目次

  1. 大同生命の提唱する「トータル保障」とは?
  2. 法人の保障だけでは不十分
  3. 経営者の「就業不能状態=経営者の不在」が企業を危機にさらす
  4. 経営状況の変化に応じて柔軟に契約内容をスイッチ
  5. 合理的に重大疾病保障を確保
  6. 進化する「トータル保障」

森 大樹

もり・だいき

大同生命税理士推進課係長。2021年より現職。営業戦略の企画・立案に携わる。趣味はスポーツ全般、キャンプ。

小國知里

おぐに・ちさと

大同生命TKC事業課係長。2021年より現職。営業戦略の企画・立案に携わる。趣味はスノーボード。

井下晶雄

いのした・まさお

大同生命商品部課長。2019年より現職。新商品の企画・開発に携わる。趣味は読書。

 経営者が病気や事故等の不測の事態によって経営から長期間離れてしまうと、会社の業績が大きく悪化してしまうリスクがあります。特に、経営者自身の果たす役割が大きい中小企業では、「経営者の不在」が会社経営に与えるインパクトは一層深刻になります。大同生命では、これまで中小企業経営者の様々なリスクに備えるため、「法人の保障+経営者個人の保障」や「死亡保障+就業不能保障」という「トータル保障」を提案してきました。

 ただ、保障する範囲が広くなれば、それだけ保険料の負担も大きくなる——「トータル保障」を提案するうえでは、一つひとつの会社が置かれた状況を踏まえて、本当に必要な保障を見極める必要があります。限られた予算のなかでリスク対策の効果を最大化するためには、保険会社の提案力が問われるというわけです。

 そこで今回は、大同生命の社員の方に同社が提唱する「トータル保障」について詳しくお話を聴きました。取材を通じて、中小企業経営者の保障を考える際に「見落とされがちな課題」が見えてきました。

 「経営者の保障を考える場合、まず第一に、経営者不在時に必要な『事業継続資金』を把握することが大切です。必要資金を算定する際には、『6カ月の不在』を目安にすることが多いですね」と語るのは、大同生命で営業戦略の企画・立案に携わる森大樹さんです。

大同生命税理士推進課係長・森大樹さん

 森さんによると、経営者に保障を提案する場合は、この「事業継続資金」に加えて、「経営者が病気や事故等の不測の事態で経営からリタイアせざるを得なくなった場合の退職金準備資金」も一緒に考える必要があるとのこと。

 森さんは続けます。
 「『事業継続資金』は、主に従業員の給与や取引先への支払い、借入金の返済などに充てられるものであり、多くの経営者の方に必要性を理解していただきやすいです。一方で、『経営者の退職金準備資金』はそうではありません。
 多くの場合、経営者の退職金は、役員としての在任期間に応じてその額が決まります。在任期間が長いほど金額も大きくなり、事業を始めたばかり(事業を受け継いだばかり)などで在任期間が短い場合は支給金額も小さくなります。
 このため、在任期間が短い経営者が不測の事態によりリタイアすると、会社から十分な退職金を受け取ることができず、本人やご家族の生活が経済的に行き詰まってしまうことにもなりかねません。個人で十分な備えがあれば問題ないのですが、必ずしもそのような方ばかりではありません。改めてこのようなお話をさせていただくと、驚かれる方が大勢いらっしゃいます」

 様々なリスクに備えて事業継続を盤石なものにするためには、「法人の保障」に加えて、「経営者個人の保障」を確保することも重要です。特に中小企業の場合、経営者に不測の事態が起これば、家族がその事業を引き継ぐケースも少なくないからです。

 経営者の保障を考えるうえでは、企業を取り巻く環境やニーズの変化を踏まえることも大事です。

 「経営者が、がん・心筋梗塞・脳卒中などの重大疾病に罹患するなどして長期間不在となることに備える『就業不能保障』の注目度がますます高まっています」と語るのは、先ほどの森さんと同じく営業戦略の企画・立案に携わる小國知里さんです。

大同生命TKC事業課係長・小國知里さん

 「医療技術の進歩などにより、かつては命にかかわることのあった病気も治すことができるようになりました。また入院期間も以前と比べて短期化する傾向にあります。一方、治療により退院できたとしても、脳卒中のリハビリや、がん手術後の抗がん剤治療など、職場復帰に時間がかかるケースもあります。また、後遺症が残ってしまった場合は、経営者として復帰することが難しいケースも少なくありません」

 冒頭でも述べましたが、経営者が長期間不在となることは、その会社の業績悪化に直結します。また、就業不能状態の場合には、死亡時のように債務が減免されないため、借入金の支払いなどが重くのしかかり、事業継続が危うくなる場合があります。

 「医療技術の進歩により従来よりも死亡リスクが減少した一方で、重大疾病等によって就業不能状態となるリスクへの対策がより重要となりました。実際、30代や40代といった若手経営者の方が、がん・心筋梗塞・脳卒中などの重大疾病に罹患されるケースをこれまで何度も目の当たりにしてきました」と、小國さんは話します。

 若くして重大疾病に罹患した場合の備えを確保しておけば、安心してリハビリや療養に専念できるのではないでしょうか。

 法人と個人それぞれの備えを万全にしつつ、就業不能リスクにも対処する——これが大同生命の提案する「トータル保障」の基本的な考え方です。同社は、法人・個人それぞれで、死亡と就業不能に備える保障を提供しています。

 小國さんは続けます。

 「当社には、ご加入後の経営状況等の変化に応じて『長期型の契約』と『短期・更新型の契約』を相互にスイッチ(変換)できる制度があります。例えば、業績悪化によって資金繰りが厳しくなったときに、保険料が高額な『長期型の契約』から保険料が低廉な『短期・更新型の契約』にスイッチすることで、保障額を維持しながら保険料負担を軽減でき、かつ、それまでに蓄積されたキャッシュバリューを活用できるので、ご好評いただいています」

 逆に、「短期・更新型の契約」から「長期型の契約」へもスイッチ可能とのこと。資金繰りの状況にあわせて契約期間(保険料)を柔軟に見直せるというわけです。昨今では、コロナ禍による業績・資金繰りの悪化に苦しむ中小企業も少なくありませんが、「スイッチ」という制度によって、保障額を変えずに保険料負担を軽減された経営者も多いそうです。

 重大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)に備える「Jタイプ」は、2010年10月に発売し、2021年12月末時点で契約件数が約18.7万件にのぼるなど、大同生命を代表する就業不能保障商品です。そして、そのJタイプをさらに進化させた商品として2020年12月に発売されたのが、より低廉な保険料で重大疾病に備える「がんステージ限定型Jタイプ」です。

 「がんステージ限定型Jタイプ」の開発に携わった井下晶雄さんは、開発の背景などについて次のように語ります。

大同生命商品部課長・井下晶雄さん

 「近年では、医療技術の進歩などにより、重篤ながんでなければ経営者が長期不在となることなく早期に経営へ復帰することが可能な時代となっています。また、重大疾病に備える従来の『Jタイプ』は、死亡保障商品に比べて保険料負担が大きいなどの理由から、本来必要となる重大疾病の保障額を十分に確保いただけないケースもありました。そこで、重篤ながん(ステージIII・IV相当)を重点的に保障することで、合理的で低廉な保険料を実現した『がんステージ限定型Jタイプ』を開発することになりました」

 「がんステージ限定型Jタイプ」の保険料は、従来の「Jタイプ」より3~4割程度抑えられているそうです(契約年齢・保険期間等により異なる)。日本人の2人に1人が罹患するがんに焦点を当て、特に経営に大きな影響を与えると思われる重篤ながん(ステージIII・IV相当)にフォーカスして保障する——という仕組みが保険料を抑えられる理由です。

 「近年では、テクノロジーの進化が保険の可能性をさらに拡げています。2022年1月には、“健康経営による病気の予防”と“予期せぬリタイアへの備え”を実現するため、健康経営の実践ノウハウを集約した総合支援ツール『KENCO SUPPORT PROGRAM』と保障を一体化した健康増進型保険『会社みんなでKENCO+(ケンコウプラス)』を発売することができました」と、井下さんは語ります。

 大同生命が「中小企業の持続的発展に貢献したい」との想いで半世紀にわたり歩みを続けるなかで生まれた「トータル保障」。今年創業120周年を迎える同社は、中小企業の「健康経営®」の実践支援をさらに加速し、「経営者保険のパイオニア」としての底力をさらに発揮しようとしています。

※「健康経営®」とは、従業員の心身の健康を「企業競争力の源泉」と捉え、企業として戦略的・積極的に「従業員の健康づくり」を実践することです。「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

次回、保険会社が支える健康経営®について担当者が語ります(2月下旬配信予定)。

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