目次

  1. KDDIとは
  2. KDDIで起きた通信障害、社用携帯にも影響
  3. 通信障害の原因はVoLTE交換機でのトラヒックの輻輳
  4. 太陽フレアの目立った発生確認できず
  5. 通信障害いつまで?つながりにくい場合の対処法
  6. 通信障害、「重大な事故」の可能性
  7. 法人への賠償どうなる?
  8. 問い合わせ先

 KDDIは2000年10月、長距離通信の第二電電(DDI)、国際通信のKDD、日本移動通信(IDO)の3社が合併して誕生。KDDIのIR資料によると、2021年3月末の日本の携帯電話累計契約数は、前期末比5.2%増の1億9433万契約で、このうち、KDDIグループのシェアはNTTドコモに次ぐ31.0%だといいます。

 KDDIによると、7月2日未明の1時35分から通話やデータ通信がしづらい状況が続いています。障害が起きているサービスは次の通りです。

 au携帯電話、UQ mobile携帯電話、povo、au回線利用事業者の音声通信、ホームプラス電話、ホーム電話、auフェムトセル、SMS送受信

 このため、Twitter上で社用携帯がつながりにくくなっているという投稿が相次いでいます。

 ヤマトホールディングズの公式サイトは2日「荷物お問い合わせシステムに、最新のお荷物の情報が更新されない状況が発生しています。また、セールスドライバーからのご連絡ができない、コールセンターにお電話が繋がらない状況も発生しています」と告知。

 そのほかにもau回線を利用している楽天モバイルの一部サービスが使えなかったり、Wi-Fi環境でも2段階認証が使えず電子チケットを利用できなかったりするなど、様々な事業に影響が広がっています。

 緊急電話も使いにくいなか、KDDIは固定電話、公衆電話などを利用するよう呼びかけました。

 通信障害の原因について、KDDIは公式サイトで「2022年7月2日未明の設備障害によりVoLTE(LTEを使ったスマホ向け音声サービス)交換機でトラヒックの輻輳(アクセスが集中すること)が生じております」と説明。

 アクセス集中を軽減するため、流量規制などをするなかで、音声通話やデータ通信が利用しづらい状況になっているといいます。

 SNS上では、通信障害と太陽フレアの関連性を疑う投稿が相次いでいますが、情報通信研究機構(NICT)の7月2日の宇宙天気予報は「過去3日間における目立ったフレアの発生はありませんでした」と伝えており、静穏な状況が続いています。

 KDDIによると、3日ごろから全国的にデータ通信を中心として徐々に回復し、西日本エリアは3日11時ごろ、東日本エリアは17時30分ごろに復旧作業が終了しました。 

 4日15時以降、個人・法人の顧客のサービス利用とネットワークのトラヒック正常性に問題がないことを5日15時36分に最終確認したといいます。

 音声通話やデータ通信がつながりにくい場合について、KDDIは「電話機の電源OFF・ONの操作をお試しください」と説明し、再起動を試すよう求めています。

 総務省の公式サイトによると、電気通信事業法では、緊急通報を含む音声通話が1時間以上止まり、かつ3万人以上に影響するなど総務省令で定めた「重大な事故」が起こった場合、事業者は総務省に速やかに事故の報告をし、30日以内に詳細な報告を出すことが義務づけられています。

 一部の契約で24時間以上の障害では賠償するとの契約約款もあることからKDDIのカスタマーサービスには賠償をめぐる問い合わせも多数寄せられているといいます。

 高橋誠社長は、3日に開かれた記者会見で「賠償」ではなく「補償」という言葉を使いながら次のように回答しました。

 「一律に補償させていただくということはまだ回答を持ち合わせておりません。障害の内容をもう少し見た上で検討していく」

 法人にも適用されるのかという質問に対しては「個人・法人問わず、ご迷惑をかけたということもありますので、検討して、決めていきたいと思います。法人のお客様は契約によっていろいろとサービスを提供していますので、その契約のなかでも取り決めもありますので検証していきたいと思います」と話しました。

 KDDIは公式サイトで問い合わせ先を公表していますが、こちらもつながりにくい状況が続いています。