12年前の2010年5月28日、タブレット端末「iPad」が日本で発売されました。

2010年5月28日付朝日新聞朝刊(東京本社版)

画面をタッチして操作するiPhoneを発売したアメリカのアップル社が開発。

店舗前に徹夜の行列ができるなど、大きな話題を呼びました。

直営店前で販売開始を待つ人たちの列=2010年5月27日夜、愛知県名古屋市、朝日新聞社

「スマートフォンとパソコンの間に新しい分野をつくる」

アップルの当時の最高経営責任者(CEO)、スティーブ・ジョブズ氏はこう話していました。

携帯電話の「持ち運びやすさ」と、パソコンの「見やすさ」の両立を狙った端末で、本体価格は当時約5万円~約8万円。

iPadについてプレゼンをするアップルのスティーブ・ジョブズ氏=2011年3月、朝日新聞社

先行販売されたアメリカでは、最初の1カ月で販売数が100万台を超えるほどの人気でした。

その後、他のメーカーもタブレット端末商品を投入して市場が拡大。

いまでは在宅勤務や遠隔授業などでタブレット端末を使う人も多いと思います。

 

すっかり身近になったタブレット端末ですが、iPadの発売から間もない2010年7月の朝日新聞には、こんな記事が掲載されました。

2010年7月3日付朝日新聞夕刊(東京本社版)

「(ニュースがわからん! ジュニア版ワイド)『電子書籍』って何?」。

話題のニュースを子どもたちにもわかりやすく解説する記事で、iPadが発売されたことを受けて電子書籍について取り上げていました。

「本は、紙に印刷されているもの。そんな常識が、変わりつつあります」――。

記事では「近い将来、学校の教科書が電子書籍になる日も来るかもしれない」と予想していました。

 

デジタル教科書は、学校教育法の改正により2019年度から使用が可能になりました。

記事が予想していた未来で、いま私たちは生活しています。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年5月28日に公開した記事を転載しました)