遊園地の看板アトラクションといえば、まず思い浮かぶのは絶叫マシンのジェットコースターではないでしょうか。

67年前の1955年7月9日、後楽園ゆうえんち(東京都文京区)が開業し、日本初の本格的なジェットコースターが登場しました。

後楽園ゆうえんちのジェットコースター=1973年、東京都文京区、朝日新聞社

当時の資料などによると、レールの全長は約550メートルで、最高時速は55キロ。

4両連結の滑走車が急上昇したり、急降下したりしていました。

 

「ジェットコースター」は和製英語で、英語では「ローラーコースター」と呼ばれるのが一般的なようです。

後楽園ゆうえんちでの当時の名称は「ヂエツト・コースター」。

「ジェット機のように速いローラーコースター」「ジェット噴射するように加速していく」という意味を込めて名付けられたそうです。

これをきっかけに、日本ではジェットコースターという呼び方が広く使われるようになりました。

後楽園ゆうえんちの60周年を伝える2015年7月10日付の朝日新聞朝刊(東京本社版)

後楽園ゆうえんちはその後、「東京ドームシティ アトラクションズ」と名称を変更しました。

現在のジェットコースター「サンダードルフィン」は最高時速130キロ。

約1100メートルの距離を約90秒で駆け抜けます。

 

ちなみに、日本に現存する最古のコースターは、日本最古の遊園地と言われる「浅草花やしき」(東京都台東区)の「ローラーコースター」です。

浅草花やしきのローラーコースター=1995年、朝日新聞社

登場したのは1953年。最高時速は42キロで、住宅の軒先すれすれを走るスリル感が人気です。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年7月9日に公開した記事を転載しました)