目次

  1. キャリアアップ助成金とは 簡単に言うと
  2. 正社員化コース・障害者正社員化コース
  3. 賃金規定等共通化コース
  4. 賞与・退職金制度導入コース(旧諸手当制度等共通化コース)
  5. 短時間労働者労働時間延長コース
  6. 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  7. キャリアアップ助成金の提出先
  8. キャリアアップ助成金の注意点、審査厳しく

 有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者など非正規雇用の労働者に対し、企業内でのキャリアアップを後押しする事業主に向けた助成金です。厚生労働省の公式サイトによると、2022年4月1日からの変更が予定されているコースは次の通りです。

  1. 正社員化コース・障害者正社員化コース
  2. 賃金規定等共通化コース
  3. 賞与・退職金制度導入コース(旧諸手当制度等共通化コース)
  4. 短時間労働者労働時間延長コース
  5. 選択的適用拡大導入時処遇改善コース

 ただし、2022年度予算の成立と雇用保険法施行規則の改正状況によっては変更される可能性があります。その前提で各コースの変更予定について紹介します。

 有期雇用労働者などを正社員に転換または直接雇用した場合に助成するコースです。正社員化コースでは、下記の助成のうち、有期雇用労働者から無期雇用労働者への転換の助成を廃止します。金額は中小企業の場合です。

有期→正規:1人あたり57万円
有期→無期:1人あたり28万5千円(廃止)
無期→正規:1人あたり28万5千円

 正社員コースにはいくつかの加算措置があります。さらに、人材開発支援助成金の特定の訓練修了後に正社員化した場合、あらたに助成額が加算されることになりました。時期は未定ですが、今後追加予定です。

 このほか、正社員化コース・障害者正社員化コースとも正社員の定義が変更になります。

現行 同一の事業所内の正社員に適用される就業規則が適用されている労働者
改正後 同一の事業所内の正社員に適用される就業規則が適用されている労働者。ただし、「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」が適用されている者に限る(太線が追加)

 非正規雇用労働者定義も変更されます。

現行 6カ月以上雇用している有期または無期雇用労働者
改正後 賃金の額または計算方法が「正社員と異なる雇用区分の就業規則等」の適用を6カ月以上受けて雇用している有期または無期雇用労働者

 たとえば、契約社員と正社員とで異なる賃金規定(基本給の多寡や昇給幅の違い)などが適用されるケースを想定しています。

 この2つの改正は、2022年10月1日以降の正社員転換に適用されます。

 有期雇用労働者などに関して、正社員と共通の職務に応じた賃金規定などを新たに作成し、適用した場合に助成するコースです。

 中小企業では、1事業所あたり57万円を助成し、共通化した2人目以降について、1人あたり2万円が加算されてきました。しかし、4月1日以降は、この加算が廃止されます。

 有期雇用労働者などを対象に賞与・退職金制度を導入し、支給または積立した場合に助成するコースです。旧コースは、賞与、家族手当、住宅手当、退職金が正社員と同額または同一の算定方法である必要がありました。

 新コースでは、正社員との共通化は必須ではなく、非正規雇用労働者に対する制度新設のみで助成を受けられます。

旧制度の助成対象 新制度の助成対象
賞与 賞与・退職金
家族手当(廃止)
住宅手当(廃止)
退職金
健康診断制度(廃止)

 ただし、2人目以降の1万5千円の加算は廃止されます。

 有期雇用労働者等の週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用した場合に助成するコースです。社会保険の適用拡大を進めるため、支給要件緩和と時限措置が延長されます。

  • 延長すべき週所定労働時間の要件を緩和(週5時間以上 → 週3時間以上)
  • 助成額の増額措置などを延長(2022年9月末→2024年9月末の予定)

 労使合意にもとづいて社会保険の適用拡大の措置を実施する事業主が、雇用する有期雇用労働者などに対して、社会保険の制度概要や加入メリットの説明・相談などをするとともに、保険加入に関する意向確認をするなど、有期雇用労働者等の意向を適切に把握し、労使合意に反映させるための取り組みを行い、この措置により有期雇用労働者などを新たに社会保険の被保険者とした場合に助成するコースです。

 このコースは、2022年9月30日に廃止となります。

 キャリアアップ助成金の申請書類は、厚労省の公式サイトからダウンロードできます。

 提出先は、管轄の労働局またはハローワークです。提出前に事前に確認しておくとよいでしょう。

 キャリアアップ助成金は審査が厳しくなっており、審査に時間がかかったり、不支給となったりする場合があります。

 また、不正受給が発覚すれば、助成金を返還する必要があります。返還時に受給した日の翌日から返還を終了する日までの期間に対し、年3%の延滞金が付されることに加え、返還額の20%の額が違約金として請求されます。

 また、申請代理人が不正受給に関与した場合や不正の事実を知っていて黙認した場合にも、申請代理人に返還の連帯債務を負う必要があります。