目次

  1. 「絶対継ぎません」と宣言
  2. 「酒の宣伝マン」を目指し転身
  3. 仕入れの権限を従業員に
  4. 営業時間短縮と週休2日を徹底
  5. モチベーションを引き出す仕組み
  6. 売り上げを2億円増やす
  7. アイスホッケー監督も兼業
  8. 居酒屋経営で人材育成
  9. 継がせる側が背中を見せて

 「リカーポート蔵家」は、JR町田駅からバスで約10分の境川団地のそばにあり、希少な日本酒や焼酎、世界各国のワイン、洋酒を約3千種類そろえています。従業員数は5人、アルバイト2人の計7人です。

 店の前身は50年近く前、母方の祖父が営んでいたスーパーでした。やがて専門店化を目指し、婿入りした父に酒販免許を譲る形で酒店になりました。

 創業は高度成長期の1974年。町田は数多くの団地ができ、住民が爆発的に増えた時期でした。最初はどこにでもある酒屋でしたが、もともと趣味人だった先代が、海外でワインに出会って専門店化が進みます。

 酒を扱うコンビニも増えたため、日本酒、ワイン、焼酎を取りそろえる店として差別化を進めました。

「リカーポート蔵家」は町田駅からバスで10分の場所にあります

 「僕が小中学生のころは近くの団地や住宅に配達をしていて、しかもエレベーターのない団地の5階まで上がらないといけない。自宅に戻っても商売の話ばかりで本当に忙しそうでした。お店の近くにいると『手伝え』とか『空き瓶を片付けろ』と言われるのが嫌でした」

 浅沼さんは高校でアイスホッケー部に入部。部活が忙しいからと家業はほとんど手伝わなかったそうです。進学した慶応義塾大学でもアイスホッケーに打ち込みました。

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