20年前の2002年5月31日、サッカー・ワールドカップの日韓大会が韓国のソウルで開幕しました。

ソウルのW杯スタジアムでW杯が開幕。開会式では日韓両国の国旗が並んだ=2002年5月31日、朝日新聞社

アジアで初の開催、初の2カ国共催――。

世界が熱狂するワールドカップの歴史の中で、そうした「初めて」が話題となった大会でした。

サッカーW杯日韓大会の開幕を報じる2002年6月1日付朝日新聞朝刊(東京本社版)

6月30日までの約1カ月間、日本と韓国で計64試合が行われました。

当初は、日本と韓国がそれぞれ立候補して招致活動を行っていました。

しかし、両国による共同開催が提案され、1996年に国際サッカー連盟(FIFA)の理事会で決定。

開幕戦を韓国、決勝を日本で行うことが合意の条件でした。

W杯で優勝し、トロフィーを掲げて喜ぶロナウド(中央)らブラジルの選手たち=2002年6月30日、横浜国際総合競技場、朝日新聞社

日本では、北海道から九州・大分まで全国10カ所で開催。

決勝は横浜国際総合競技場で行われ、ブラジルがドイツを破って優勝しました。 

ブラジルのW杯優勝を報じる2002年7月1日付朝日新聞朝刊(東京本社版)

開催国の日本代表は、1998年に続く2度目のワールドカップ出場でした。

ロシア戦で先制ゴールを決め、得意のポーズを決める稲本潤一=2002年6月9日、横浜国際総合競技場、朝日新聞社

トルシエ監督の指揮のもと、ベルギー、ロシア、チュニジアと対戦し、2勝1分けのグループ首位で初のベスト16に進出。

決勝トーナメント1回戦でトルコに敗れました。

日本代表のW杯初勝利を報じる2002年6月10日付朝日新聞朝刊(東京本社版)

日韓大会の観客総数は約270万人でした。

ただ、FIFAが委託したイギリスの代理店のチケット販売をめぐるトラブルで、観客席には空席も目立ちました。

 

一方、世界の代表チームのキャンプ地となった国内各地では、サッカーを通じた国際交流が拡大。

カメルーン代表の到着が遅れるハプニングが話題となった大分県中津江村(現・日田市)では、ワールドカップが縁でカメルーンとの交流が続いているそうです。

カメルーン代表の到着を伝える2002年5月24日付朝日新聞朝刊(東京本社版)

日本代表は1998年のフランス大会で本大会に初めて出場。

2018年のロシア大会まで6大会連読で出場しています。

最高成績はベスト16。

2002年の日韓大会と2010年の南アフリカ大会、2018年のロシア大会でベスト16入りを果たしています。

 

2022年のカタール大会は現地時間11月21日に開幕。

決勝は現地時間12月18日に行われる予定です。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年5月31日に公開した記事を転載しました)