11年前の2011年6月23日、無料通話アプリのLINEがサービスを開始しました。

無料通話に加え、気持ちをイラストで表現したスタンプ機能などが受け、急速に普及。

わずか10年で、多くの日本人にとって生活インフラと言えるまでに成長しました。

岐阜県を走るコミュニティーバスの現在位置を示すLINEの画面=2017年、朝日新聞社

LINE誕生の経緯を取材した2013年の朝日新聞の連載によると、スマホ向け新サービスのプロジェクトが動き出したのは2011年初頭。

知らない人ともつながるFacebookやTwitterとは異なる、親密な人とのコミュニケーションツールを目指そうと決めた頃、東日本大震災が起きました。

開発メンバーは避難も経験しながらサービス開始にこぎつけ、「大切な人につながるホットラインを」という思いからLINEと名付けたそうです。 

LINE誕生の経緯を追った2013年4月17日付朝日新聞朝刊(東京本社版) の連載記事

世界の登録ユーザー数(利用していない人含む)は2013年1月に1億人、7月に2億人、11月に3億人、2014年4月に4億人、9月に5億6千万人を突破。

最近の数字では、2020年3月の国内の月間アクティブユーザー数は8400万人です。 

 

運営するLINE社は2016年、ニューヨークと東京の証券取引所に同時に上場。

さらなる投資のための資金調達をしました。

その後、膨大なユーザー数を背景に、格安SIM、暗号資産、保険販売、銀行、証券など様々な事業に参入しています。 

経営統合についての記者会見で写真撮影に応じるZホールディングスの川辺健太郎社長(左)とLINEの出沢剛社長=2019年11月18日、朝日新聞社

2019年11月には、ネット検索サービス「ヤフー」を展開するZホールディングスとの経営統合交渉が判明。

実現すれば国内トップのITサービス企業が誕生するとして、大きなニュースになりました。

 

2020年以降のコロナ禍でも、LINEは存在感を発揮しています。

2020年3月には、全利用者にメッセージを送って体調を質問。

回答は厚生労働省に提供し、対策に役立てるとしました。

 

一方、2021年3月には、利用者の個人情報が業務委託先の中国企業からアクセスできるようになっていた問題が発覚。

利用者データの国内移転などを進めています。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年6月23日に公開した記事を転載しました)