目次

  1. SDGsは中小企業の課題に
  2. 「つながり創造企業」を理念に
  3. 犠牲の上に成り立つお菓子
  4. SDGsの理解を深める社内施策
    1. まず知ることから始める
    2. できることから取り組む
    3. 自社の特長を生かした取り組みを考え実践する
  5. 悩みを抱える生産者と店を結ぶ
  6. 規格外のレモン外皮をお菓子に
  7. 加工作業を福祉事業所に委託
  8. SDGsの根っこに経営理念
  9. 「つながり」から生まれるSDGs
  10. SDGsを行動につなげるために

 SDGsは中小企業も避けて通れない課題です。地球温暖化や貧困、児童労働などの背景には、企業の経済活動がひもづきます。経済活動のあり方から見直さないと問題はますます拡大し、地球の滅亡にもつながりかねません。それを避けるため、2030年までに掲げられた目標がSDGsです。日本企業の99%を占める中小企業こそ積極的に参加する必要があります。

平出章商店が扱う菓子の原材料

 平出章商店は社員数45人ながら、SDGsを推し進めています。社会福祉法人やJAなどと連携し規格外レモンを活用した地域商品のビジネスが、コミュニティビジネスアワード2021(広域関東圏コミュニティビジネス推進協議会主催、経済産業省関東経済産業局共催)で優秀賞を獲得しました。

 同社は1949年に浜松市で創業し、チョコレート原料や食用油脂、食品加工機など菓子作りに欠かせない商材を扱っています。年商約25億円で、地元の菓子メーカーや菓子店などが販売先です。

かつての平出章商店

 3代目社長の平出慎一郎さん(45)は2013年に2代目の父・茂樹さんからバトンを受け取りました。平出さんは創業70年目の19年、次のような経営理念を定めました。

<社員の幸せ><企業の永続><社会への貢献>の三つを調和させ、食を通じた「つながり創造企業」として地域をリードします。

 以来、全社員が「つながり創造」を意識し、SDGsにも真摯に取り組むようになりました。

 社長の平出さんがSDGsを強く意識したきっかけは約5年前、子どもと訪れた動物園のゾウ舎のイベントで出会った一冊の絵本でした。

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