67年前の1955年6月1日、初のアルミ硬貨として、現在も使われている1円玉が発行されました。

新しい1円硬貨が発行される直前の当時の朝日新聞では、「来月1日から アルミの一円硬貨」の見出しで、1円硬貨の発行を伝えています。

記事では、これまで使われていた黄銅貨の1円硬貨が1953年末に流通禁止になったことに触れ、「一年半ぶりで一円硬貨がお目見えする」としています。

日本銀行によると、現在の1円玉の素材はアルミニウム100%で直径は2センチメートル、重さは1グラム。1円玉に限らず、10円や100円などの硬貨が丸い理由については、

「明治時代以降、貨幣(硬貨)は全て円形となっています。これは、明治政府が、(1)四角形に比べ使用するときに便利、(2)角がないので摩損が少ない、(3)大量生産する上で好都合、といった理由から、貨幣を円形とする方針を定めたことによるものです」

と説明しています。

 

1円玉は消費税の導入などによって、2002年には約410億枚まで流通枚数が増えましたが、昨今はキャッシュレス決裁の利用が進み、減少傾向にあります。

発行から67年が経った1円玉。存在感が徐々に失われているようです。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年6月1日に公開した記事を転載しました)