19年前の2003年7月30日、ドイツの自動車メーカー「フォルクスワーゲン」が生産する、最後の「旧式」ビートルがメキシコで出荷されました。

当時の朝日新聞記事では、「フォルクスワーゲン、『カブト虫』の歴史に終止符」との見出しとともに、こう伝えています。

ドイツの国民車フォルクスワーゲン「ビートル」の生産を世界で唯一続けてきたメキシコのプエブラ工場で30日、最後の旧型ビートルが生産ラインを出た。1938年の登場以来、世界で愛され約2150万台が製造された歴史に、終止符が打たれた。

2003年7月31日付朝日新聞夕刊(東京本社版) 

2003年7月31日付朝日新聞夕刊(東京本社版)

形が似ていることから「かぶと虫」の愛称で呼ばれ、1938年から2003年までで約2150万台も製造された「旧式」ビートル。

排ガス問題がネックとなり、ドイツ本社工場では1978年にすでに生産が全面停止されていました。

  

1998年には、旧式ビートルの新モデル「ニュービートル」が発売されていました。

当時の朝日新聞記事によると、「ドイツではニュービートルを一日も早く手に入れたいという熱狂的なファンが多く、最高七万マルク(約五百六十万円)も払って米国から個人輸入するケースも少なくない」(東京本社発行の1998年7月22日付朝日新聞朝刊)と人気ぶりを伝えています。

 

この「ニュービートル」の後継となる「ザ・ビートル」も発売されました。

日本では2012年に販売がはじまり、人気を集めました。

しかし、フォルクスワーゲンは2018年に生産終了を発表。

2019年7月10日には、メキシコの工場で最後の生産を終えました。

メキシコで生産された最後の「ザ・ビートル」が日本での陸揚げ拠点の豊橋市の港に到着した=2019年9月25日、愛知県豊橋市、朝日新聞社

初代のビートルが誕生してから約80年にわたる歴史に幕を下ろしています。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年7月30日に公開した記事を転載しました)