71年前の1951年7月3日、東京・明治神宮外苑で開かれたアメリカ軍のイベントで、コーンカップに盛られたソフトクリームが販売されました。

ソフトクリーム=朝日新聞社

日本でソフトクリームが一般に販売されたのは、これが最初と言われています。

 

この年、ソフトクリームの総合メーカー「日世(にっせい)」(大阪府)が、大阪・梅田の喫茶パーラーでソフトクリームの販売を始めました。

アイスキャンディーとは異なるなめらかな舌触りや、容器のコーンもサクサク食べられるという物珍しさが人気を呼び、子どもたちからお年寄りまで多くの人に親しまれたそうです。

その後、カフェやコンビニ、みやげ物店など、さまざまな場所で売られるようになりました。

ソフトクリームの販売スタンド=1969年、東京・新宿、朝日新聞社

《ソフトクリーム大流行の波にのって、今や例のトンガリ型の容器、コーンカップも大増産》

1955年の朝日新聞には、こんな記事も掲載されました。 

コーンカップの増産を伝える1955年6月27日付の朝日新聞朝刊(東京本社版)

「ソフトクリームの日」が制定されたのは1990年のこと。

菓子メーカーなどでつくる日本ソフトクリーム協議会が、1951年にアメリカ軍のイベントでソフトクリームが売られたことにちなんで決めました。 

 

ソフトクリームはアメリカ発祥ですが、「ソフトクリーム」という言葉は和製英語です。

英語では、やわらかいアイスを意味する「ソフトサーブアイスクリーム」(soft-serve ice cream)と呼ばれるのが一般的です。

ソフトクリームのコーンカップの製造工場=2016年、朝日新聞社

そもそも、ソフトクリームのルーツは4000年前の中国とも伝わります。

原料の牛乳は昔からとても貴重で、長時間煮た牛乳を雪で冷やし、やわらかく固めたものだったそうです。

現在のシャーベットに近い食感だったと言われています。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年7月3日に公開した記事を転載しました)