103年前の1919年7月7日、「カルピス」が発売されました。

日本初の乳酸菌飲料と言われています。

カルピスの歴代商品=朝日新聞社

生みの親は、大阪生まれの三島海雲(かいうん、1878~1974)という人物です。

旅先の中国・内モンゴルで体調を崩した時、遊牧民から白い飲み物をすすめられ、体調が回復。

家畜の乳を発酵させてつくった飲み物でした。

三島は帰国後、乳酸菌の研究を重ね、発酵させた脱脂乳にカルシウムと砂糖を加えた飲み物をつくって売り出しました。

カルシウムの「カル」と、サンスクリット語で最上の味という意味がある「サルピス」から、「カルピス」と命名したそうです。

180ミリリットルの牛乳が10銭だった時代に、カルピスは400ミリリットルで1円60銭もする高価な飲み物でした。

おなじみの水玉模様は、七夕の日に誕生したことにちなみ、天の川の星空をイメージしたものです。

カルピスの古いポスター=朝日新聞社

「初恋の味」というおなじみのキャッチコピーが登場したのは大正時代。

このコピーも話題を呼び、幅広い世代に親しまれる飲み物になりました。

観客席でカルピスを販売するアルバイト=1953年8月、阪神甲子園球場、朝日新聞社

長い間、水で割って飲む濃縮タイプが主流でしたが、1991年にそのまま飲める「カルピスウォーター」が発売され大ヒットとなりました。

カルピスウォーターのヒットを伝える1991年11月29日付の朝日新聞朝刊(東京本社版)

ほかにも、「カルピスソーダ」やフルーツ風味の商品があります。

近年は、機能性表示食品「カラダカルピス」や「濃いめのカルピス」なども人気です。

 

「カルピス菌」は、秘伝のタレのように100年以上受け継がれてきたものだそうです。

甘酸っぱくて爽やかな風味。

飲めば懐かしい思い出がよみがえるのは、いつの時代も変わりません。

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年7月7日に公開した記事を転載しました)