営業をかけました」

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