目次

  1. 節電ポイントとは 国の節電プログラム促進事業
  2. 参加表明で企業には20万円相当の節電ポイント付与
  3. 節電ポイントの付与、いつから?
  4. 節電プログラムへの申請方法は?
  5. 節電プログラムを実施している電力会社とは
    1. 北海道電力
    2. 東北電力
    3. 東京電力
    4. 中部電力
    5. 北陸電力
    6. 関西電力
    7. 中国電力
    8. 四国電力
    9. 九州電力
  6. 事業者でできる節電の例
    1. オフィスビルでの省エネ項目
    2. 製造業での省エネ項目

 経済産業省の電気利用効率化促進対策サイトによると、冬の厳しい電力需給ひっ迫に備えつつ、電気料金に高騰にも対応するために始めるのが「節電プログラム促進事業(令和4年度電気利用効率化促進対策事業)」です。

 家庭や企業が、電気の効率的な使い方に取り組めるよう、節電プログラムへの登録や参加を促す取り組みです。節電ポイントとは、節電プログラム促進事業への参加が認められた電力会社の節電プログラムに登録した家庭や企業が得られるポイントです。

 冬の節電プログラムに沿って実際に節電した家庭や企業にさらにポイントが追加されます。詳しいポイント付与は記事後半で紹介する電力会社のサイトで確認してください。

節電プログラムの参加特典と節電達成特典の概要を示したリーフレット(政府の特設サイトから引用 https://setsuden.go.jp/)

 節電プログラムに登録した場合に家庭や企業が電力会社経由で付与されるポイントは次の通りです。

  • 低圧(契約電力が50kW未満)の家庭……2000円
  • 高圧・特高(契約電力が50kW以上)の法人……20万円

 低圧の法人については、需要地点単位で付与されますが、高圧・特高の企業は法人単位での付与になります。電力会社を変更して参加表明しても再びポイントがもらえることはありません。

 2022年8月4日~12月31日の間に、家庭や企業が電力会社に対し、節電プログラムに登録した場合に節電ポイントを得ることができます。登録した場合のポイントは早ければ8月中にも付与される見込みです。

 節電プログラムへの登録は、契約している電気会社の案内に従ってください。電子メール、チャットツール(LINE、SMSなど)、電力会社の節電プログラムサイト、電話などが想定されています。

 節電プログラムに関する政府の特設サイトでは、参加中の電力会社が検索できます。大手電力の取り組みは以下の通りです。

 北海道電力は「ほくでん 夏の節電キャンペーン」を開催。家庭などの低圧向けのみですが、8、9月の電気使用量が前年よりも5%以上節電できた契約者に、抽選でQUOカード5000円分のプレゼントキャンペーンを開催しています。

 東北電力は「よりそうeネット」で、夏の省エネチャレンジキャンペーンを開催。6~10月に前年より5%以上節電できたときに2万人を対象に抽選でポイントをプレゼントします。

 東京電力は「TEPCO 省エネプログラム2022」として、6月8日~9月30日に節電した量に応じてポイントをプレゼントします。

 中部電力は「NACHARGE(ネイチャージ)」として、7月1日~8月31日に節電した量に応じてポイントをプレゼントします。

 北陸電力は「みんなde節電チャレンジキャンペーン」として、7~9月の電気の使用量について、前年同月と比較した削減量の順位に応じてポイントをプレゼントします。

 関西電力は「夏の節電プロジェクト2022」として7月4日〜9月30日、節電が必要な日時に、標準的な使用量よりも節電した分に応じてポイントを付与します。

 中国電力は「夏の節電チャレンジキャンペーン」として8、9月分の電気使用量について、前年同月と比べ3%以上の節電を達成した場合、達成度合いに応じて、抽選でポイントをプレゼントします。

 四国電力は「おうちの節電チャレンジキャンペーン」として8、9月分の各月の電気使用量を検針期間の日数で割った「1日あたりの使用量」について、前年同月と比較し、3%以上削減いただいた契約者について、各月ごとに抽選しポイントをプレゼントします。

 九州電力は「おトクに・楽しく節電キャンペーン2022」として7~9月、節電量に応じたポイントをプレゼントします。

 経産省の省エネポータルサイトでは、次のような業態別に具体的な節電につながる取り組みが紹介されています。執筆時点で公表されている取り組みは夏用です。

  • オフィスビル
  • 卸・⼩売店
  • ⾷品スーパー
  • 医療機関
  • ホテル・旅館
  • 飲⾷店
  • 学校(⼩・中・⾼)
  • 製造業

 このうち、具体的にオフィスビルや製造業を例に紹介します。

 照明は、執務室の照明を半分程度間引きすると、建物全体で12.7%の節電効果があります。使⽤していない会議室や廊下を消灯した場合でも3.3%ほどの節電効果が見込めます。数値ただし、労働安全衛⽣規則の基準値(精密作業300Lx、普通作業150Lx、粗な作業70Lx)に注意して下さい。

 空調は無理のない範囲で設定温度を調整することで4.1%の節電効果があります。使用していないエリアの空調を止めることでも2.4%の効果があるといいます。

 ⻑時間席を離れるときはOA機器の電源を切るか、スタンバイモードにすることでも2.8%の節電効果が期待できます。そのほかの省エネ項目は以下の通りです。

照明

昼休みなどは可能な範囲で消灯を⼼がける。
従来型蛍光灯を、LED照明に交換する。
(従来型蛍光灯から直管型LED照明に交換した場合、約50%消費電⼒を削減。)
窓際等⾃然採光部分は消灯する。

空調

⽬詰まりしたフィルターを清掃する。
電気室、サーバー室の空調設定温度が低すぎないかを確認し、⾒直す。
室外機周辺の障害物を取り除くとともに、直射⽇光を避ける。
空調機の節電機能(ピークデマンドカット機能等)を活⽤する。
排ガスによる放熱ロスを避けるため、ガス吸収式冷温⽔機について空気⽐の適正化を図る。

OA機器

コピー機が複数台ある場合は、使⽤頻度に応じて稼働台数を減らす。

コンセント動⼒

電気式給湯器、給茶機、エアタオル等のプラグを可能な範囲でコンセントから抜く。
温⽔洗浄便座は、可能な範囲で保温、温⽔の機能を停⽌する。
⾃動販売機の管理者の協⼒の下、冷却停⽌時間の延⻑や節電モードへの切り替え等を⾏う。
混雑時以外はエレベータやエスカレータの稼働を停⽌⼜は台数を減らす。
ディスプレイの明るさを下げ、不要時は消灯する。

⾃動⾞

ふんわりアクセル、減速時は早めにアクセルを離すなどエコドライブを⼼がける。

その他

「クールビズ」を励⾏する。
デマンド監視装置を導⼊し、警報発⽣時にあらかじめ決めておいた節電対策を実施する。

 製造業では設備ごとの省エネ項目に着目します。とくに照明をLEDに交換すると、大きな省エネ効果が見込めます。自治体によっては、補助金が出る場合もあります。

⽣産設備

不要または待機状態にある電気設備の電源オフ・モーターなど回転機の空転防⽌をする。
電気炉、電気加熱装置の断熱を強化する(保温施⼯を実施した場合の節電効果は7%を見込む)。

ユーティリティ設備

弁の閉め忘れや継⼿・ホースからの空気漏れをなくす。
使⽤側の圧⼒を⾒直すことによりコンプレッサの供給圧⼒を低減する(単機における0.1MPa低減時の節電効果で8%を見込む)。
コンプレッサの吸気温度を下げる(単機において吸気温度を10℃下げた時の節電効果として2%を見込む)。
負荷に応じてコンプレッサ・ポンプ・ファンの台数制御を⾏う(コンプレッサ5台システムでピーク負荷60〜80%の場合の節電効果で9%を見込む)。
インバータ機能を持つポンプ・ファンの運転⽅法を⾒直す(弁の開閉状態の確認・調整によりインバータ機能を活⽤し全圧が80%となった場合の節電効果で15%を見込む)。
冷凍機の冷⽔出⼝温度を⾼めに設定し、ターボ冷凍機・ヒートポンプの動⼒を削減する(利⽤側の状況を確認しながら7℃→9℃へ変更した場合の節電効果で8%を見込む)

照明・空調

使⽤していないエリアは消灯をする。
⽩熱灯を電球型蛍光ランプやLED照明に交換する(⽩熱灯60W → LED照明に交換した場合の節電効果は 85%を見込む)。
空調の設定温度を調整する。
外気取⼊量を調整することで換気⽤動⼒や熱負荷を低減する(換気ファンの間⽋運転または停⽌により30%導⼊量を低減した場合の節電効果で8%を見込む)。
室外機周辺の障害物を取り除くとともに、直射⽇光を避ける。