2年前の2020年6月6日、東京メトロ日比谷線に56年ぶりとなる新駅「虎ノ門ヒルズ」(東京都港区)が開業しました。

朝日新聞東京本社発行の2020年6月6日付夕刊

当日の朝日新聞の夕刊では、「虎ノ門 新駅つなぐ期待」の見出しで開業を伝えています。

虎ノ門ヒルズ駅は、隣駅の神谷町まで約500メートル、霞ケ関まで約800メートルに位置しています。

徒歩数分から10分程度の距離に新駅がつくられた経緯について、記事では

「新駅の計画は、建設の主体の都市再生機構(UR)と工事を担う東京メトロが2014年10月に発表し、16年2月に着工した。多くの訪日客を見込んでいた今夏の東京五輪・パラリンピック開幕に間に合わせるという目標に向け、4年余りで開業にこぎつけた」

朝日新聞東京本社発行の2020年6月6日付夕刊

などと伝えています。

また、森ビルが近年、虎ノ門周辺に「森タワー」やオフィスビル「ビジネスタワー」を完成させたことに触れ、「新駅に森ビルが期待するのは、『交通の結節点になる』(広報担当者)という役割だ」と説明しています。

開業した「虎ノ門ヒルズ駅」に到着する中目黒行きの列車=2020年6月6日、東京都港区、朝日新聞社

こうした記事内容からは、虎ノ門ヒルズ駅の開業が、東京オリンピック・パラリンピック開催時のインバウンド需要や、オフィスビルの利用者需要の増加を期待したものだったことがうかがえます。

ただ、新型コロナウイルスの影響で東京オリンピックは原則無観客での開催に。

また、テレワークが浸透したことでオフィスビル需要の見通しも不透明になっています。

 

開業から2年。

新型コロナが落とした影が、現在も虎ノ門ヒルズ駅を覆っています。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年6月6日に公開した記事を転載しました)