【8月8日は何の日】67年前、長崎の平和祈念像の除幕式が開かれる
「実は10年前のきょう…」「きょうはこんな日なんですけど…」。取引先との雑談や、プレゼンの冒頭、社内の朝礼など、日々のビジネスシーンでのちょっとした会話のきっかけになる話題の“タネ”を紹介します。
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67年前の1955年8月8日、人類の恒久平和の願いを込めた平和の象徴である平和祈念像が、爆心地に近い長崎市の高台に完成し、除幕式が行われました。
式には原爆で亡くなった方の遺族や市民など約3000人が参列しました。
制作したのは、長崎県出身の彫刻家・北村西望さん。
長崎市の公式サイトによると、「右手は原爆を示し、左手は平和を、顔は戦争犠牲者の冥福を祈る」との作者の言葉が台座の裏に刻まれているそうです。
青銅製で、高さ9.7メートル、重さ30トンもあります。
1954年3月10日付朝日新聞朝刊(東京本社版)は、東京・井の頭公園内にある井の頭自然文化園の特設アトリエ(現在のアトリエ館)で制作にあたっていた北村さんが、平和祈念像の原型ができあがったことを受け、知人を招いて完成の祝宴を催したことを伝えています。
冊子「北村西望と井の頭自然文化園の彫刻」(2018年10月6日発行)によると、北村さんは当初、東京都北区西ヶ原のアトリエで原型づくりに取り掛かりました。
しかし、巨大な像を作るため大きなアトリエが必要になり、東京都に土地の提供を依頼。
井の頭自然文化園の土地の使用許可を得て特設アトリエが建てられました。
制作中は誹謗中傷や脅迫により、長崎市から予算が打ち切られる心配もありましたが、「孫の代までかけてでも完成させたい」という強い思いで制作にあたったそうです。
平和祈念像は5年の歳月と国内外の寄付金3000万円をかけて完成。
除幕式の日、北村さんは70歳でした。
現在の井の頭自然文化園では、平和祈念像の原型や製作を行っていたアトリエのほか、また北村さんが1987年に102歳で亡くなるまでに残した作品を展示しています。
長崎は明日、77回目の原爆忌を迎えます。
この夏、北村さんが思いを込めて制作にあたったアトリエに足を運んでみてはいかがでしょうか。
(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年8月8日に公開した記事を転載しました)
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