目次

  1. お問い合わせフォームを作成する方法
    1. フォーム作成サービスで作る
    2. CMSでフォームのプラグインで作る
    3. プログラムで作る
  2. お問い合わせフォームの作り方
    1. お問い合わせフォームの入力項目を決める
    2. お問い合わせフォームの作成ツールを選ぶ
    3. お問い合わせフォームをWebサイトに実装する
    4. お問い合わせフォームの効果を確認して改善する
  3. おすすめのお問い合わせフォーム作成ツール3選
    1. スグフォーム
    2. formrun
    3. Googleフォーム
  4. お問い合わせフォームの作成方法はさまざま

 無料でお問い合わせフォームを作るには、主なもので「プログラムで作る方法」「CMS(コンテンツ管理システム)でフォームのプラグインで作る方法」「フォーム作成サービスで作る方法」です。

 それぞれの特徴を詳しくまとめました。

フォーム作成サービスで作成 CMSでフォームのプラグインで作成 プログラムで作成
スマホ対応(レスポンシブ対応)
プログラミングスキル ほとんど不要 ほとんど不要 必要
導入コスト 一部有料 ほとんど無料 作成を外部委託する場合は有料(高額になる場合がある)
機能 問い合わせ率が上がる機能が備わっている

機能はプラグインにより異なる
高度なものはカスタマイズが必要(カスタマイズができない場合もある)

すべてプログラムで作成する必要がある
設計の自由度 低い 高い 極めて高い
導入のスピード 速い 速い 遅い
スパム対策
顧客管理機能 付いているものもある 付いているものもある 別途作る必要がある
セキュリティ あらかじめ用意されている 場合によっては、自分でセキュリティ管理を行う必要がある 自分でセキュリティ管理を行う必要がある
メンテナンスコスト ほとんど不要 場合によっては、自分でアップデートやセキュリティ対策を行う必要がある 自分でセキュリティ対策を行う必要がある
おすすめの企業 すぐにお問い合わせフォームを用意したい企業 デザインに統一感を持たせたお問い合わせフォームを用意したい企業 予算が十分にあり、こだわったお問い合わせフォームを用意したい企業

 問い合わせフォームを作るのに、一番カンタンでおすすめは「フォーム作成サービス」を利用することです。無料のものから、有料のものまでがあります。

 専門的な知識が不要で、短時間で作成が可能です。

 基本的にセキュリティをサービス提供側へお任せすることができて、トラブルや障害が発生した際も、基本的にサービス提供側が対応してくれます。

 また、CMSのプラグインやプログラムで自作するとなると、実装するまでに工数がかかる「入力エラーのリアルタイムチェック」「郵便番号から住所への自動変換」などに標準で対応しているものもあります。顧客管理機能が一緒に付いているものもあります。

 今すぐフォームが必要な企業、自分たちでフォームを作成や管理を行いたい企業に向いています。

 プログラミングの知識はなくても、WordPressを使用しているケースも多いと思います。

 2021年の時点で、世界の全ホームページの43%はWordPressで作られています(参考:WordPress とは)。日本国内に限ると、その比率はさらに多いと言われています。

 WordPressでは無料でプラグインを追加し、誰でも自由に機能を追加できます。フォーム作成用のプラグインも同様で、基本機能を用いるぶんにはプログラムの技術は不要、というのが一般的な認識です。

 しかしながら、プラグイン同士などの相性があったり不便な点も多いことが現実です。

 また、専門知識のある方は、このような問題をクリアしたり、高度なカスタマイズを行ったりすることも可能ですが、WordPressのシェアが大きい分サイバー攻撃の標的となることも多いのが実状です。

 そのため、セキュリティ対策を自分で行うことや、定期的なアップデートなどへの対応が必要になります。

 加えて、WordPressは専用のサポートがなく、機能のトラブルや不正アクセスが起きた場合は、基本的に自分で対応する必要があります。

 最近では、アップデートやセキュリティ対策が不要な、クラウド型のCMSも登場してきていますが、WordPressのプラグインやフォーム作成サービスよりも、自由度が低い場合が多いです。

 HTMLやPHPなどの、いわゆるコーディング・プログラミングという方法で、無料でお問い合わせフォームを作成することは可能です。

 しかしながら、これには専門知識は必要で、とても初心者向けとは言えません。また、スパム対策やセキュリティのことを考えると、他の方法をを用いるほうが安心です。

 「フォーム作成サービス」や「CMSのフォームプラグイン」で実現できないフォームが欲しい場合や、こだわったお問い合わせフォームを作成したいという企業には向きますが、専門知識がない場合はベンダーへ制作を依頼する必要があり、コストがかかりすぎて不向きな場合があります。

 この記事では、すぐに無料でお問い合わせフォームが作成できるように、実際に「フォーム作成サービス」を利用した、具体的なフォームの作成方法について解説します。

 具体的な手順は、次のとおりです。

  1. お問い合わせフォームの入力項目を決める
  2. お問い合わせフォームの作成ツールを選ぶ
  3. お問い合わせフォームをWebサイトに実装する
  4. お問合せフォームの効果を確認して改善する

 フォーム作成サービスによっては、あらかじめ作成パターン(テンプレート)が用意されている場合がありますが、そうではない場合は自分たちで入力項目を決めていく必要があります。

 このとき、項目数は適切な数に抑えるように意識する必要があります。

 つい欲張って、あれもこれもという風に盛り込みすぎてしまうと、ユーザーにストレスを与え、問い合わせを断念してしまう(これを離脱といいます)場合があります。

 たとえば、ツギノジダイではお問い合わせフォームでは、

  • お問い合わせ種別(記事取材・広告・業務提携など)
  • 氏名
  • ふりがな
  • メールアドレス
  • 件名
  • お問い合わせ内容

 といった内容を、入力必須な項目として用意しています(2021年12月時点)。

 後述の効果測定と照らし合わせながら、入力項目を調整していくと良いでしょう。

 フォーム作成サービスを利用する際は、以下のポイントを確認すると良いです。

マルチデバイスに対応しているか

 現在のほとんどのサービスではPC、タブレット、スマートフォンなど、マルチデバイスに対応していますが、中には非対応のサービスもありますので事前に確認しておきましょう。

 フォームを作成した後に、実際に自分のスマートフォンで閲覧してみるのも良い方法です。

テンプレートの自由度はどのくらいか

 冒頭でも述べたとおり、あらかじめフォームの作成パターン(テンプレート)が用意されていると、フォームの作成がスムーズです。

 しかしながら、色が変更できなかったり、企業ロゴが入れられなかったり、デザインに制約が生じてしまう場合もありますので、実際に「どれくらい自由に調節できるか」を確認しておくことをおすすめします。

 また、フォーム作成サービスによっては、入力項目数やフォームの登録数などに制限があるものや、登録数ごとに料金が変わるものも多くあります。

 制限が少ないサービスがおすすめですが、自社の運用に合わせて調節しましょう。

どのような機能が搭載されているか

 お問い合わせフォームの作成ツールには、お問合せフォームを作成できるだけでなく、業務をスムーズにする機能がしばしば搭載されています。

 お問い合わせフォームの使い勝手に直結する部分なので、提供会社のWebサイトで確認してみましょう。

 たとえば、登録データや顧客情報を管理できる機能や、データをCSVファイル等でエクスポートできる機能があると、顧客管理やデータ集計などに便利です。

 フォームへの登録をリアルタイムに把握したい場合は、内部向けの通知機能があるとさらに便利です。

 また、ホームページを運営されている方であれば、ページの閲覧数や訪問者数を計測するツールとして、「Googleアナリティクス」というアクセス解析ツールをご存知の方も多いと思います。

 このGoogleアナリティクスを使用して、単に訪問者数がどれだけだったかということに限らず、その訪問者のうちどれだけの数が問い合わせなどの完了したのか、という数を把握することが可能です。

 フォーム作成サービスでは、そのGoogleアナリティクスの設定を無料でできるものや、有料プランにアップグレードしないと対応しないものもあります。

セキュリティは万全か

 お問い合わせフォームでは、ユーザーの名前やメールアドレス、電話番号などの「個人情報」を取り扱うことが多くあります。そのため、最低限SSL設定ができるかを確認しましょう。

 SSLとはSecure Sockets Layerの略で、インターネット上でのデータのやり取りを暗号化して送受信する仕組みです。

 これらの対策を怠ると、送信中のデータを第三者に盗聴・改ざんされたり、データを悪用されたりして、会社の信用を落としかねないため、必ずチェックしておきましょう。

 また、せっかく問い合わせが入っても、スパムメールばかりでは管理が煩雑になってしまいます。スパムメールを抑制することができるサービスを選ぶと良いでしょう。

 お問合せフォーム作成ツールを選んだら、各種設定を行い、Webサイトに実装します。

 お問合せフォームの設定を行うときは、ユーザーの入力ストレスをできるだけ減らし、入力の途中で離脱しないようにするのがポイントです。

 離脱につながりやすいストレスの具体例と、それぞれの対策を記載しましたので参考にしてください。

入力ストレスの具体例 対策
入力が面倒

・項目数を減らす(5~10個が理想。減らすのが難しい場合は、必須項目と任意項目を作る、「手入力が必要な質問」を「選択式の質問」に変える)
・氏名入力の「姓」「名」を分けない
・全角と半角を指定しない

どのように回答すればいいのかわからない 記入例を掲載する
エラーになったが、どこを直せばいいのかわからない

・入力ミスしている箇所がすぐに見つかるようにする
・どう直せばいいのか、わかるような文言が表示されるようにする

 これ以外にも、たとえば入力ページが複数にまたがるようなときは、「いつ終わるのか」というストレスがユーザーの中で生じるため、ページ上部に「3ページ/5ページ」といった文言が出る設定にするといいでしょう。

 また、離脱せずに入力を終え、お問い合わせ内容を送信してくれたユーザーには、送信が完了したことが明確にわかる文言を提示すると親切です。「お問い合わせフォームが正しく送信できたかどうかの問い合わせ」といった二重の手間を防ぐこともできます。

 お問い合わせフォームの設置後に、どれだけのコンバージョン率を獲得したか、そして、どれだけの数が入力中に離脱したかなどを把握しておくと、後の改善につながります。

 たとえば、お問い合わせフォーム作成ツール「formrun」を提供している株式会社ベーシックでは、離脱率が69.4%だったという調査結果があります(参考:どこを見直せばいい?フォーム離脱率が高い原因と改善ポイントを解説!)。

 業種やフォームの種類によっても、その数は変動すると考えられますが、先ほど紹介した実装のポイントを改善すると、コンバージョン率が上がり、離脱率が下がることにもつながっていくでしょう。

 以上の点を踏まえて、押さえておきたい無料ツールを3つ紹介します。

 スグフォームは、無料プランでとても多機能なのがポイントです。フォームに添付ファイルを付けることができて、有料のプレミアムプランも低料金で、おすすめです。

ツール名 スグフォーム
提供会社 株式会社リブレル
特徴

・無料で使えるフォームや項目の設置数が無制限
・自動返信メール対応
・Googleアナリティクス設定で効果測定が可能
・サイト内への埋め込み(iframe)も可能
・フォーム送信数(申込み上限数)を制限することが可能

利用上の注意点

・スパム防止機能として連続投稿は制限可能だが、reCAPTCHAに対応していない
・無料プランでは広告が表示される
・デザインがある程度固定される

費用

・フリープラン 無料
・プレミアムプラン 月額2,000円

おすすめの企業

・すぐに無料で多機能なフォームを用意したい企業
・多数のフォームを使いたい企業

公式URL https://sgfm.jp/

 スタートアップ企業から大企業まで、幅広いユーザーに利用されているformrunは、サイトやサービスの世界観にあったフォームにすることが可能です。

ツール名 formrun
提供会社 株式会社ベーシック
特徴

・サイトやサービスの世界観にあったフォームにすることが可能
・自動返信メール対応
・フォームの回答をカンバン方式で管理可能
・SlackやChatworkなどに通知することができる

利用上の注意点

・無料で使える範囲が少ない
・無料プランではクレジットが表示される
・無料プランと有料プランの無料トライアルとそれぞれ別々にある

費用

・FREEプラン 無料
・BEGINNERプラン 月額3,880円
・STARTERプラン 月額12,980円
・PROFESSIONALプラン 月額25,800円

おすすめの企業

・こだわったデザインのお問い合わせフォームが欲しい企業
・SlackやChatworkなどと連携したい企業

公式URL https://form.run/home

 Googleフォームは、世界的な圧倒的シェアを誇る信頼性の高いツールです。

 サービスは基本的に無料で使用できます。また、スプレッドシートに自動的に記録することができるので、データ分析などにも便利です。

ツール名 Googleフォーム
提供会社 Google LLC
特徴

・無料と有料で使える基本機能に変わりがない
・自動返信メール対応
・回答が自動的にスプレッドシートにまとめられる
・スパム防止機能としてreCAPTHA対応
・Google Apps Scriptを用いると、フォームに様々な機能を付けることができる

利用上の注意点

・独自ドメインを使いたい場合は有料
・デザインに制約がある
・一見しただけでGoogleフォームとわかってしまう場合がある

費用 無料(Google Workspaceの場合、月額748円~)
おすすめの企業

・Gmailに慣れている企業
・回答を効率よく集計したい企業
・特別なツールを用いずに手軽にフォームを作成したい企業

公式URL https://www.google.com/intl/ja_jp/forms/about/

 お問い合わせフォームの作り方には、プログラムやCMSのプラグイン、フォーム作成ツールなど、本当に多様な選択肢があります。そして、これらのツールにはさまざまな特徴があります。

 すべての面で優れたものというのはなかなか難しいため、まずは無料プランや、有料プランの無料お試し期間を活用して、自社のニーズに沿ったツールを探してみてはいかがでしょうか。

 ここで紹介した作成ツールは、無料で使えるのはもちろん、安全な通信ができて、様々な用途に対応します。

 すでに利用している業務ツールと連携させて、分析や効率化を行っても良いでしょう。