目次

  1. 業務改善助成金特例コースとは
  2. 特例コースの活用事例
  3. 対象となる事業者
    1. 売上などの減少
    2. 最低賃金の引き上げ
  4. 支給要件
  5. 助成上限・助成率
  6. 助成金の申請いつまで?
  7. 助成金が支給されるまでの流れ
  8. 問い合わせ先

 業務改善助成金は、事業場内の最低賃金を引き上げ、機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練など設備投資をした場合に、その費用の一部を助成するものです。

 厚生労働省の公式サイトによると、業務改善助成金の特例コースとは、新型コロナの影響で、売上高などが減った中小企業が、事業場で最も低い賃金を30円以上引き上げ、これから設備投資などするときに、経費として認められる範囲を広げた助成金のことを指します。

 たとえば、飲食店でデリバリーをあらたに始めるとき、特例コースではデリバリー用バイクだけでなく、多くの顧客を獲得し、生産性を上げるための広告宣伝費も対象になります。

 サテライトオフィスを設置する場合、特例コースでは、テレワーク関連機器だけでなく、コピー機、プリンター、事務机・椅子など業務環境の整備に必要なものも対象になります。

業務改善助成金特例コースの活用例(画像はいずれも厚生労働省のリーフレットから引用)

 特例コースとなる事業者にはまず2つの要件があります。

 新型コロナの影響で「売上高または生産量などを示す指標が2021年4月から12月までの間の連続した任意の3か月間の平均値」が、前年または前々年同期よりも30%以上減少していることが第一の要件です。

 さらに、2021年7月16日~12月末に、事業場で最も低い賃金を30円以上引き上げていること(引き上げ前の事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内の事業場に限る)が第二の要件です。

 賃金引き上げ額が30円に満たなくても、申請時までにさかのぼって追加の引上げをし、差額を支払えば、要件に該当します。

 対象となった事業者が助成金を受けるには、さらに4つの要件があります。

  • 就業規則等で引き上げ後の賃金額を事業場の労働者の下限の賃金額とすることを定めていること(就業規則などがない場合は「労働者の下限の賃金額についての申出書」の提出でも認められる)
  • 引上げ後の賃金額を支払うこと
  • 生産性向上に資する機器・設備やコンサルティングの導入、人材育成・教育訓練により業務改善を行い、その費用を支払うこと
  • 解雇、賃金引下げなどの不交付事由がないこと

 生産性向上のための設備投資などにかかった費用の3/4が助成されます(1000円未満端数切り捨て)。 なお、賃金を引き上げる労働者数に応じて助成の上限額があります。

  • 1人……30万円
  • 2~3人……50万円
  • 4~6人……70万円
  • 7人以上……100万円

 2021年度の申請の締め切りは、2022年3月31日です。ただし、予算を超える場合は締め切り前でも募集を終了する場合がありますので、申請を検討している場合は早めに対応しましょう。

 助成金を受けるには、まず、交付申請書・事業実施計画などを、各都道府県の労働局雇用環境・均等部(室)に出しましょう。事業計画を実施し、その結果を労働局に報告した後に交付額が確定します。それをもって労働局に請求すると支払われます。

 問い合わせは、業務改善助成金コールセンター(03-6388-6155。平日8:30~17:15)へ。