目次

  1. ガソリン価格の推移
  2. ガソリン価格、なぜ高騰してきた?
  3. ガソリン価格、今後どうなる?
  4. OPECプラスの増産・景気減速……原油価格が下がる兆しも

 石油情報センターの公式サイトによると、レギュラーガソリンの全国の平均価格は、8月8日時点で、170.1円。軽油も150.2円となりました。ガソリン価格は小幅ながら6週ぶりに値上がりしました。

 ガソリン価格は2020年5月ごろからずっと上昇し続け、2021年秋ごろから高止まりしてきました。その理由は、いくつか挙げられます。

  • コロナ禍で鈍っていた世界需要が回復基調にある
  • OPEC(石油輸出国機構)とロシアで構成されるOPECプラスは2022年末までの原油の減産延長で合意した
  • 円安傾向にある

 こうした状況に加え、ロシアがウクライナに侵攻した2月24日、ニューヨーク商業取引所の米国産WTI原油の先物価格は約7年7カ月ぶりに一時1バレル=100ドル超まで上昇しました。ロシアは、米国とサウジアラビアに次ぐ世界3位の産油国です。

 経済産業省と外務省は「国家備蓄、民間備蓄を合わせ、約240日分の石油備蓄を保有しており、LNGについても、電力企業、ガス企業が2~3週間の在庫を保有するなど、充分な備蓄を有しており、国内のエネルギーの安定供給に直ちに大きな支障を来す懸念はないと判断しております」として市場安定を図ろうとしてきました。

 政府は、ガソリン価格の全国平均が1リットルあたり170円以上となったときに、政府が価格抑制のために1リットルあたり25円を上限に石油元売りなどに支給する「燃料油価格激変緩和対策」も始めました。

 岸田首相は4月26日の記者会見で、ガソリンの小売価格の目標(基準価格)を1リットル172円から168円に引き下げ、さらに元売り各社への補助金を1リットルあたり最大25円から35円に引き上げ、35円を超えた分は2分の1を補助することを明らかにしました。ただし、こうした対策は、ガソリン価格の高騰を緩和するのが目的のため、高止まりが続いていました。

 ただ、2022年夏ごろから原油価格が下がる兆しが見えてきました。

 有力産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)プラスは8月3日、当面の生産計画を協議し、9月は前月より日量10万バレル分増量することで合意しました。7、8月の日量60万バレル超から比べると小幅ではあるものの増産が継続されました。コロナ禍での協調減産は、計画上は解消される見通しとなりました。

 さらに、欧米ではインフレが進み、景気が減速するとの見方が強まっています。中国も景気悪化が想定されています。さらに、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問で米中の貿易摩擦が拡がるリスクもあります。こうした要因の積み重ねで原油価格が下落傾向にあります。

 この状況がいつまで続くのか、注視が必要です。