【6月17日は何の日】50年前、アメリカで「ウォーターゲート事件」発覚
「実は10年前のきょう…」「きょうはこんな日なんですけど…」。取引先との雑談や、プレゼンの冒頭、社内の朝礼など、日々のビジネスシーンでのちょっとした会話のきっかけになる話題の“タネ”を紹介します。
「実は10年前のきょう…」「きょうはこんな日なんですけど…」。取引先との雑談や、プレゼンの冒頭、社内の朝礼など、日々のビジネスシーンでのちょっとした会話のきっかけになる話題の“タネ”を紹介します。
50年前の1972年6月17日、アメリカで政治スキャンダルに発展する「ウォーターゲート事件」が発覚しました。
この日、アメリカ・ワシントンのウォーターゲートビルに入っていた民主党全国委員会に5人組が侵入したところを警備員が発見。
逮捕された犯行グループが盗聴器を所持していたことから、FBI(連邦捜査局)も捜査を開始しました。
逮捕された5人は共和党のニクソン大統領(当時)の再選を目的に結成された団体の関係者でした。
ワシントン・ポスト紙の調査報道などを通じ、大統領や側近がこの事件などの不法行為に関与していた疑いが強まりました。
ニクソン氏は1972年11月の大統領選で再選を果たしましたが、ワシントン・ポスト紙は特ダネを連発して追及しました。
ニクソン氏は関与を否定するため執務室の会話の録音テープなどを公表しましたが、消された部分があるなど逆に疑惑が深まり、米下院司法委員会は大統領の弾劾を可決。
弾劾が確実になったことを受け、1974年8月にニクソン氏はアメリカで初めて、現職大統領として辞任しました。
このウォーターゲート事件をめぐるメディアと権力の対決は、ワシントン・ポスト紙の記者の手記「大統領の陰謀」を元に、1976年に映画化されました。
ウォーターゲート事件発覚からおよそ半世紀。
アメリカでは再び大統領選挙をめぐる政治工作疑惑が持ち上がりました。
2016年の大統領選に関して、ロシア政府が選挙工作を行ったのではないか、トランプ陣営も関わっていたのではないか――という疑惑で、ウォーターゲート事件になぞらえて「ロシアゲート」などと呼ばれました。
2019年には、ウクライナ大統領に、バイデン前副大統領らのスキャンダルを調べるよう圧力をかけた「ウクライナ疑惑」が発覚。
下院で「権力の乱用」などで弾劾訴追され、弾劾裁判を受けましたが、上院では大半の共和党議員が「無罪」と判断し、罷免は免れました。
トランプ氏は2020年11月の大統領選でバイデン氏に敗れると、「大規模な不正が起きた」などと主張。
その後、支持者らが連邦議会議事堂を襲撃し、警察官1人を含む5人が死亡する事件が起きました。
トランプ氏は「反乱の扇動」で、史上初となる2回目の弾劾訴追を下院で受け、2021年2月に弾劾裁判が行われましたが、無罪に終わりました。
トランプ氏は大統領の座を降りましたが、自身に批判的なメディアを「フェイクニュース」と決めつけ、メディアとの対立をあおりました。
ウォーターゲート事件をきっかけに、国家権力とメディアのあるべき姿を私たち1人ひとりが考えていきたいですね。
(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年6月17日に公開した記事を転載しました)
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。