1912年(明治45年)の4月14日の深夜、イギリスの豪華客船「タイタニック号」が北大西洋のニューファントランド沖で氷山に衝突し、翌日の未明にかけて沈没しました。

タイタニック号が氷山と衝突し、沈没を始めたと伝える1912年4月18日付東京朝日新聞

初めての航海で、イギリスのサウサンプトンからアメリカ・ニューヨークに向かっていました。 

沈没までの時間はわずか数時間だったと言われています。

乗客乗員約2200人のうち1500人以上が亡くなりました。 

イギリス・北アイルランドのベルファストにあるタイタニック博物館に展示されているタイタニック号の模型=2012年、朝日新聞社

当時の東京朝日新聞がこのニュースを報じたのは4月18日の朝刊。

《大汽船遭難 初航海の氷山と衝突》と伝えました。 

 

日本でも関心が高かったようで、東京朝日新聞はその後も《大汽船沈没続報 溺死者千余名》《望全く絶ゆ》などと連日報道。

生存者の話なども伝えました。 

 

タイタニック号はイギリスの汽船会社、ホワイト・スター社が建造。

長さ269メートル、幅28メートル、総トン数は4万6329トンで、当時の最新鋭設備を備えた世界最大の豪華客船と言われました。 

事故の原因や大きな被害は、流氷の監視態勢や救命設備の問題などさまざまな要因が関連しているとされ、多くの教訓がその後の船の安全確保に生かされました。 

 

この大惨事を題材にした映画「タイタニック」が公開されたのは1997年(平成9年)のこと。 

舞台あいさつをするレオナルド・ディカプリオ(左)とジェームズ・キャメロン監督=1997年、東京・渋谷、朝日新聞社

監督・脚本はジェームズ・キャメロン、主演はレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレット。 

貧しい青年と上流階級の娘の悲恋が沈没の史実を交えて描かれ、世界中で大ヒットしました。 

日本でもロングラン上映され、興行収入は一時、国内で歴代トップに。 

映画「タイタニック」が日本の興行収入でトップになったことを伝える1998年5月18日付朝日新聞夕刊(東京本社版)

その後、日本での興行収入は262億円に達しました。

2020年に公開されて大ヒットした「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」(2001年公開)に続く歴代3位の記録です。(敬称略)

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年4月14日に公開した記事を転載しました)