2022年の夏休み、旅行どうする?国内旅行人数175%増とJTB推計
2022年の夏休みの旅行は多くの人はどうするのでしょうか?JTBは、1泊以上する国内旅行人数を7000万人と2020年比で175%増と、政府の緊急事態宣言が出ていた2021年と比べて大幅な増加を見込む推計を発表しました。日数を増やし、遠方に旅行する傾向が2021年より強まると見込んでいます。ただし、今後の新型コロナの感染動向で変わる可能性があります。
2022年の夏休みの旅行は多くの人はどうするのでしょうか?JTBは、1泊以上する国内旅行人数を7000万人と2020年比で175%増と、政府の緊急事態宣言が出ていた2021年と比べて大幅な増加を見込む推計を発表しました。日数を増やし、遠方に旅行する傾向が2021年より強まると見込んでいます。ただし、今後の新型コロナの感染動向で変わる可能性があります。
目次
1969年から夏休みの旅行動向について公表しているJTBが2022年7月15日~8月31日に、1泊以上の旅行に出かける人の推計値を公表しました。
政府が全国旅行支援を発表した後にインターネットで実施したアンケートのほか、経済指標、業界動向や予約状況などをもとにしており、6月末時点から感染状況の大きな変化がないことを前提としています。くわしい推計値は次の通りです。(▲はマイナス)
2022年推計 | 2021年比 | 2019年比 | |
---|---|---|---|
国内旅行人数 | 7050万人 | +75.9% | ▲6.5% |
国内旅行平均費用 | 3万5500円 | +7.6% | ▲2.7% |
国内旅行消費額 | 2兆4850億円 | +88.3% | ▲6.0% |
今夏は7月16日(土)~7月18日(月)が3連休で、8月12日(金)を休みにすると、8月11日(木)~8月14日(日)が4連休となる並びとなっています。
2021年と2020年の夏休みの状況の違いとして、JTBは次のようにまとめています。
この夏の旅行は、一言でいうと、日数を増やし、遠方に旅行する傾向が昨年より強まるといえます。「旅行日数を増やす(14.8%)」は対前年11.0ポイント増加、「昨年の夏より遠方に旅行したい(14.0%)」が7.4ポイント増加しました。観光キャンペーンについては、「観光キャンペーンが利用できるなら、旅行したい」が13.8%、「観光キャンペーンの実施に関係なく、旅行したい」は9.0%となりました。
JTBのニュースリリース
JTBは、2022年夏の旅行トレンドを探るため、インターネットでアンケートを実施しました。調査方法は次の通りです。
ここからは、アンケートの本調査の結果をもとに、旅行動向を紹介します。
「1泊」が35.7%と最も多くなりましたが、前年から6.2ポイント減少しています。一方で「2泊(33.1%)」「3泊(18.3%)」はそれぞれ増加し、旅行日数は長くなる傾向が見えました。
2022年(%) | 前年比 | |
---|---|---|
1泊2日 | 35.7 | ▲6.2 |
2泊3日 | 33.1 | 3.5 |
3泊4日 | 18.3 | 3.0 |
4泊5日 | 4.1 | ▲2.1 |
5泊6日 | 3.8 | 2.4 |
6泊7日 | 0.9 | ▲0.2 |
7泊8日 | 1.2 | ▲0.5 |
8泊9日 | 2.9 | 0.1 |
「夫婦のみ(24.5%)」、「子供づれ(中学生までの子供がいる)の家族旅行(20.9%)」は前年よりも減少しました。コロナ禍で増加傾向にあった「ひとり(18.0%)」も減少しました。
一方、「三世代の家族旅行(6.6%)」「(母娘など)それ以外の家族旅行(8.8%)」、「家族と友人・知人(5.3%)」「友人・知人・パートナー(14.1%)」は増加するなど、旅行人数は増える傾向にあります。
2022年(%) | 前年比 | |
---|---|---|
夫婦のみ | 24.5 | ▲1.1 |
子ども連れ(中学生まで) | 20.9 | ▲1.5 |
3世代 | 6.6 | 0.8 |
それ以外(母娘など) | 8.8 | 0.8 |
家族と友人・知人 | 5.3 | 1.5 |
友人・知人・パートナー | 14.1 | 2.7 |
団体(職場など) | 0.8 | 0.3 |
ひとり | 18.0 | ▲2.3 |
その他 | 1.1 | ▲1.1 |
※友人・知人・パートナーは、2021年は「友人・知人」として調査したため参考値
「家族と過ごす(12.3%)」「温泉でゆっくりする(9.8%)」「帰省(9.7%)」はいずれも2021年より減少しました。
コロナ禍で需要が増えていた「自然や風景を楽しむ(7.8%)」「ハイキング、登山、キャンプなど(3.6%)」「海辺で保養、海水浴、水遊び(2.2%)」も2021年より減少しました。
一方で「イベント・祭り・観劇・スポーツ観戦など(5.4%)」「テーマパークやレジャー施設(4.7%)」は増加しており、コロナ禍で中止や入場規制のあったイベントや施設への訪問意向が見られまるといいます。
2022年(%) | 前年比 | |
---|---|---|
家族と過ごす | 12.3 | 4.0 |
温泉でゆっくりする | 9.8 | ▲7.6 |
帰省 | 9.7 | ▲11.8 |
リラックスする・のんびりする | 8.6 | ― |
自然や風景を楽しむ | 7.8 | ▲2.9 |
食事・地域の味覚を味わう | 6.5 | ▲3.3 |
家族や友人・パートナーと過ごす | 5.7 | ― |
イベント・祭り・感激・スポーツ観戦など | 5.4 | 4.5 |
テーマパークやレジャー施設 | 4.7 | 0.9 |
ハイキング・登山・キャンプ等 | 3.6 | ▲2.6 |
海辺で保養・海水浴・水遊び | 2.2 | ▲2.7 |
※「家族と過ごす」は2021年は「家族や友人との親睦を深める」として調査しているため、参考値
居住地別に旅行先を見ると、旅行先と居住地が同じ地方である域内旅行の割合は、すべての地域で2021年より減りました。
首都圏を含む関東居住者は、域内の旅行が2021年より6.2ポイント減少した一方で、特に北海道、九州・沖縄への旅行が増えました。
近畿居住者も域内の旅行が6.4ポイント減少し、北海道、関東、九州・沖縄が増加しました。地方部から関東、近畿のような大都市を含む地域への旅行も増えました。
一人あたりの旅行費用は「1万円~2万円未満(20.6%)」「2万円~3万円未満(18.3%)」はいずれも2021年より減りました。一方で、3万円以上30万円未満はすべての項目で前年より増加しました。
費用 | 2022年(%) | 前年比 |
---|---|---|
1万円未満 | 9.2 | ▲6.2 |
1万~2万円未満 | 20.6 | ▲5.8 |
2万~3万円未満 | 18.3 | ▲0.5 |
3万~4万円未満 | 9.2 | 1.7 |
4万~5万円未満 | 17.4 | 3.4 |
5万~7万円未満 | 7.9 | 2.0 |
7万~10万円未満 | 11.6 | 3.5 |
10万~15万円未満 | 3.1 | 0.4 |
15万~20万円未満 | 2.1 | 1.5 |
20万~30万円未満 | 0.5 | 0.2 |
30万~40万円未満 | 0.0 | ▲0.1 |
40万円以上 | 0.1 | ▲0.1 |
2021年は感染対策として他人との接触を避けるため、自家用車の利用による近距離旅行の傾向が顕著でしたが、「鉄道」や「航空機」など公共交通機関を利用し、遠方へ、日数をかけて行く意向がみられます。
利用交通機関 | 2022年(%) | 前年比 |
---|---|---|
乗用車 | 51.2 | ▲11.6 |
レンタカー | 10.7 | 3.6 |
JR新幹線 | 23.2 | 6.9 |
JR在来線・私鉄 | 20.3 | 5.0 |
従来の航空会社 | 17.8 | 6.4 |
格安航空会社(LCC) | 5.5 | 2.6 |
長距離・貸切バス | 8.9 | ― |
フェリー・船 | 1.9 | 0.1 |
一方で、海外旅行人数は50万人(2021年比555.6%、対2019年比17.0%)と予測しており、海外旅行の本格的な再開はまだ先になりそうです。関心は高いものの、円安や原油価格の高騰、渡航先の新型コロナによる入国制限が影響しているとみられます。
2022年の夏休み旅行は、アンケートではコロナ前の需要まで戻ってきたように見えますが、都内など新型コロナウイルス感染「第7波」の兆しが見えています。今後、こうした感染動向に影響を受ける可能性があります。
また、ガソリン価格が高止まりしているなど今後の旅行やレジャーへの支出に影響する要因にも注視が必要です。
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