4年前の2018年5月18日、当時高校生棋士だった藤井聡太さん(18)が史上最年少の15歳9カ月で、七段に昇段しました。

たくさんの報道陣に囲まれ、船江恒平六段との対局を振り返る藤井聡太さん=朝日新聞社、2018年5月18日、大阪市福島区

翌5月19日の朝日新聞の朝刊では、「藤井最年少七段 61年ぶり更新」の見出しで藤井聡太さんの歴史的な昇段を伝えています。

朝日新聞東京本社発行の5月19日付朝刊

記事では

「日本将棋連盟によると、15歳9カ月での七段昇段は史上最年少記録。加藤一二三(ひふみ)・九段」(78)の17歳3カ月で七段昇段の記録を61年ぶりに塗り替えた」

朝日新聞東京本社発行の5月19日付朝刊

と紹介。

また、藤井さんの「ここまで速いペースで昇段できるとは思っていなかった」という談話も伝えています。

 

そもそも、「七段」とは何を表しているのでしょうか。

日本将棋連盟によると、「七段」や「六段」といった「段」はプロ棋士の等級を表しています。

数字が大きいほど格が上で、一番上は「九段」、一番下は「四段」です。

プロ棋士は全員、四段から始まるしくみです。

四段から上には、それぞれの段位で決まった勝ち星を挙げると昇段できます。

一方で、一度昇段すれば、負け続けても段位が下がることはありません。

 

また、「段」とはちがう呼び方をする棋士もいます。

例えば、将棋界に全部で8つあるタイトル戦のうち、竜王戦の勝者の棋士には竜王という称号が与えられ、段ではなく称号で呼ばれます。

 

藤井さんは、史上最年少の七段昇進からわずか3年で八段に昇段。

2021年7月、再び史上最年少の18歳11カ月で九段に昇段しました。

さらに8つのタイトルのうち、竜王、王位、叡王、王将、棋聖の五冠を獲得しました。

そのため、段位は九段ですが、藤井聡太九段ではなく、「藤井聡太五冠」と呼ばれています。

すべてのタイトル戦を制して、「藤井聡太八冠」となる日もそう遠くないかもしれません。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年5月18日に公開した記事を一部修正して転載しました)