【6月29日は何の日】4年前、働き方改革関連法が成立
「実は10年前のきょう…」「きょうはこんな日なんですけど…」。取引先との雑談や、プレゼンの冒頭、社内の朝礼など、日々のビジネスシーンでのちょっとした会話のきっかけになる話題の“タネ”を紹介します。
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3年前の2018年6月30日、働き方改革関連法が国会で成立しました。
一部の専門職の長時間労働を助長するおそれがあると批判が残る中での採決でした。
関連法は8本の法律の改正案を束ねたものです。
改革の目玉は大きく2つ。
長時間労働の是正と、同一労働同一賃金の実現です。
少子高齢化の続く日本では、特に近年、労働力不足が顕著でした。
世界的に見て長い労働時間や低い生産性のほか、正社員と非正社員の待遇差も課題とされてきました。
そこで出てきたのが関連法です。
長時間労働を是正すれば、女性や高齢者も働きやすくなるはずです。
非正社員の賃金を増やせば、意欲も生産性も上がるかもしれません。
こうした変化を通じ、経済成長につなげる狙いがありました。
関連法には、事実上上限のない残業時間に上限を設けたり、正社員と非正社員の不合理な待遇差をなくすための法整備が盛り込まれたりしました。
ただ、やや異質な改革も混じりました。
年収1075万円以上のコンサルタントなどの専門職について、労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度(高プロ)の導入です。
時間でなく成果で評価される働き方へのニーズに応える、というのが政府の主張ですが、過労死防止に逆行するとして過労死遺族らが反対してきました。
関連法の成立後を見てみます。
2020年5月4日付朝日新聞(東京本社版)によると、2019年4月の制度開始から1年で、高プロを導入した企業は約10社、適用された働き手は414人にとどまるそうです。
残業時間の上限規制は、2020年4月に本格施行されました。
同じ頃、コロナ禍による在宅勤務が一気に拡大。
在宅勤務については、通勤時間が節約できると歓迎する声の一方、同僚との意思疎通が希薄化した、生産性が下がったとの指摘もあります。
2020年10月には、非正規労働者に一部の手当を支給しないことを違法とする最高裁判決も出ました。
働き方をめぐる議論に今後も注目です。
(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年6月29日に公開した記事を転載しました)
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